31 辛い事は笑って吹き飛ばせば良いじゃない
「はらはら なんやぎょうさん連れてきたんやなぁ」
「ごめん、タマモ、迷惑だったよね?」
「いんえぇ レイの友達なら大歓迎でありんすえ? それに懐かしい匂いもしんす」
「?ん・・・とりあえずお風呂と・・・何か着る物をこの子達に貸してしくれないかな・・・」
「はらはら キン ギン この幼子達に湯浴みと着物を して、そのおのこ三人は?如何に?」
レイは後ろで緊張した面持ちの三人組をちらと一瞬見て、タマモへと視線を戻す。
「この人達にもお風呂かな・・・あとは、ご飯も・・・」
きゅうと可愛く腹を鳴らしながらレイは顔を赤らめる
「はらはら レイは本当に愛くるしゅうて仕方ありんせん
葛の葉 このおのこ三人組を風呂場へ案内してくんなまし レイは近う寄っておくんなまし」
急に登場した黒装束に三人組は驚き、ついで立ち上がろうとするも足が痺れ
なんとも残念な様子で黒装束の案内で風呂場へと向かった。
「それにしても、ずいぶんレベル上がったんじゃない?レイっち」
「わぷっ!うっうん!ボス含めて40周くらいしたかな。今のレベルは15だよ!
PKでも経験値入るんだね!」
タマモに近寄ると長い九本の尾で丸め取られ、抱きかかえられたレイは
顔だけを尻尾から出し、サナダの質問に答えた。
あの襲撃で昏倒して目覚め、リベンジを決意、ダンジョン周回の休憩がてら外で水や保存食を
補給中に雄叫びを聞き、レイはアキト達の元へ向かったのであった。
現在のレイのステータスは
■ レイ 妖狐 (一尾) LV15
■ ジョブ 妖術師
■ HP110 MP200
■ A(攻撃) 75
■ B(防御) 55
■ M(魔力) 113
■ S(俊敏) 112
■ R(幸運) 65
■ スキルポイント 3
■スキル ユニーク
【天眼】 【妖術】
■スキル
・刀 【二天一流7】
【太刀風】 【紫電】 【繚乱の舞】
・妖術 【月・氷雪・雷・炎 5】 【纏 2】
(狐火) (蒼狐刃) (月光癒) (氷礫) (雷光)
・生活 【研ぎ1】
・耐性 【対ペイン5】 【対空腹2】【対異常状態2】 【対魔力2】
・常在 【魔力回復3】 【気配察知3】 【身体能力向上2】 【感覚強化2】
■称号 【九尾の寵愛】
となっている。
耐性をいくつかと、感覚強化を取得し二天一流は新技【繚乱の舞】赤衣の団長を切り裂いた技だ。
妖術も炎を新たに覚え・・・いつの間にか増えていたが
元々使えた魔法の要領でやってみた所、幾つか発動する事が出来ており
後はイメージで術のバリエーションを増やす事を目指している。先の戦闘で使用した【蒼炎乱舞】
は狐火を多数展開し、標的へと飛ばす術でありイメージ力の影響下はわからないが
術名を唱えなくては発動する事は出来ない。
通常の魔法に比べればかなり異質なのだが・・・
「あらん!強いのねん!」
「マーちゃんこそ、今なんレベなの?」
「うふふ・・・それは漢女のひ・み・つ☆」
「むむぅ・・・」
「はらはら 仲よろしゅうなぁ あても仲間に入れてくんなまし」
「あっ!タマモ!くすぐった!・・・ちょっ!そこはっ!」
もぞもぞと動くレイをサナダは優しい目で眺める
(あぁ・・・レイカが見たら修羅場ねぇ・・・・)
と、心の声で呟きながら
「んんー?レイはどうしたでありんすかぁ? 顔が赤いでありんすよぉ」
からからと笑いながらその美貌をレイへと向けるタマモ
尻尾でレイの色々(・・)な場所をくすぐって遊んでいる。
たまにレイとしては反応せざる負えない場所に尻尾は入り込み、レイは声にならない悲鳴?
を上げて居ると、キンとギンが姉妹を連れて戻って来た。
「はらはら これはなかなかでありんすねぇ」
すっと目を細めながら姉妹を眺めるタマモ
「あんらぁ☆これはとびっきりねぇ」
うんうんと首を振りながら何かに納得するサナダ
「ぬっく!もう!息が出来な・・・・」
レイは尻尾から抜け出し、姉妹に視線向けると動きを止めた。
いや、見惚れていた。
「「タマモ様 レイ様 温かい湯、ありがとうございます」」
すった腰を曲げてお辞儀する姉妹。金糸の様な髪を降ろし、そこから長い耳が見える
翡翠色の瞳は美しく宝石の様で
慣れていないのか着物の帯をチラチラと気にしている姿が保護欲を誘い
150センチあるかどうかの身長には、幼いながらもしっかりと成長した胸部とくっきりと
わかるくびれがあり。
見る者全てを魅了するかの様な光景だった。
「あの・・・レイ様?どうでしょうか・・・?お目汚しでしょうか・・・?」
そして黙っているレイに不安を感じたのか、姉妹はおろおろしだし
涙目でアディはレイへと問いかける。
「いやいやっ!そのっ!すごく綺麗で目が離せなかったというかなんというか・・・」
ついにはレイもオロオロしだし、少し離れた位置でオロオロし合うこの光景に
タマモとサナダ、キンとギンは自然に笑顔になるのだった。
「お風呂ごちそうさまでーす!やっぱ温泉最高・・・なんだこの桃源郷は・・・」
首に手ぬぐいを巻いて戻って来たタカヒロはその 現場に一瞬動きを止め
そして膝を突き何故か手をお祈りのポーズにし、何かを敬い始めた。
それに釣られたのか、姉妹もレイへとお祈りのポーズ。
サナダもついでにお祈りポーズ。
キンとギンも何故か空気を読んでお祈りポーズ。
ついにはタマモまでもレイを尻尾から開放して、お祈りポーズ。
全員にお祈りポーズをされるカオスな現状にレイはパニック状態へと陥る。
「あのっ!どゆことなのっ!タマモにマーちゃんまで!ちょっと皆やめてよぉ!
僕にどうしろって言うんだよぉ!」
どこからか笑いを噛み殺した様な声が聞こえ、レイが (あ、悪ふざけされてる!)
と思い、声を出そうとすると
「「レイ様の尊さならば当然の事です」」
きりっと真剣な眼差しを向ける姉妹
「いや、あの、ちょっと一回ツッコミでこのカオスな現場をね」
「「レイ様を敬うのは当然の事です お構いなくて大丈夫です」」
即答しかも声をハモらせる姉妹
「いや、お構いなくて・・・もー!マーちゃんたすけてぇ!」
「あっはっはっはっはっは!」
タカヒロが笑い出す
「くすくす げに面白いでありんすねぇ」
タマモが扇子で口元を隠しながら悪戯の成功を笑う。
「もうっ!仕方ないわねっ☆レイっちが可愛いのが悪いのよ?」
サナダが笑いながら姉妹を嗜める。
「「??どういう事ですか?」」
状況がさっぱりわからない姉妹にサナダは
「いえね、レイっちが最高に可愛くて尊いのは当たり前だから、そんな
常に敬わなくて良いんじゃないかしら?レイっちも疲れちゃうわよ?」
「「!!」」
まるで背に稲妻を食らったかの様に姉妹ははっとしながら
「「レイ様!?お疲れなのですか?すぐに休息を!私達がベットになります!さあ!」」
そして慌てながら別のベクトルへと向かう姉妹に笑い出す皆
「もう・・・からかいすぎだよ皆・・ふふっ・・・アディ、ルディ僕は男だから
そんな柔じゃないよ?それに、もうちょっと普通に・・・友達みたいにして欲しいかな?」
「「!!」」
再度はっとする姉妹
「タカヒローあ、居た」
「温泉あざっしたー。え?どゆ状況?」
後から戻って来たアキトとタクミは只々、混乱するだけなのであった・・・




