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ラヴィアン・ワールド  作者: てろめあ
明けの陽光は眩しく
31/41

29 ワンパターンでも偶に一撃食らう事ってあるよね。


■■クエスト発生より一日後


■ ルベリア王国 コゾッテ男爵直轄領 グリーンベル周辺 草原地帯 夜


【旋風槍!】


・EXP 3 獲得

・レベルが1上昇しました

・スキルポイント3 獲得

・10コル 獲得



「うっし!レベル5達成!」


「経験値パーティ共有で良かったわー」


「だな!おーい!アキト!はよ集収してこっちこーい!」


「おーう!」



手早く集収を済ませ、槍をついて休憩している二人と合流するアキト


「にしても、なんも起きねぇな」


「そだなー」


「途中で辞めれないらしいけど・・・このログアウト出来ないのって

 クエストが原因か?」


「おそらくな。いやー夏休みで良かったわー」


「それな」


「っておい!なんで俺だけ戦っとるんじゃい!」


「お、もう戻ってたか」


「いや、いきなり走りだしたのアキトじゃん」


「見えたものは仕方ない」


「イノシシかなにかです?ちみは」


「なんだちみはってか!」


「はいはい・・・どうでも良いコントは辞めろ。そろそろ野営すっぞ」


「「へーい」」


三人は野営セット (三人用)を展開し、近くに焚き火 (小)と結界石を設置し、各々

適当な場所へと腰を降ろした。


「水うめぇー」


「干し肉ぱっさぱさすぎねぇ?味ねぇし・・・」


「塩、高かったろ?」


「それな」


「んで、クエストどうすっぺ。てかどうすりゃええの?タカさんや」


「ギルドも駄目、住人も駄目、近場のベテランっぽい人も駄目。情報サイトはログアウト

 できんから見れないし、ていうかそんな情報見たことねぇから・・・詰んでます」


「あっ察し」


「んー・・・プレイする前にメシとトイレはしてっから、最悪2日くらいは大丈夫か?

 最悪わざとデスペナってみるとかか?」


「いや、それは駄目だ」


「「アキト?」」


「なんか嫌な予感がすんだ。タク、タカ。信じてくれ。」


「あー・・・・出ちまったな・・・」


「そうだな、タカ・・・・」


「な?頼むよっ!」


「俺達がお前の事信じなかった事あったか?」


「無い」


「じゃあ心配すんな。お前の予感は当たるしな。」


「ありがとう!タカ!タクは?」


「俺も信じてやるよ。ほんとにお前は昔からこーゆーの多いな?」


「そうか?」


「自覚ねぇのかよ・・・小学生ん時みやちゃんが誘拐されそうになった時とか

 覚えてんだろ?」


「あー・・・そんなんあったっけ?」


「タク、こいつ基本無自覚だから・・・・」


「うっそだろ!急にあっちから嫌な感じがするとか言ってついてったら

 クラスメイトが不審者にてぇ掴まれてたんだぞ!?忘れるか?普通」


「あー・・・思い出せん・・・」


「最後、刃物取り出した不審者・・・アキトがおっさんに突撃しだした時は

 俺頭真っ白になったなぁ・・・・」


「おい!タカ!戻ってこい!」


「うぅむ・・・なんだっけか・・・?」


「お前もいい加減思い出せ!偶々警察の巡回が来たから良い物をお前は・・・」


「いや、タク、ストップ」


「なんでだよ!タカ!」


「お前、後悔(・・)したか?」


「・・・・してない」


「中学ん時のキャンプは?球技大会は?高校入学した日のあれは?」


「してねぇ・・・寧ろ良かったって思ってる」


「だろ?」


「あぁ・・・・」


未だうんうんと悩むアキトを見ながら、二人はため息をついた。


「ま、どうそそのうちアキトが嫌な感じがするとか言い出すぞ?」


「そうだな・・・いつもどお「なんか嫌な感じがする」いまかよっ!」


ざっと立ち上がり、遠くに見える森へと顔を向けるアキト


「場所は?時間の猶予はあるか?」


すぐにタカヒロは真剣な顔でアキトへと問いかける


「森の奥の方!今すぐ行かなきゃ!」


「わかった!タク!行くぞ!」


既に走り出す二人


「おい!アイテム!・・・・くっそ!後でお前らで買えよっ!」


野営セット一式をそのままに、三人は走り出した。


■



「おい!まだかアキト!そろそろ俺らのレベルじゃキツイエリアだぞ!」


森を深く進み、視界の端には大きな湖が見え始めていた。

タカヒロは攻略サイトの情報を元に、リアラ湖周辺に辿りたいた事に気が付き声を上げる

レベル5~8のmobが出現する地帯であり、現状三人共レベル5になったばかりであり

通常のプレイヤーであれば、リアラ湖周辺では無く、近場のダンジョンに潜るのが

攻略サイトのテンプレ(常識)であった。


「多分もうすぐ!・・・・あそこっ!」


「おけ・・・っ!!」


アキトが指差した場所で、赤衣(・・)を纏った集団が耳の長い姉妹を囲んでいる。


「一旦止まれ!おい!アキト!・・・・っ!」


息を切らしながら叫ぶタクミだが、次第に見えた光景に絶句した。

姉妹を囲む集団 姉妹は矢が刺さり、衣服を剥がされ苦しそうにしている

そして囲む5人の集団の内、三人程半裸になっており、姉妹の片方がもう一人を守る様に

覆いかぶさって居る。

そして半裸の男が乱暴に耳の長い少女を・・・・


『あああああああああああっぁぁぁっぁぁああああああああああー!!!!』


絶叫


声を裏替えらせ高音を喉等お構いなしに アキト が叫ぶ


「おい、タカ!」


「あぁ・・・・俺も今回は来た(・・)わ」


既に疾走を加速させたアキトに二人は続いた。


「きさまらぁああああああ!」


槍を上段に構え、少女へと多い被さる男へと槍を投げる

着弾も確認せず、一番近くに居た他二人の半裸を突き飛ばし駆け抜ける


「っ!団長!敵襲!」


「ってぇ!槍刺さってんじゃねえかよ!」


「くそが!今良い所じゃねぇかよ!昨日に続きなんだってんだ!おい!メディ!ヤスタケ!

 ・・・っち!おめぇら!交戦だ!メディとヤスタケにひっついた虫をどけてやれ!」


突っ込んだアキトとは別に、集団の中央へと向かうアキト目掛けて弓や何かをしそうな

離れた位置に居る赤衣へとタクミとタカヒロは攻撃を開始していた。


「ちょっと何よ!今いいとこでしょっ!」


「下品な女は趣味じゃないねぇ!」


槍を振るいながら赤衣の女に取り付くタカヒロ


「んだてめぇ!」


「クソどもに話す舌はもってねぇなぁ!」


メガネが何処かへ吹っ飛ぶのを構わず、乱暴に槍を振るうタクミ

その光景を見て即座に大柄な男は声を張り上げた


「アレン!リョウ!お前ら詠唱入れ!メディとヤスタケの援護だ!

 俺はコイツを片付ける!」


姉妹の前へと立ち、射殺さんばかりの形相で睨むアキトへと大柄な男は

向き直り、大柄な男は手斧を構えた


「てめぇら・・・あのオカマの差し金か?」


「・・・・・・」


「旅禍(プレイヤー)か?住民(NPC)か?」


「・・・・・・・」


「だんまりは態度わりぃ・・・なぁあ!」


跳躍しながらアキトへと手斧を振り下ろす


「くっ!!」


辛くも拾った槍で凌いだものの、槍は半ばで折れ

HPは残り10%ほどの危険域(レッドゾーン)へと差し掛かる


「あぁあああっ!」


そんなこと(・・・・・)はお構いなしにアキトは折れた槍の刃が有る方を持ち

大柄な男へと振り下ろす。


「あ?弱すぎだろ、お前」


折れた槍は大柄の男の肩口に止まり、微動だにしない。


「どれどれ・・・レベル5?クソザコ初心者かっ!こりゃ傑作だぜ!よっと!」


アキトへと蹴りを入れて吹き飛ばす。

姉妹を守る為に立ち位置を姉妹の前へとしていた為、アキトは姉妹の目の前で倒れ伏した


「心配すんな、手加減してある。まだ(・・)デスペナってねぇだろ?」


アキトのHPは残り一メモリ程で残っており

対ペインスキルを取得したばかりの影響か、アキトは感じたことの無い激痛を全身に覚え

胃の中身を逆流させ、血反吐を吐く

霞む視界ながらも、闘志は未だ衰えず、大柄な男を睨んで居た。


「だんちょーいっちょあがりっす」


「俺のもー」


小柄な男と黒髪の男が、タクミとタカヒロをアキトの左右へと乱暴に投げ捨てる


「ぐっ!」


「うっっ!」


「タカ!タク!」


「すまん・・・アキト・・・」


「負けちまった・・・・」


二人共見るも無残な姿であり、一目で死にかけている事が理解出来た。


「正義のヒーロー気取りもレベルが低けりゃ意味ねぇなぁ!」


「それそれ」


「昨日の鬱憤これでチャラだな」


下卑た笑いをしながら大柄の男の周囲に赤衣を纏った集団が集まる


「ねぇそろそろ国変えない?邪魔入って面倒だわ」


「そっすねぇ・・・賛成っす」


「んで、団長、コイツらどうすんすか?とりまキルっとく?」


「そうだなぁ・・・おい、こいつらの前でヤッたら楽しそうじゃね?」


「だんちょお!良い趣味してるわっ!」


「おっ!そーゆーモノっすか!いいっすね~!」


集団の中から三人がゆっくりと近寄って来ると、アキトが小声で声を出した。


(タカ!タク!ごめんっ・・・俺が突っ込むからこの子達を連れて逃げろっ)


(気にすんな・・・じゃあ最初の小屋で集合だな?)


(わかった)


左右の二人の同意を得て、アキトは飛び上がろうと顔を上げた時、『それ』

が視界に飛び込んだ。




白く長く美しい髪にはぴんとたった耳が立ち 

目が離せない綺麗な顔立ちに吸い込まれそうな碧眼が二つ

黒い着物に見を包み ちらほらと見える白い尻尾 浅葱色のマフラーをたなびかせる

左右の手には蒼く光る二刀を上下段に構え

身体の周りに蒼い炎を幾つも浮かばせて佇む 美少女(・・・)が

薄暗い森の中で立たずむ姿に、アキトがタクミがタカヒロが

果には姉妹までもがその姿に瞳を奪われていた。





「僕、やられたらやり返すタイプなんだ」



凛とした鈴の音の様な声が森に溶けたかの様だった。


僕☆登場っ!!

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