第二十二話 地対空ミサイル破壊作戦1
細かい描写がやっぱり苦手な私である(汗)
時刻は午前八時。昇ってきた太陽は空の上へと位置している。
そんな昇ってきた太陽の日光に照らされている生存者たちは地図を確認しながら移動していた。
生存者たちの目的地は地対空ミサイルがあると予測出来る三つのポイント。その三つの内で現状一番近いポイントへと生存者たちは向っていた。しかし一番近いと言っても1km以上距離が離れている。なにも準備をせずに行けばジリ貧になるのは確実であり、そのための前準備だった。
「いやー、ここんところずっと街に出向いてばっかだったからこういう自然のある場所に出向くのは新鮮だね!」
誰も通ることのない左右に木々が生い茂っている車道。その車道を歩いている生存者たちの中で一番先頭にいるレイテットが振り返り、言った。
「そうだのん。でもこういうところって街より虫がいるからあまり好きじゃない」
「なーにー、アイーラは虫が怖いの?」
「こ、怖くなんかないもん」
レイテットの言うことにアイーラは平気そうな顔をしたが、アイーラは虫が苦手だった。そのため外に出ることはあまりなく、なにもない日は一日中家の中に引きこもっている。
レイテットとアイーラが会話している間、ゼラはふとした疑問を口に出した。
「そういえば、日本人である美保さんはなぜホルムスクなんかにいるんだ?」
「私? 私はね、おばあちゃんに会いに来ていたの。一年に一回のペースで会いに来ていたんだけど、会いに来たタイミングであの変な怪物が押し寄せてきたのよ。まぁ街のみんなが脱出する時にギリギリのタイミングで逃がしてあげたけど。その代わりに私がここに残っちゃった訳」
「なるほど、そのおばあちゃんに行く当てはあるのか?」
「脱出した船は北海道に行くらしかったからそこは大丈夫。私の実家は北海道にあるしね」
「それなら安心だな、美保さんの実家の人間に無事に拾われるだろう」
「ええ、拾われていることを祈っているわ」
ゼラと美保が歩きながら会話をしているところに、美保の「おばあちゃん」という言葉を聞きつけてレイテットが寄ってきた。
「美保さん、桜おばあちゃんの話ししてます?」
「うん。どうしたの急に」
「いえいえ、桜おばあちゃんのことが少し懐かしくて!」
レイテットが言って、ニッコリと笑みを浮かべる。美保も察したように笑みを浮かべた。
一人どういうこと分からないゼラはレイテットと美保に向けて口を開く。
「レイテットは美保さんの祖母と知り合いなのか?」
ゼラの質問に対してレイテットは「そうだよ!」と明るく答えた。
「ちょっと長くなるけど話す?」
「頼む」
レイテットが答えた後に美保が付け足すように言う。ゼラは仲間である彼女たちをもっと理解したくて、興味を持ったようにより知りたくなっていた。
興味を持ったゼラの期待に応えるように美保は「良いわよ」と、笑顔で告げた。
「まず、私のおばあちゃんとレイテットちゃんはよく会う仲だったの。会う度におばあちゃんはレイテットちゃんのことをよく話していてね、レイテットちゃんと初めて会った時とか私のおばあちゃんとすごく仲良くしていたわ」
「そりゃあ、桜おばあちゃんとは私が子供の頃からの付き合いだもん!」
レイテットが自慢気に笑顔を浮かべる。そこにアイーラが寄ってきて「私も桜おばあちゃんと仲良しだよー」と、ニコニコ笑って言った。
「レイテット、アイーラもそうなのか?」
ゼラは率直に質問をする。アイーラの視線がゼラの質問を受けたレイテットの方に向いた。
「そうだよ! 私がアイーラを桜おばあちゃんのところへ連れて行ったのが出会いの始まりだね。あの時も楽しかったなー! 桜おばあちゃんは遊び上手だったし、色んなことして楽しかった!」
「うんうん!」
レイテットとアイーラは楽しい思い出を振り返り、浸っていた。
「良い……思い出だな」
楽しい思い出。ゼラ――雛にはレイテットたちのような楽しい思い出はない。あっても、ピアノが出来なくなったあの日のせいで全て掻き消されている。
自虐気味にゼラは一瞬だけ笑みを浮かべた。その一瞬の笑みが自虐だということに気付かない彼女たちは、それぞれの楽しい思い出を思い出して笑みを浮かべ続けた。
「楽しい思い出話も良いが、今は目の前の目的に集中しよう」
「あはは、そうだね!」
ゼラは無意識に自身の思い出から目を逸らし、目的地に集中する。ゼラの声に応じて彼女たちも目的地に集中した。
生存者たちが歩き続けて三十分。生存者たちは着実に目的地にまで近付いていた。
「待機。一度地図で確認する」
「あーれー? ゼラ君は私の命令を聞くはずなのに逆に命令するの?」
ゼラは指示を出すが、そこでアイーラがゼラは管理下に置かれているということを唐突に持ち出した。
真剣な表情でゼラはアイーラの顔を見る。
「悪いが、現場での指揮は任せてもらう。アイーラだって無闇に死にたくないだろう?」
「あ、いや、分かったよ。ゼラ君の指示に従う」
とても真剣そのものの言い方でゼラは言う。冗談で言ったつもりのアイーラは途端に素直になる。
ゼラはそのままその場で立ち尽くし、地図で今一度目的地を確認する。指で歩いてきた道をなぞっていき、現在の位置に指を止める。そして現在地の周りが地図で描かれていることと同じかをその目で確かめる。
周りは木々が生い茂っており、現在地から進むべき先の車道は少し曲がっている。
「大丈夫だな」
地図と周りを確認し、しっかりと目的地までのルートを辿っていることが判明。ゼラは納得したように呟き、地図をリュックサックに戻した。
「ねぇ、ゼラ君。この車道はほとんど一本道なんだから確認する必要はないんじゃないの?」
美保から的確なツッコみが入り込んで来た。的確なツッコみを入れられたゼラは完全に無口になってしまい、内心「確かにそうだ」と思っていた。その反面「しかし地図で確かめないと不安になる」とも内心思っていた。
「もしかしてゼラ君、方向音痴?」
「そうではない。ただ不安なだけだ」
「ふーん」
美保の怪しむ目がゼラを見据える。見据える内に美保が意地悪く笑い始め、一言「冗談よ」と言ってゼラより先を進んだ。
ゼラは先に進む美保の後ろを進んでいく。
進んでいくと、生存者一行は目的地のすぐ近くまで来ていた。
「ここからは戦闘態勢に入り、分散して木々の中に紛れて目的地に近付く。俺とレイテットは目的地の右側から、アイーラと美保さんは左側から接近してくれ。尚、目的地にて敵及びミサイル車を発見出来た場合は俺が合図を送り次第攻撃開始とする。大丈夫か?」
「OK!」
「大丈夫だよん」
「私もそれで大丈夫よ」
全員からの確認を取れたゼラは「では、第一目的地の調査を開始する」と告げ、調査は開始された。
ゼラの的確な指示で彼女たちは動き始める。
敵から発見されないためという意図の下、生存者たちは木々の中を移動していく。生い茂っている木々はそれほど身を隠すのに適していたのだ。
ゼラとレイテットは木々に隠れながら移動していき、目的地の方を見つめた。
「レイテット、なにか見えるか?」
「見えない。というか、いないんじゃないかな?」
「なるほど。もう少し接近するぞ」
「了解」
二人が移動する際、反対側にいるアイーラと美保のペアに手で合図を送った。それは移動しろという合図だ。
ゼラとレイテットが移動すると同時にアイーラと美保も移動を再開する。
「待機」
レイテットとゼラは足を止め、手で反対側のペアに合図を送った。反対側のペアも足を止める。
もはや目的地を目前にするぐらいに接近しており、敵及びミサイル車を確認するために一度足を止めたのだ。
ゼラはその目で目的地の状況を確かめる。
「ここはハズレか」
ゼラの視界にはミサイル車どころか、兵士さえいなかった。
ここにはいない。そう判断出来たゼラとレイテットは木々の間から出た。その様子を見ていた反対側のペアも木々の間から出てきた。
生存者たちは一度集まる。
「すまない、ここにはいなかった」
ゼラが次の目的地の方に目を向ける。
「ゼラ君が謝ることじゃないって! さぁさぁいなかったと分かったら次へ行くよ!!」
「そうそう、いないなら自堕落出来るし」
「自堕落はダメよ、アイーラ」
ミサイル車がいないと分かった今、生存者たちは次の目的地へと進み始める。
どうにかして描写力を上げなくては……




