36 長い橋とかエレベーターはロードに必要なの
■ 水の都 アクウィリス 水龍の橋 昼
「あっ!パーティー組んどこうぜ!」
「ん、さんせい!」
「じゃあ私以外の六人で組んでくれるかしら?定員6人だったわよね?」
「マーちゃん、良いの?僕と姉妹でマーちゃんと組むってのも出来るよ?」
「んふっ☆あ・り・がとっ!でもね、あたしは一人の方が色々と(・・・)楽なのよ
スキル構成的にも、戦闘スタイル的にも・・・ね?☆」
「ん、なんかごめんね!じゃあアキト達に申請送るね!」
「マーさんすまん!うし!・・・受諾っと!」
「あいよー」「おけおけ」
「ルディとアディにも・・・普通に送れるね!よし!」
「「よろしくお願いします。レイ様。」」
橋を歩きながら雑談がてらパーティを組む一同
そんな中、アキトが気になっていた事を話し始める。
「そういえば・・・何故姉妹は俺達と会話してくんないの・・・?
マーさんには普通に話してるのに・・・」
そう。森で助けて以降、なんやかんやありつつも声がかけずらいと言う事もあり
三人組は姉妹へあまり話しかけては居なかった。
まったく話しかけていない訳では無く、レイとサナダがログアウト中に話しかけて
みたものの、お辞儀をするだけで返事は無く、何か悪い事でもしてしまったのかと
密かに気にしていたアキト。パーティを組んだ事もあり、この際だからと話題に上
げる事にしたのだった。
「そうなの?アディ、ルディなんかあった?」
レイが姉妹に尋ねると、二人を顔を合わせ、おずおすと話し始めた
「父様に人族と話すなと言われております。奴らは卑しく、卑劣に我らを貶める
クズだと・・・」
「レイ様のご友人で、助けて頂いたと言う事もありますので邪険にはしていない
のですが・・・・」
「「レイ様以外に興味が無いので」」
はっきりと告げる姉妹に圧倒されつつも、レイが優しく注意する
「ありがと、でもなんで僕にそんなに懐いてくれてるの?
それに人間にも良い人は居るよ。アキトも、タクミも、タカヒロだって
二人に変な目を一度だって向けた?寧ろ危ない所に来てくれたのに
それは不義理じゃあないかな?・・・・僕が言えたことじゃないけどさ」
「それは・・・」
「そうなのですが・・・」
「レイっち!そういうのは野暮よ☆あの三バカに魅力が無くて、二人はレイっちに
一目惚れのゾッコンラヴ☆そうよね?」
「「あうぅ・・・・」」
サナダが会話に加わり、姉妹は顔を赤らめて下を向いてしまった。
「それは・・・どうしよ・・・僕・・・」
「今は(・・)深く考えなくて良いと思うわ、いずれ、どうするのかは
レイっち、ちゃんと考えとくのよ」
「ん・・・・わかった。
アディ、ルディ、二人の気持ちはすごく嬉しい。ありがとう。でも、僕はまだ
二人の事よく知らないし、ちゃんと受け止められるかわからない。
それでも・・・一緒に冒険してくれる・・・かな?」
正直恋愛経験の無いレイとしてはどうすれば良いかわからず、どうすれば良いかわからない
だが、好意を向けられる事自体は嬉しく、そしてこの姉妹の境遇もあるが出来るだけ側で
守ってあげたいと思っても居た。今だはっきりしなまでも素直な気持ちえお姉妹へと告げる。
「「もちろんでございます。私達はレイ様のお側にさえ入れれば、十分幸せです」」
真剣な眼差しで返事をしてくれる姉妹と目を合わせ、結束を固めるレイ
それを少し離れた位置でうんうんと優しく微笑むサナダ
話を聞いているだけなのに、半分泣いてる騎士クラウス
和やかな、温かい空気がなが「っておーい!俺達はどうなるんやーい!」れなかった。
「あら、あなた達居たのね」
「いますよ!んで、アディにルディ!結局話してくれんのか?戦闘とか困ると思うんだけど」
「おっめずらしくアキトが真面目な事を・・・」
「今日は雨か、雪か、はたまた槍が振ってくるのか・・・」
「タク!タカ!俺をなんだと「「クスクスっ」」お?」
三人が再度コントを始めると姉妹は笑い出し、アキトは姉妹へと顔を向ける。
「「アキト様、タクミ様、タカヒロ様、無礼を謝罪します。友人として、
接してもよろしいでしょうか?」」
少し不安の色の残る瞳で三人に問う姉妹に、
「「「とーぜん!」」」
とくったくの無い笑顔で応える三人であった。
「ほんと、そういうとこ、好きよ☆」
「「「ヒィッ!!」」」
サナダの獲物を狙う眼光に三人は怯え、何故か臀部を両手で隠す。
何故かじりじりと寄るサナダと三人組にレイは笑いながら
「あ、パーティーのレベルわかるんだね」
と言い出し、巫山戯るのを辞めて全員歩き出しながら会話を始める。
「お、ほんとだ。ってレイレベル高えな。姉妹も10あるし、俺らが一番下じゃん」
「え?マジ?あ、まじだ・・・」
「うそ、俺ら、弱すぎ・・・・?」
「あらん☆三バカはクソ雑魚ナメクジね☆」
「「「誰がナメクジじゃい!!」」」
「アディにルディは戦闘出来るの?星占術師って言ってたけど・・・」
「私達姉妹が出来るのは、簡単な護身術と占術が出来ます」
「占術は何が出来るの?」
「近い未来を、星に聞くこと、それと星の力で小規模の攻撃もできます。」
「なるほど・・・ありがとう、アディ、ルディ」
よしよしと自分よりもせの低い姉妹の頭を撫でると、二人は顔を耳まで真っ赤にし
その長い耳が喜びに震えていた。
「おーい!なんかレイ達の周りにピンク色のオーラが・・・」
「あら?☆ほんとだわ」
「あれは割り込めねぇ・・・」
「そうだね、そこまで無粋な事はできないねぇ・・・」
「そうであるな。いや、尊い長めであるな」
『それな』
少し離れた位置で何故か騎士まで加わり、レイ達を眺める一団であった。
「もうそろそろだ。」
先を行く騎士が告げ、レイ達一団は次第に近くなった門を見上げる。
「でけー首いてぇー」
「そだなーアキー」
「タクー俺も首いてぇー」
「そだなータカー」
「ほらほら☆あなた達!そろそろ門番にギルド証やら見せないよ☆」
「「「へーい」」」
「あははっ皆面白いなぁ・・・あ、クラウスさん。僕と姉妹、それとマーちゃん・・・
サナダは旅禍で身分証無いけど大丈夫なの?」
「ん?レイどの、大丈夫です。本当は犯罪歴が無いか魔道具での審査があるのですが
妖狐と竜族を連れた者たちの場合は免除されます。」
「あぁ、それも盟約のですか・・・ん?竜族?」
「おや?竜族を知らんのですかな?ここらでは珍しくないのですが・・・
おっ!ちょうどあそこの門番をしている兵が竜族です。行きましょう。」
騎士クラウスの案内で大きな門の前に居る兵士・・・角と鱗と尻尾を持つ人の場所へ向かう
「ご苦労。飛水騎士団クラウスだ。妖狐族の保護並びに護衛の一団を連れてきた」
「はっ!正門兵がルトであります!妖狐族・・確かに。では護衛の身分証を・・・」
「いや、私がすでに確認済みだ。そこの三人はグリーンベルのギルド証を確認している
あとは旅禍なのだが、仮手形はまだあるか?」
「はい。後二十程は余裕があります。しかし・・・白き妖狐ですか、こんな時期に・・・」
「そうだな、あの美しさだ。さぞ苦労したのだろう。私も騎士団に注意を促すが、ルト、
色々と便宜を図ってやってくれ」
「はっ!当然であります!妖狐族への大恩!我らブルーズ一族が忘れるわけがありません!
よもや伝説に会える等、一族の誇りであります!!」
青い龍鱗を煌めかせながら、ルトと名乗る兵士は見事な敬礼をした。
「では、妖狐様以外の旅禍の方こちらに、血を少々頂きますが、よろしいですか?」
竜人の案内で詰め所の様な場所へ向かう一同。
「あの、僕は良いんですか?」
「いやいや!滅相もありません!我らが妖狐様を疑う等、天地が割れようがございません!」
「は、はぁ・・・あの、妖狐と竜人との関係って・・・?」
「ややっ!それは仕方ありませんな!では、不肖ルトが説明をば!
あれは我らが先祖アグリがあの憎き国「ルトよ!先に仮の身分証発行だ!」了解であります!」
ルトの説明を遮り、クラウスが命令を下した。
いそいそと魔道具を詰め所より取り出し、サナダ、ルディ、アディから血液を採取し
3枚の少し茶色の紙に垂らす。
すると不思議な文様が浮かびあがった。
「おー☆なんか・・・・すごいわね☆」
サナダがオーバーリアクションをしながらそっとレイに小声で耳打ちする
(レイっち多分後で騎士がちゃんと説明してくれるわ、警戒しなくて大丈夫よん☆)
こくんと小さく相槌をうち、レイは静かに掴んでいた刀を離した。
「ルト!銀嶺の憩いにレイどの達を案内しておいてくれ!私は騎士団本部へと一旦向かう!
では、皆様、少しの間離れます。水の都をお楽しみください」
騎士クラウスは甲高い指笛を鳴らす
するとどこに行っていたのか定かではないが、最初に乗っていた飛竜が上空より飛来
クラウスは飛び乗り去ってしまった。
「では、これより私が案内致します。かいもぉーん!!」
ルトが大声で叫ぶと、重厚な門の両脇から水が吹き出し、湖へと放水される。
その放水の近くには鮮やかな虹が出ており、レイ達は思わず瞳を奪われるのあった。
「ようこそ、水の都アクウィリスへ 多種族が暮らす楽園へ ようこそ」
ルトはそう告げながら、門の向こうへ歩きだすのだった。




