第二十三話 地対空ミサイル破壊作戦2
ちょっと具合悪くしていたので投稿遅れました。すんまんせん(´・ω・`)
周りが木々で生い茂る車道。
その車道と木々を照らしていた太陽は流れてきた雲に覆われ、隠された。照らすほどの光りは遮られる。
幸い雲は雨雲ではなく、周りはさほど暗くならない。
「次の目的地まで約600m」
「はいよー!」
「次はあると良いわね」
「なくても良いけどのー」
生存者たちは車道を歩き、次の目的地に向かっていた。
次の目的地は曲がりくねっている車道から少し離れた場所だ。その場所は出入り出来る道以外は周りが木々に囲まれており、ミサイル車を隠すには丁度良い。その上ミサイル車が隠れているであろう場所は周りが開けており、木々による邪魔がない。それ故に上空に向けて攻撃するにはうってつけの場所なのだ。
「今度はいるはず」
今度の目的地はいる可能性が非常に高い。ゼラは目的地にミサイル車がいる可能性に賭けて呟いた。
目的地に向かって生存者たちは歩き続け、目的地まで約400mに近付く。
「ここからは全員集まって木々の中に紛れるぞ」
「はいはい!」
レイテットが明るい返事を返す。
生存者たちはゼラの指示の下、生い茂る木々の間に入って行く。もはやゼラにとって木々の間に入って身を隠しつつ接近、という戦術は基本となっていた。
「また木々の中に入って行くの? 虫いるからあまり好きじゃないんだけど」
「アイーラちゃん、命懸かっているんだから少しは我慢しなさい」
虫が嫌いなアイーラはぼやいた。それを年長者らしく美保は注意を飛ばした。その注意に対してアイーラは「はいはい」と適当に返して、仕方なくといった様子で虫を我慢した。
生存者たちはなるべく音を立てないようにゆっくりと足を進めて行く。
そして一番先頭を進んでいるゼラが足を止め、手で全員に合図を送る。彼女たちもゼラ同様に足を止める。
ゼラは木々の陰から向こう側の様子を覗いた。
「ゼラ君、敵いたの?」
「いる、見えるぞ。敵は予想通りミサイル車と兵士をコピーした『PODE』だ」
レイテットの質問に対してゼラは〝いる〟と答えた。ゼラの視界には予想した場所にいるミサイル車をコピーした『PODE』一体とそれを守るようにして周りにいるロシア兵をコピーした『PODE』五体。
ロシア兵をコピーした個体は各種装備もコピーし、殺傷力のある銃もコピーしていた。その銃はロシアのAK74だ。AK47の後を継ぐ銃であり、ロシア軍で正式採用されている銃の一つ。後継種としてその性能はAK47よりも明らかに高い。しかも最悪なことにAK74は5.45×39mm弾――通称ポイズンバレットを使用している。
「被弾出来ないな」
ゼラはこの重い状況を呟いた。
ゼラが被弾してもボディアーマーのおかげで多少は耐えられる可能性がある。しかしレイテットたちが被弾すればどうなるか? 最悪の場合、たった一発のポイズンバレットによって内臓をボロボロにされて死に至る可能性がある。例え致命的な被弾を避けたとしても確実と言って良いぐらいにえげつない傷を作ってしまい、普通の身体ではなくなる。
「撃ち合いではなく、一発も撃たせない奇襲――ステルスキルが必要になる」
撃ち合いが出来ないと判断したゼラは頭を切り替えた。
奇襲は元々やるつもりではあったが、それはあくまで確実に敵を排除するものであって一発も撃たせないものではない。
ゼラは思考する。どうすれば敵に一発も撃たせずして、より迅速な奇襲を実行出来るかを。
「やってみるしかない」
「ゼラ君、さっきからぶつぶつ呟いてどうしたの?」
「いや、なんでもない。この場を攻略する方法を考えていただけだ」
レイテットが訊いていく。ゼラはレイテットの方に振り向く。この瞬間もゼラはより迅速な奇襲を仕掛けるにはどうすれば良いかを思考していた。
「ふーん、だったら手っ取り早い手があるよ!」
「それはどういうのだ?」
「方法は簡単! 相手が攻撃してくる前にみんなで一気に攻め込む!」
「単純だな」
「まぁね、でも一番手っ取り早いでしょう?」
レイテットの作戦を聞いたゼラはその作戦を無謀だと思った。しかしゼラはその作戦を一蹴せずにその作戦が有効かどうかを考える。
そして数分が経ち、考えた結果をゼラは述べる。
「確かに手っ取り早いが危険だ。だが、悪くない。その作戦に少し手を加えて、実行に移そうか」
「やったね!」
レイテットは自らの作戦を認めてもらい、喜んだ。なにしろレイテット自身その作戦の方がやりやすいからだ。
早速ゼラは作戦に取り掛かる。
「アイーラ、この位置からあそこで固まっている二人を合図と同時に狙撃してくれ」
「二人ね」
「ちなみに訊くが、早撃ちは出来るか?」
「人数にもよるけど二人だけならやれるよ」
「頼むぞ」
「任されて」
ゼラの指示の下、アイーラは配置に着く。AK47に付いたスコープを覗いて、敵の心臓を見つめる。
ゼラは次に美保への指示を言い渡す。
「美保さんはここで待機。アイーラになにかあったらカバーしてあげてくれ」
「了解、アイーラちゃんのことは任せて」
自信を持ち、責任を持って美保は言う。美保はそのままアイーラのすぐ隣で待機して、彼女がブラックバスターと呼ぶ折りたたみ式の軍用スコップを手に持った。
「レイテットは俺と一緒に敵陣に入る。俺がレイテットの背中を守るから前だけを見て攻撃しろ」
「了解! 絶対にやってみせるよ!」
「あぁ、レイテットになら出来る」
レイテットに最後の指示を言い渡し、作戦の準備に入る。
それぞれが作戦実行のために配置に着く。
アイーラは狙撃ポイントで待機、二体で固まっている『PODE』をスコープ越しに狙っている。そのすぐ隣に美保がアイーラの補助のために待機している。
ゼラとレイテットは可能な限り敵に接近し、作戦が開始されるまで待機していた。
「レイテット、準備は良いか?」
「ちょっと緊張するけど、大丈夫!」
「よし、作戦を開始させるぞ」
「はいよ!」
ゼラは手でアイーラに合図を送る。その合図を受け取ったアイーラはスコープの中心から少しずらして、敵の心臓部に向けて引き金を引いた。発砲音と共にAK47から弾丸が発射される。
「まずは一つ」
アイーラの放つ弾丸は一体目の『PODE』の心臓部を貫いた。心臓部である『シールド細胞』を損傷し、破壊された一体目の『PODE』は蒸発する。
「次の奴」
アイーラは次の獲物に狙いを定め、引き金を引いた。もちろんスコープの中心より少しずらしての射撃だ。弾丸はアイーラの予測通りに飛んでいき、『PODE』の『シールド細胞』を破壊した。
二体目の『PODE』が蒸発する。これに掛かった時間はたったの七秒だ。
「行くぞ! レイテット!」
「はいよー!」
二体目の蒸発を確認したゼラとレイテットは木々の間から一気に飛び出す。
この時、他三体の『PODE』は丁度ゼラとレイテットに対して背を向けていた。まさに絶好の機会だ。
レイテットは持ち前の足の速さと異常な体力を活かして銃剣突撃を繰り出す。
勢いよく走るレイテットの足音に気付いた『PODE』たちは一斉に振り返り、その手に持つAK74を構えた。しかし既に遅い。
「うおらぁぁぁぁ!!」
『PODE』は足の速いレイテットを捉えきれず、真ん中にいた一体が銃剣突撃の餌食になった。銃剣を『シールド細胞』に刺され、引き金を引かれる。
「バカな……!」
あまりに急な攻撃に対処しきれず、『シールド細胞』に直撃をもらった『PODE』はレイテットの突撃に驚いた。そしてなにも出来ぬまま蒸発する。
他の『PODE』は突撃で無防備なレイテットにAK74の銃口を向ける。これで撃たれればレイテットは即死だ。
しかしその瞬間である。
レイテットに銃口を向けている『PODE』はゼラの9mm拳銃によって『シールド細胞』を撃ち抜かれた。ほぼ二体同時、まさしく早撃ちである。
「レイテット!」
「大丈夫、絶対に逃がさないから!」
ドラグノフを構え、アイアンサイト越しに『シールド細胞』を見つめる。狙いが定まり、レイテットはその引き金を引く。大きな発砲音と共に弾丸は発射され、ミサイル車をコピーした『PODE』の体内に弾丸が貫通する。体内を貫通していく弾丸は『シールド細胞』に到達し、破壊する。
ミサイル車をコピーした『PODE』は蒸発した。
「いよっしゃー! 終わったぁ!」
「あぁ、作戦成功だ」
生存者たちは全員無傷の状態で作戦を終えた。
アイーラと美保は木々の間から抜け出し、ゼラとレイテットに合流する。
「二人共大丈夫?」
「俺は大丈夫だ」
「私も大丈夫!!」
アイーラを心配が吹っ飛ぶくらいに、ゼラとレイテットはぴんぴんしている。その様子を見ていた美保の心配も吹っ飛んだ。
「さて、次の目的地に向かおう」
「次で最後だね!」
「おー、やってやろうじゃん」
「でも、無理はしちゃダメよ?」
生存者たちは意気揚々として次の目的地に向かっていく。
次の目的地は1km先。長い作戦になってしまうだろう。
中学の頃にドキュメンタリーチャンネル?とかでポイズンバレット知ったのは良い思い出。でも怖いよね、弾丸が体内に貫通した瞬間、弾丸がコロコロ転がって体内壊していくからさ。下手したら内臓壊れて死に至るから撃たれたくないね。
ていうか、さっき気付いたけど89式小銃の5.56mmも似たようなもんなんだね。




