第九十二話 備え
ようやく更新出来た感はありますが、今回は短めです。
列車砲に似た超重戦車。名はラントクロイツァーP1500モンスター。名前は長く、その大きさも直径40m以上とまた長い。
そんな大きすぎると言っても過言ではない超重戦車型『PODE』は、まだ生存者たちには気付いていない。生存者たちにとってたったの一発でも脅威となる砲は撃ち終えて、ただ一直線に向いているだけであった。
「美保さん、敵は来ませんので落ち着いてください。これから説明と指示を出しますのでこちらへ」
「あ、え、うん……」
雛は超重戦車型『PODE』による先ほどの砲撃で気が混乱したままの美保を落ち着かせ、これから超重戦車型『PODE』に備えていくためにレイテットとアイーラのいるところに移動させる。
これでまともに全員が揃った。雛の表情は深刻そのものだが、説明のために口を開いて話し出す。
「よし、みんなが集まったところで新しく捕捉した超重戦車型『PODE』について説明する。あの超重戦車型『PODE』は強固な要塞を崩す火力と最大射程30kmを超える射程を持っている」
「うわヤバッ」
説明途中にレイテットのリアクションが入る中、雛は説明を続ける。
「レイテットはもう分かったかもしれないが、もっと分かりやすく説明する。つまり今俺たちがいるこの家は既に超重戦車型『PODE』の射程内であり、この家に撃たれてしまえば一瞬でここは吹き飛ぶ。そして再び戦闘すれば間違いなく超重戦車型『PODE』はこちらに気付くだろう。その時には、俺たちの命はないに等しい」
雛の説明の内容は今生存者たちが置かれている状況の説明でもある。レイテットは説明途中で今がどれだけ危険な状況なのかを分かってしまっていた。
そして今、アイーラも美保も今の危険な状況を分かってしまった。彼女たちの表情は不安や死の危険を悟ってしまったものに変わっていく。
「雛君、これからどうする? 今は街の方にそんな化け物がいる訳だけど……」
不安そうに問うレイテットに対し、深刻な表情を浮かべたままの雛は答えようと口を開く。
「まずはいつでもこの家から離れられる準備をしておく。なにも準備しないまま外に出れば、ジリ貧のまま敵に殺されるか、飢えに耐えられずに餓死するかの二つだろうからな。だから準備する。みんなで生き残るために……自衛官としてだけでなく、俺の意思として」
雛はレイテットの問いに答えた。それは敵の撃破でもなく、心中でもなく、生き残るための回答。全員で生き残りたいと願う回答だった。
その雛の回答に応えるようにレイテットとアイーラの抱く不安は生き残る決意を固めたものへと変わる。ただ一人、美保を除いて。
「ここまで説明しておいてだが、反対意見とかはあるか?」
「大丈夫、雛君のこと信じているよ!」
「私も特になーし」
レイテットもアイーラも雛を信用し、反対意見がないように告げる。
その中で美保は「私も雛君のことを信用するわ。みんなで生き残るためだものね」と、どこか仕方なくといった様子で告げる。
「反対意見なし、そんじゃ早速準備を始めよっか!」
「うん、準備を始めよう。敵はこちらの都合で待ってくれないからな」
こうして生存者たちはいつでも家から離れられるように準備を始める。
リュックサックやショルダーバッグ、ウェストポーチに食糧と医療品、弾薬を優先にして物を入れていく。もちろんゲームなどの娯楽は二の次だ。
「この家から離れるのね。おばあちゃんと、みんなと遊んだこの家から……」
美保の寂しげな独り言。誰にも聞かれない独り言の最中、家を離れる準備は着々と進む。
最近脳が腐ってきたのか段々更新頻度が遅くなってきている……(-_-;)
更新早くしないと




