第三十二話 雛、ゲームをする2
最近急にリアルが忙しくなってきたので投稿遅れました、申し訳ありません。
ゲームをクリアするまでという条件の下、夜更かしを続けた雛とレイテットは午前四時くらいでゲームをクリアし、寝落ちしていた。そして午前十一時に目を覚ます。
二人して寝ぼけており、意識をぼんやりとさせている。そのままお互いに抱き合う形でおでことおでこをぶつけた。
「っ!」
「痛っ……」
おでことおでこをぶつけた衝撃で二人は意識をハッキリさせた。
もはやキス出来るぐらいに二人の顔は近付いており、雛は動じることがないが、レイテットは顔を赤くさせた。
「えーと、夜遅くまでゲーム付き合ってくれてありがとう! 雛君のおかげでゲームクリア出来たよ!」
「俺はヒントを与えただけだ。つまりゲームをクリア出来たのはレイテット自身の力ということになる」
「えへへ、そう言ってもらえると嬉しくなっちゃうなー!」
意識をハッキリさせて早々レイテットは元気な笑顔を雛に向けて、喜んでいた。
レイテットは立ち上がり、持ったままの携帯ゲーム機を机に置いた。そのまま携帯ゲーム機からゲームソフトを取り出し、次のゲームソフトを入れた。
「次はこれだね」
レイテットは言うと、ゲームを再び起動させる。しかし電源スイッチを押しても起動せず、レイテットは頭を傾げた。
その様子を見ていた雛は起き上がる。レイテットの横に行って、携帯ゲーム機を見つめる。ゲームの画面は暗いままだ。
「充電ケーブルと繋がってないようだ。充電切れじゃないか?」
雛が指摘する。
その指摘で充電ケーブルを外してゲームしていたことに気付き、レイテットは苦笑いしながら「あ、そういえば充電ケーブル外してゲームしてたんだ」と呟いた。
指摘によってレイテットは起動しない原因を理解し、ゲームの起動を諦める。
「うー、こうなるとやることないね。リビング行こっか」
「了解」
レイテットに連れられて雛はリビングに移動した。
リビングにはいつも通りに美保がテーブルの席に座っていた。そして昨日の雛が危険な発言が効果を発揮したのか、今日は全裸ではなくメイド服を着ていた。
「おはよっす」
気の抜けた緩い挨拶。その挨拶はアイーラのものだ。
今日は珍しく部屋に引きこもってばかりのアイーラがリビングにいた。
「おはよう!! アイーラがリビングにいるなんて珍しいね!」
「うーん? なんとなくでいるだけなんだけどねー」
底抜けに明るい様子でレイテットは珍しくいるアイーラに挨拶を返した。そこから会話が繋がり、レイテットの口から「なんかゲームある?」と出た。
アイーラは手に持っている漫画をテーブルに置いて「いっぱいあるよー、部屋に来てっちょ」と自室に入って手招きした。その手招きに誘われてレイテットと雛はアイーラの部屋に入っていく。
「エロゲーからコア向けのゲームまであるよ」
そう言うアイーラの部屋には棚が二つあり、その棚の中は漫画やゲームなどの娯楽で埋め尽くされていた。
その棚以外には机の上に置かれたスコープ付きのAK47とその弾薬、散らかった衣服、無造作に置かれたゲーム機があった。
レイテットはそんな散らかった部屋のことは大して気にしないが、雛は気になっていた。
「すまないが、少し部屋を片付けても大丈夫かな?」
「んー、良いよー」
散らかった部屋が気になる雛の申し出が通り、アイーラの部屋の片付けが始まった。
部屋のそこら中に散らかった衣服はあるべき場所にきちんと戻され、机の上で散らばっている弾薬は一ヵ所にまとめられた。そしてゲーム機は邪魔にならない場所に置かれる。
「よし、終わったな」
「片付けてくれてありがとナス」
アイーラのお礼と共に部屋の片付けは終わった。散らかっていた部屋はきちんと整理整頓された部屋となった。
「んで、ゲームなにする? 色々あるけど」
気だるそうにしているが、元気なアイーラはいくつか棚からゲームを取り出しながら訊く。
「んじゃあ、これ!」
レイテットは棚から一本のゲームを取り出す。そのゲームは恋愛系のゲームだ。レイテットがあまりやらないジャンルのゲームである。
そのゲームを取り出したレイテットは雛に渡した。
「これ、やってみて!」
雛に手渡したゲームはエロゲーの類ではなく、方向性が恋愛に強いゲームだ。しかし女性向けの恋愛ゲームかと言ったら違う。どちらかと言えば男性向けの恋愛ゲームであり、ヒロインが複数いる。
ゲームをプレイさせられる雛はアイーラから携帯ゲーム機本体を手渡され、早速ゲームソフトをゲーム本体に入れた。
「今度は恋愛ゲームか」
ゲームのオープニングを見て、雛は判断する。これは恋愛ゲームだと。
「アイーラ、どうなると思う?」
「んー、あの雛君のことだからバッドエンディング行きじゃないかなー?」
「そんな感じするよね。雛君、恋愛苦手そうだし」
「うんうん」
雛がゲームをしている横で、レイテットとアイーラはひそひそと話していた。もちろん二人の声は雛には届かず、ゲームに集中していた。
ゲーム本編の始まりである。雛がゲームに集中している横からレイテットとアイーラはゲーム画面を覗く。
ゲーム画面では早速ヒロインの一人が登場していた。
「早速来たか」
誰もが第一印象が可愛いと来るはずの美少女ヒロインに対しての雛の辛辣な発言である。その上、雛はゲーム画面に映っているヒロインをまるで交渉の席に座っているテロリストを見るかのような目で見ていた。
そんな雛の様子を見ていたレイテットとアイーラは揃って目を細め、口を揃えて「これは恋愛苦手なやつですわ」と呟いた。
「食事の誘い、これは俺が交渉の席に着くチャンスか」
ヒロインから食事に誘われるというイベントまで来た雛は言う。その発言聞いていたレイテットとアイーラは「交渉じゃないんだよなぁ」とまたしても口を揃えて言った。
そしてゲームをしてから二時間ほどが経つ。
レイテットはリビングの方へ赴き、美保の手伝いをしている。アイーラは別のゲームをしている。
雛は相変わらずゲームに集中していた。
「好感度が低い、もっと交渉材料と会う機会を増やさなければならないな」
そう言う雛に対して、すぐ近くで聞いていたアイーラは「材料って」と笑いを堪えていた。
そして問題なくゲームは進行していき、三時間が経つ。雛はいよいよエンディングにまで辿り着いていた。
「んー?」
雛がゲームに集中している横からアイーラがゲーム画面を覗き込む。ゲーム画面に映っているのはラストシーンだ。
「進むの速いなぁ、バッドエンドかなー?」
ゲームの進行の速さを見たアイーラは発言通りにバッドエンディングを予想して、ゲーム画面を見つめる。
しかし訪れたエンディングはバッドではなかった。
「ほわぁっ! うそーん」
アイーラは驚いた。ゲーム画面に映っていたのはバッドエンディングではなかったのだ。ちゃんとヒロインと結ばれていたのである。
バッドエンディングとなることなく、ゲームはクリアされた。
「終わった。中々熾烈な交渉だった」
「交渉じゃないんだよなぁ」
アイーラは雛の言うことにツッコみを入れつつ、雛がゲームクリアしたことをレイテットに伝えに部屋から出ていった。
そして十分くらいが経ち、部屋にレイテットが流れ込んできた。
「終わったって本当!?」
部屋に入って早々レイテットは元気の良い声で雛に訊く。雛はコクリと頷き、ゲームクリアが本当であることを伝える。
「本当だ。たった今一人目を終わらせたところだ」
「うはぁー、速すぎる! 次のキャラ行ってみてよ!」
「了解した」
レイテットに言われた通り、雛は次のキャラの攻略を開始した。
ゲームの日、二日目。ゲームの時間――楽しい時間は続いていく。
ドンドン更新出来るようにしていかねば……(もちろんクオリティも考えて)




