第四十七話 一時の休息
うーむ、最近どうにも更新遅くなってしまいますなぁ(´・ω・`)
時刻は午後三時。
雛は自身の悪夢は打ち砕き、生存者たちは『PODE』の蹂躙から生き残った。幸いにも取られた武器や持ち物は全て教室内に置いてあり、生存者たちは武器と持ち物を全て回収出来た。
そうして敵の排除、武器と持ち物の回収を終えた生存者たちは休息を取っていた。
「お腹空いたぁ!」
完全に意識を取り戻し、いつものテンションになったレイテットが言う。
もうお昼ご飯の時間はとっくに過ぎている。レイテット以外もお腹を空かせていた。
「今残りの缶詰め出すから待っていてね。あ、喉が渇いているなら残りの水筒もあるわよ」
美保はリュックサックから缶詰めと人数分の水筒を取り出す。
敵の襲撃や不意を突かれた攻撃でバタついていた生存者たちは、ようやくお昼ご飯に入った。
缶詰めの種類は塩分のあるものからフルーツ系のものまである。
「これ、頂きまーす!」
「私はこれ」
レイテットが塩分のある魚の缶詰めを取り、アイーラは水分補給も出来るミックスフルーツの缶詰めを取った。美保は薄味のお肉の缶詰めを取り、雛は最後に余ったみかんの缶詰めを取る。
貧相な食事だが、食べなければ生きていけない。それは生存者全員が分かっている。
「んー、二日続けて缶詰めだし、帰ったら美保さんの手料理食べたいね!」
「うんうん、缶詰め生活いやー」
レイテットとアイーラは早々にお昼ご飯を食べ終わり、美保の手料理を頭に浮かべていた。思わずよだれを垂らすレイテットとアイーラは色々な料理を思い浮かべ、またお腹を空かせた。
その様子を見つめる美保は笑みを浮かべて告げる。
「帰ったらちゃんと作ってあげるから、それまで我慢よ。分かった?」
「はーい!」
「いえーす、まーむ」
彼女らの作り出す和やかな雰囲気。
雛はその雰囲気がとても心地よく、缶詰めを食べながら静かに彼女らの元気な声を聞いていた。
「雛君!」
急にレイテットが雛に詰め寄る。キス出来るぐらいに顔は近い。
雛は首を傾げて「どうした?」と答えた。
「ツーン!」
「うぉ!?」
レイテットの急な脇ツンツン攻撃!
雛にクリティカル!
まさに脇弱点!
「一体なにを!?」
「ふふ、ちょっといたずらしたくなっちゃっただーけ!」
「そ、そうか」
無邪気な笑顔を浮かべるレイテットに対して雛は苦笑いを浮かべる。しかし雛に不快感はなかった。むしろどこか楽しさを感じていた。
「こういうのも少しは楽しいな」
「うんうん! 今度は私にいたずらしてみる?」
誘うようにレイテットは言う。たまらずレイテットに色気を感じてしまった雛は「え、遠慮する」と目を逸らして告げた。
「じゃあまた今度ね、二人きりの時にでも」
「あぁ、その方がやりやすい」
「約束だからね」
「了解した」
レイテットと雛は笑みを見せ合い、約束する。
その様子をニヤニヤしながら美保は見ていた。アイーラは雛がどんないたずらをするか、ボーと想像していた。
「あらあら、お熱いわねぇ。二人きりでなにするのぉ?」
ねっとりした言い方で美保は茶化し始める。たちまちレイテットの顔は赤くなり、焦るように目があっちこっちに泳いだ。
「え、えーとですね……内緒です!」
レイテットがゴリ押しするように言い放つ。レイテットのゴリ押しに美保はクスクスと笑い、意地悪が行き過ぎないようにからかいを止めた。
美保の意地悪は終わるが、顔を赤くしたままのレイテットは雛の後ろに隠れてしまった。そして警戒した犬のようにガルルルと美保を見ている。
「そういえば雛君、いつから美保さんに対して敬語使うようになったの?」
突然気になったことをアイーラは口に出した。レイテットと美保は「確かに」と口を揃えて、気になり始めていた。
そして雛は答える。
「年長者である美保さんにタメ口を使うのはなにか違和感があったから途中で敬語に直しただけだ」
「なるほー」
アイーラの一声と共にレイテットと美保も当然のことだと納得する。が、その理屈で行けばレイテットとアイーラは雛より年上であり、その二人にも敬語を使わないといけなくなる。
「一応私とレイテットも雛君より年上だよ、なんで敬語使わないの?」
アイーラは新しく追加された疑問を率直に述べた。
その疑問に、雛は少し難しい顔をして答える。
「すまない。最初の頃はレイテットとアイーラが俺より年下だと思っていたんだ、それでタメ口で話していく内に年上だと分かっても敬語で話しづらくなってな」
「まぁ今更だから私はタメ口で構わないけどね!」
レイテットは気にしないといった様子で言う。が、アイーラは「私はちょっと気になるかも」と敬語で話してくれないことが気になっていた。
「雛君、敬語で話してみて」
アイーラが雛に要求。
雛は再び難しい顔をした後、真面目な顔付きになって「すまない、アイーラに敬語を使うのはなにか違うと思う」とアイーラの要求を拒否した。
「え、え? なにか違うってどういう?」
すかさずアイーラが訊く。
「こう、アイーラに敬語を使うのは違和感があるんだ。俺とアイーラは友達のような感じがしてならないというか……とにかく敬語を使うのは違和感がある」
「なんじゃそりゃあ!」
よく分からない理由で要求を拒否されたアイーラは雛にツッコむことしか出来ない。しかし友達という響き。アイーラはそれほど悪い気になっていなかった。
アイーラの疑問はツッコみを入れたところで終わる。
「そろそろ午後の四時になるわ、帰るかしら?」
美保が腕時計を見て告げる。正確な時刻は午後三時五十分。
学校の外は薄暗い雲があるものの、雨は降っていない。まさしく雨に濡れずに帰れるチャンスである。
「雨が降っていない、丁度良い頃合いだ。もう回収するものもないし、帰ろうか!」
雛の明るい声によって家に帰ることが決定された。生存者たちはそれぞれの武器と持ち物を持って、学校の一階へと降りて行く。
「うはー、美保さんの手料理楽しみー!」
「うんうん!」
レイテットは元気な声で言い、アイーラはコクコクと頷く。
賑やかな雰囲気のまま生存者たちは帰り道を歩き始める。その先に難敵がいるということも知らずに。
難敵と相対するとき、決戦が始まる。




