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浄弓の巫女サクヤ 〜里の因習なんて無理なので御神力を使って鬼を倒しに行きます〜  作者: 一角獣
第2部 進化〜進撃の巫女姫〜

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【閑話】サクヤの結界実験

おはようございます

少し短いお話ですが、サクヤ目線の閑話になります

 ヌシ様は元気そうだった。


 そもそも、神様は病気になるのだろうか?怪我をしたのは見たことがある。初めて会ったときには怪我をしていた。

 よく考えると、ヌシ様って何年生きておられるのだろう?

 なんせ神様だから、途轍もなく長く生きてきたことは間違いなさそうなんだけど。寿命ってあるのだろうか。


 謎だ。


 思ったより早く帰ってきたから、もう一度薬草園に行って手入れをしっかりやっておこう。


 この薬草園は洞窟を抜けた先にあって、崖の下にあるから動物からの食害が少ないのが有難い。

 でも最近、ある被害が出始めた。

 

 虫だ。


 奴等は飛んで来るから崖下にあろうが関係ない。勿論虫には良い虫も悪い虫もいるので、全てを駆除するわけにもいかない。


 益虫だけ残すことってできないかなぁ。


「とりあえず、目に付く害虫を駆除していくか…。」


 私は目に付く限りの害虫を駆除していく。


 駆除が終わって畑を眺めた。


「この状態が維持できればいいのに…。」


 外から入ってくる害虫を阻止しつつ、益虫はここの範囲で残したい。


 さて、どうしたものか…。


「網を張る訳にもいかなし、そもそもそんな目の細かい網がないし。蚊帳みたいた物があればいいのにな。」


 畑全体に蚊帳を張った状態を想像した私はあることを思いついた。


「結界を張ればいいんじゃない?」


 私は天才じゃないだろうか?とニヤニヤしながら実践に移る。


「まずは、結界が虫に効果があるかだよね。」


 駆除しきれていなかったカメムシを見つけて、私は結界で覆ってみた。


「出れない…。」


 私は最近気付いたことがある。


 結界には2種類あるのだ。


 『無実体型結界』と『実体型結界』と勝手に名付けた。


 『無実体型結界』とは、呪詛や穢れ、邪気を通さない結界で、人等の実態のあるものは出入りができる。但し、呪物や邪気を持った者、疫病に感染した者などは入れるので、それすらも出入りできないようにするには、もっと強力な結界術が必要になる。

 『実体型結界』とは、私が作る結界の矢の様に、見える形にした物と、はっきりは見えないけど、実態のある物すら出入りできない結界だ。因みに、蒼右衛門を動けなくしたのはこちらの結界だ。

 

 どちらも維持にそれなりの力量を必要とするけど、同じ規模の場合、より多くの力量を必要とするのは実態型だ。



 私が今考えているのは、この薬草園を覆うように見えない実態型結界を張るというものだ。


 あと最近気付いたことがある。それは、御力を籠めた黒曜石などを結界の維持に活用できることだ。

 これが便利なのだ。結界に御力籠めることが頻繁にできない場合は、これを使えば通常より長く結界を維持できる。


 この方法なら私が長期間里を離れても結界が維持できるから母様への負担も少ない。


 ん、待てよ?結界を張った私は出入りできるけど、母様は結界内に入れるのか?

 特定の人間だけ出入りできるようにするってできるんだろうか?


 …これは試してみねば。


「取り敢えず張ってみよう。母様も入れるように考えて張ってみたらできたりしないかなぁ?」


 …できたけど、効果を確認するためにも、母様に試してみてもらおう。


 あと、本当に虫が入ってこれないか、経過観察も必要だね。

 



 私は薬草園からの帰り道で、結界術活用方法について考えていた。



 都全体を覆うような結界ってどれだけ力量が必要なんだろう?それとも何か違うやり方があるのだろうか?


 そういえば広域展開の護符なんてものがあったけど、あれって結界術にも使えたりするんだろうか?


 ふふふ、ちょっと楽しくなってきたじゃない。色々やってみたいことがあるわ。



 例えば、入るだけで回復できたり浄化できたりする結界とか、結界内の温度管理とかできたら、夏や冬も快適に過ごせるかも。

 ハクリ様が作ってた幻術の刀を結界で作れないかな。

 隠密寮の時に練習したクナイを結界で作って投げるとかいいかも。

 浄化薬や邪気の御力を詰めた結界を圧縮して、爆発させるとかできたりして。



 夢は広がるわね。


 これは帰って試してみないとね。やるなら人気のない場所がいいけど、何処がいいかな…。


「そうだ。建設中の馬場の奥は拓けてるけと窪地になっているから人目につきにくい。あそこなら帰りに龍馬の様子も見れる。」 




 


「よし!やってみよう。まずは…結界内の温度管理ができるかやってみよう。」


 自分の周りに結界を張って…、温度を上げていく…。


「暑い!」


 加減が難しい。でも、単純に快適な温度を具現化すればいいだけのはず。


「おっ、いけたっぽい。」


 次は浄化の御力を籠め内側に込めてみよう。

 適当な大きさの箱状にして、内側を浄化の御力で満たす。できた結界に穢れを吸着した石を入れてみる。


「おお、浄化できた。成功ね。」


 続けてこの箱状の結界を圧縮していこう。危ないから少し離れて…。


 少しずつ圧縮していくと結界は半分以下の大きさになった。ここから一気にいくか…。


「圧縮!」



パンッ!!



「ははは、これは凄いね。」

「何が凄いねですか!こんな危険なこと一人でなさらないでください!」

「千代!いつからいたの?」

「最初からです。馬の様子を見に来たら、サクヤ様が楽しげに森へ入っていくのが見えたものですから。」

「…そうか、浮かれて気づかなかった…。」

「で、今のは一体何なのですか?」

「内側に浄化の御力を込めた結界を圧縮して爆発させたんだ。」

「…この間の焙烙みたいなものですか?」

「流石千代、勘がいいね。」

「これだけの短期間で、もう結界を自在に扱ってらっしゃるのですね。禊祓の御力をそのような使い方をするというサクヤ様の発想は常人にはとても及びません。」

「御力ってもっと自由なものだと思うんだ。皆固定観念に囚われ過ぎなんだよ。」

「そうかもしれませんが、サクヤ様は自由過ぎます。次から何か新しいことをなさるときは、必ず声を掛けてください!」

「ごめん…。気を付けます。」


 次からは千代に見つからないようにしよう…って、千代が睨んでる。千代は以心伝心の御力が使えるようになったのかもしれない。



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