表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】POD Enemy  作者: D-delta
エピソード3 疲れと生存

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/110

第八十二話 休息の夜

みなさま、お久しぶりです。リアルが中々に忙しく、書けない期間が長くなったしまったせいかスランプ状態に陥りながらもようやく投稿出来ました。

スランプなこともあって今回は短めです。キャラが崩壊していないかかなり心配ですが、そこらも含めてさらっと読んでいただければ嬉しい限りです。

 時刻は午後七時。薄かった夜は深まりを増して、太陽の日光が届かなくなった時間帯。僅かな月光が地上を照らす。

 生存者たちはそれぞれ好きなように休息に入っていた。

 雛は疲れからかレイテットに寄り添ったまま寝ており、レイテットは寝ている雛の頭を撫でている。アイーラはそんな雛とレイテットのすぐ横でゲームをやっている。そして美保は自室でぐっすりと眠っていた。

 穏やかな休息の時間、突然リビングにお腹の鳴りが響いた。


「ん? 今のは?」

「あ……今の私、あははは」


 お腹の鳴りに気付いた雛は目を覚まし、レイテットのお腹を見た。見られた時点で隠すことの出来なくなったレイテットは素直に白状する。


「晩ご飯にするか」


 レイテットのお腹の鳴り、腹ペコの合図から生存者たちの晩ご飯は始まる。

 雛とレイテットは早速食糧を出し、食事を始める。その食事風景をふと目にしたアイーラはゲームを止める。


「あ、私も食べる」


 そう言ってアイーラはレイテットの横にちょこんと座り、自らも食事を始めた。

 テーブルに並ぶのはどれも缶詰めという傍から見れば貧相な食事ではあるが、生存者たちはお腹の減りの前に贅沢や貧相という言葉は頭からすっぽり抜けていた。


「ねぇ、ここを出たらみんなで遊びに行かない?」


 食事をしている最中、アイーラが唐突に言い出す。そこにレイテットがアイーラの言い出したことに乗って来て「良いねー! 色々なところ行ってみよう!」と元気に告げた。

 雛は笑みを浮かべて「うん」と頷き、新しく出来た希望を溢さぬよう左手に拳を作った。

 そうして生存者たちは食事の手を進めてお腹を満たしていく。


「あーお腹いっぱい」


 レイテットがお腹をポンポンと叩いて言い、アイーラは「ごちそうさまー」と言ってゲームを再び手に取る。そして食事を終えた雛はレイテットのお腹をポンポンと叩く様を見つめて笑みを浮かべていた。

 テーブルの上に置かれた缶詰めは空っぽとなり、生存者たちの食事は終わる。と思われたが、まだ一人食事すら始めていない者がいた。

 美保だ。



 ※



「んー……お腹空いた」


 いくら疲れて寝てはいても空腹は起きる。今まさに美保の部屋では空腹の音が鳴り響いていた。


「なにか食べよう」


 ベッドから起き上がり、美保は疲れた身体を引きずるようにリビングへと向かった。リビングには荷物を整理しているレイテットと雛、そしてアイーラがいた。


「あ、美保さん!」

「もう起きたんですか、身体の方は大丈夫ですか?」


 レイテットが美保に気付いて声を掛けると、それに反応したアイーラが心配な表情で美保に告げた。

 美保は「あ、大丈夫大丈夫。私のことは気にしないで。ちょっとお腹が空いただけだから」と告げるが、身体は疲れに正直である。あまり動けない。それでも無理に身体を動かして食糧である缶詰めを取り出そうと手を伸ばした。


「わ……!」


 しかし美保は倒れてしまった。もちろん意識はある。身体が美保の思い通りに動かないのだ。


「大丈夫ですか!?」


 美保が倒れた拍子にレイテットの心配の声がリビングに響いた。

 その声に対して美保は「うん」と頷く。


「ふぅ……全く、いくら美保さんが年長者だからって無理しちゃダメですよ。美保さんだって人間なんですから私たちが年下だとしても頼ってください!」


 レイテットが胸を張って元気よく告げた。そんなレイテットに便乗して、雛は倒れた美保を助け起こしながら「一人でキツイのなら俺たちに頼ってください。助けます」と告げ、アイーラは「倒れたらせっかくの美人が台無しですよー、美保さーん」と告げながら代わりに缶詰めを取る。


「あ、ありがとう」


 レイテットと雛が二人がかりで動けない美保をイスに座らせ、アイーラはテーブルに食糧を置く。

 今まで世話をする側の美保だ。慣れないようなお礼が表すように、世話されることには慣れていなかった。


「あーん、します?」

「だ、大丈夫よ! それは彼氏が出来たらその人にしなさい!」


 アイーラが心配して言ったことに美保は恥ずかしがる。既に美保の口元に箸で食べ物が運ばれている。

 そして美保が恥ずかしがっているのを見たアイーラは、特訓の仕返しと言わんばかりに強行し始める。


「じゃあ予行演習ということで、はい、あーん」

「んー……はぁ、あーん」


 アイーラの強行に美保は仕方なくといった様子で頬を赤くさせながら口を開いた。そうして美保の口の中に食べ物が運ばれる。


「美味しいですかー?」


 少し意地悪な笑みを浮かべたアイーラが問うと、美保は「普通よ、普通!」と冷静を装った。しかし頬を赤くしている時点で冷静を装っているのはレイテットとアイーラにバレバレである。

 そんな三人を余所に、雛はというと「美保さんはあーんが嬉しいのだろう」と勝手に納得していた。恥ずかしさを隠すために冷静を装っているなど気付きもしない。


「どんどん運んであげますよー。ほら、あーんです」

「も、もう、年長者をからかうんじゃありません!」


 などと美保は言いつつも、口を開けて中に食べ物を運んでもらう。完全に餌付けされているような状態である。

 だが、美保の身体があまり動かせないのも事実。身体の状態もあって、頬を赤くさせたままで夕飯を食べるしかなかった。

 こうして休息の夜はアイーラの仕返しで始まった。


さぁ投稿頻度を増やさなければ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ