第七話 生き残るための支度
予備知識とか地形とか考えながら書いてたら更新遅れてしまった!
異世界じゃないから大変ね、こういうの本当。
・追伸
アップロードした時にバグったみたいで、最後らへんの文章がおかしくなっていました。
修正いたしましたので引き続きよろしくお願いします。
修正前のをお読みになった方、大変申し訳ありませんでした。
くそぅ、バグりやがって(ー。ー#)
寝静まった夜は過ぎて行く。時間が経つにつれて辺りは明るくなっていく。
地平線の向こうから眩しい朝日が顔を出し、無言で朝だということを告げに来た。
朝になって鳥の鳴き声が聞こえてくる。そして同時に各々の部屋から目覚ましい時計のアラームが鳴り響いた。
目覚ましい時計の騒がしい音と鳥の可愛らしい鳴き声でゼラは目を覚ます。
「朝か」
ゼラは窓から陽の光りが入ってきていることに気付いて朝になっていることに気が付いた。
目覚ましい時計のアラームが止まる。しかし各々部屋から出て来ない。
「まだ寝ているんだな」
無理に起こしに行かず、ゼラは横に立て掛けてある89式小銃を膝に置いた。ポケットから布きれを取り出し、89式小銃の手入れを始めた。
可能な限り分解してパーツの隅々から拭いていく。
そして手入れを始めて軽く一時間が経った。
ゼラは手入れを終えた。綺麗になった89式小銃のパーツを一つずつ手に取り、自らの手入れの出来栄えを眺めていた。
「よし」
納得したように一言言って、ゼラは分解した89式小銃を組み上げて元に戻した。そのまま安全装置が働いている89式小銃をすぐ横に立て掛けた。
次にレッグホルスターから9mm拳銃を取り出し、手入れを始める。分解してパーツの一つ一つを丁寧に拭いていく。
こうした細かな手入れは大事だ。もしも長期間手入れをしないままで使用すると銃の性能低下を招くことや故障を引き起こしてしまう可能性があるのだ。特に故障がここぞという時に発生すると、武器の使用者は極めて高い確率で命を落としてしまう。
銃器の手入れとは、そういう故障や銃の性能低下を起こさないためにある。
「これで良いか」
手入れの出来栄えに納得したゼラは9mm拳銃を組み上げて、元に戻した。そのまま元の形に戻った9mm拳銃をレッグホルスターに戻した。
「おはよう!!」
丁度全ての手入れを終えたところでレイテットの部屋の扉が勢いよく開き、パジャマ姿のレイテットが元気よく飛び出てきた。パジャマには犬の絵がプリントされており、パジャマ自体の色は黄色だ。
そんな犬のように元気が良いパジャマ姿のレイテットはゼラの隣に座った。
「ふーん!」
「…………」
無口なゼラはふと鼻息を大きくさせているレイテットの顔を見つめた。
レイテットの顔は端正の取れた顔をしており、美少女と言っても疑いの持ちようがないものだ。そして窓の外を見つめている瞳は真っ直ぐで意志が強く、キラキラと元気に輝いている。
レイテットの笑みに心を許したゼラは自然と口角が上がった。
「レイテット……朝からうるさいー」
Tシャツ姿で下着が見える姿をしているアイーラが部屋から出てきた。寝足りてないのか、アイーラは目を擦りながらイスに座った。
目を細めながら首を緩く上下に振っている。アイーラは明らかに眠そうにしていた。
美保の部屋の扉が開く頃には眠気に負け、アイーラはイスに座ったまま二度寝してしまった。
「おはよう」
優しくふんわりとした挨拶をする美保が部屋から出てきた。しかも全裸でだ。
美保のムチムチとした肉感のある身体からほのかに甘い香水の匂いが部屋に漂ってくる。香水の匂いとイヤらしい身体付きが合わさり、男なら誰でも魅了されてしまうほどのエロティックがあった。
レイテットは美保の姿を注意するように「美保さん、全裸はダメです!! 服! 服を着て!」と声を大にした。
「はいはい、分かったわよ」
からかったように笑い、美保は部屋に戻って行った。少ししてメイド服を着込んだ美保が部屋から出てきた。
今日の着込んでいるメイド服は昨日とは違うものだった。可愛らしいメイド服とは違い、スカートタイプではない短パンタイプの気が引き締まるような格好であった。
「あの、美保さん。それは?」
レイテットは美保がなにか持っているのに気付き、指を差して訊いた。
美保の顔がニヤリと笑う。
「これは私の秘密兵器、その名も……ブラックバスター!」
カッコよく美保は言うものの、その手に持っているものは黒い軍用の折りたたみ式スコップだ。決して伝説のスコップや絶対最強のスコップ、特殊な力が宿ったスコップなどではない。しかし掘ってよし、突いてよし、斬ってよし、と汎用性は思いのほか高い。
折りたたんであるスコップを展開してカッコよく決めポーズを取る美保に対して、レイテットは呆れたように苦笑いした。
「美保さん、良い大人なのに中二臭いです」
「うぐっ……!!」
レイテットのさり気ない言葉が美保の心に刃となって突き刺さった。
気を取り直すようにして美保はスコップを折りたたむ。
「こほん、今度から私も一緒に行くからね。みんなに倒れられても困るし」
美保は頼もしいお姉さんのように言った。
ゼラは美保の言うことに対して無口なままなにも言わない。変わってレイテットは「おぉ! 頼もしい!」と美保を持ち上げるようにいつもの元気な口調で言う。アイーラは寝ている。
「今日はどうする? 食糧なら私とアイーラで昨日調達してきたけど」
「うーん、どうしましょうか」
レイテットと美保がなにをするか悩んでいるところでゼラが横から口を開いた。
「ここにネット環境や国外に繋がる電話などはあるか?」
「あれ? 美保さん、そういうのあったっけ?」
「私には分からない。たぶんないと思うわ……ごめんね」
申し訳なさそうに美保は答えた。
「いや、大丈夫だ。美保さんは悪くない」といつもの冷静な口調でゼラは一言だけ言って、美保をなだめた。
なだめられた美保は元気を取り戻し、表情が元に戻る。
「とりあえず次行くところを決めるのに地図出すね」
レイテットはそう言って戸棚からサハリンの地図を出し、テーブルの上に広げた。広げられた地図は最新のものであるため、地図上の情報と実際の位置に間違いはない。
ゼラは地図を見つめ、ホルムスクから離れたところにある地点に視線を移動させていった。移動させた先は周りが木々で生い茂っている道だ。
ひょっとしたら、とゼラは思考する。
「ここにSAM(地対空ミサイル)があるのかもしれない……」
彼が予測した周りが木々で生い茂っている道にはミサイル車を隠すのに丁度良いポイントが三つある。そのどれもが全て、周りが木々に囲まれた車道付近だった。しかも近くの車道はミサイル車が十分に移動出来るだけの幅がある。
ここで地対空ミサイルを飛ばした『PODE』を破壊出来れば、次に来る救助部隊やここを通る航空部隊の安全度が増す。その上、救助部隊がゼラを含めた生存者を救助することもあるかもしれない。
だが、一つ問題がある。それは各ポイントを確認しなければ本当にいるか分からないことだ。
「全部調べるしかないか」
思考を動かしながら一人で呟くゼラ。それをレイテットと美保は不思議そうにして見つめていた。
「どうしたの?」
レイテットが訊くように言う。
ゼラは応えるようにレイテットと美保の目を見て「作戦が出来た」と言った。
「どんな作戦?」
ニッコリと笑みを浮かべ、レイテットは積極的に作戦に参加する姿勢でいた。それは美保も同じだった。
ゼラは作戦の説明を始めた。
「まずはこの三つのポイントを見てくれ」
ゼラが三つのポイントを指差す。レイテットと美保は指を差されたポイントを見つめた。
そのままゼラは作戦の説明を続ける。
「このポイントのどれかに俺の乗っていたヘリを撃ち落としたミサイル車がいる。それで今後ここを通る救助部隊と航空部隊のためにそのミサイル車を破壊する。運が良ければミサイル車を破壊したことによってまた救助部隊が来るからしれない」
「本当!?」
美保が〝救助〟という言葉に食いついた。俄然やる気が出てきた美保の目は希望に満ちていた。
「しかしここからだと、距離が遠い。万全の状態に挑まなければならない。ちなみに訊くが、ここにリュックサックなど物を入れるものはあるか? それと車は?」
レイテットも美保も首を振って、二人とも「無い」と答えた。
無いということを告げられたゼラはまた思考する。
「まずは作戦の準備を整える、良いな?」
「うん! そうとなったら準備して出発しよう!」
「今度はみんなでね」
「うー……うん?」
ゼラの指はホルムスクの街の方を差していた。
作戦の準備を整えるため、今起きたアイーラを含めた四人はホルムスクの街に出発する準備を始めた。
ほとんど支度を終えていたゼラはガスマスクを着用して、素のままの89式小銃を持つ。
レイテットは着替え、ジーパンとTシャツ姿で銃剣付きのドラグノフを持った。
目を覚ましたアイーラはいつもの短パン、Tシャツ姿とその上にポンチョを着込んでスコープ付きのAK47を持った。もちろんバケツは被っていく。
いつもとは違う短パンタイプのメイド服を着込んでいる美保は絆創膏や食べ物をポケットに入れ、キャラ物の腕時計を付けて軍用の折りたたみ式スコップを持った。
「行くぞ」
ゼラの声に応えて三人はコクリと頷いた。
皆の意志を確認したゼラは家の扉を開いた。
生存者四人は太陽の光に照らされ、足並みを揃えて出発する。
生き残るための長い支度が始まった。
感想とか書いてくれると嬉しいなぁ……(チラッ)




