22 蒼い炎
『朱雀門』
タマモが召喚した朱塗りの門が開き、手招きをされる
「レイは月白虎をたおしたんえ? なら、霊代・・・どろっぷするようになったとおもいんす
■■樹の制約も解かれていんし れべるあげとそうび集めにはぴったしでありんしょう
あっこはもうあてらの領域でありんすから」
「ん・・・ちょっとわかんない事もあるけど、周回してレベル上げと装備集めしろって事かな?」
「はらはら、ほんにおのこは好きでありんすねぇ・・・門を通ればレイのおっただんじょんへ飛べんすえ
あても妖術の使い方を ちょおっと教えんしから 安心しなはれや?」
耳をちょこちょこといじられながら、二人で門をくぐると、月の洞窟の入り口に辿り着いた。
「はら・・・なるほどでありんす 祭壇をば・・・・ ほんに趣味の悪い事・・・・」
「タマモさん?どうか・・・しましたか?」
「いんえっ!レイは気にしなくてええんよ さっ! つようなりんしょ?」
「う、うんっ!」
影のあるタマモに何か言いようの無い不安を感じるものの、経験値集めの魅力に抗えず
レイは階段を下り、最初のムーンウルフ出現位置へち向かう。
後ろからからんころんとタマモが下駄を鳴らしながら着いてくる。
「レイには履き物が必要でありんすねぇ・・・そこな狼から作る事にしんしょうか
では、レイ これ(・・)をつくってみんなまし」
地中から出現する灰褐色の狼を横目に、タマモは蒼い炎を作り出し、空中に浮かせた。
「え・・と・・・妖術で?」
こくりと首をふるタマモ
スキル欄の妖術を選択するも何もおこらず、焦りはじめるレイ
それを微笑ましそうに見ながらタマモはアドバイスを送る
「これは狐火 妖術の基本でありんす これが作れないとなんにもできんすから
まずは・・・あたまの中でこれを思い浮かべなんし」
言われるままに、レイは目を閉じタマモが浮かべる狐火を想像する
その蒼くゆらめく炎は、ラヴィアン・ワールドの月の片方を想像させる。
(なんだろう・・・落ち着く色の炎だ・・・・・)
暖かさを感じていると、声が聞こえた
「今浮かべたそれを現し世へと出現させなあきませんえ 鬼門を開くさかい、よう覚えとき」
その言葉と共に、胸の奥からあふれる何か(・・)を感じる
「それが開いてる状態ですえ 感覚は掴めんしたかえ? 後はそこに狐火を通してみんし」
浮かび上がらせた蒼い炎を胸へと誘う
体全体に熱が伝わり、堪らず目を開くレイ
「っ!」
己の眼前には、タマモの物には劣るものの、ゆらめき浮かぶ蒼い炎が浮かんでいた。
「うんうん、ええかんじ いぃっぱいつこうていこうな? まだまだ鬼門がちいさいからそんくらい
やけど、段々開きますえ・・・ ううんと えむぴーが鬼門を開くのにつこうて 魔力は現し世に
術を通すのにつかうんよ いぃっぱいつこうたら 規模も扱いやすさもかわりんす
さて、レイは二刀を使いんすよね? その狐火 刀に宿してみんし」
「ん・・・・・どうやって?」
言われて二刀を狐火に当ててみるも、通り過ぎるのみであり、答えを求めるレイ
「はらはら・・・纏言うんわあてるんちゃうんよ 火が刀とおもいんし このように」
たまもは広げた扇子の上の狐火を乗せ、ふっと息を吹きかける
風に揺られた狐火が揺れ、次第に扇子へと溶け出し(・・・・)扇子は蒼い光りを放っていた。
「ええか?もともと一緒のものだったと思いんし 火は刀 刀は火 よってに」
「ん・・・やってみます・・・・」
イメージを膨らませ、自信が出した狐火が刀と一体化するイメージ。
炎が溶けて、鈍色の刀と一体化し、蒼刃を煌めかせる・・・・
「はらはら・・・綺麗やねぇ」
「おぉ・・・・」
・妖術 狐火を習得しました
・妖術 狐蒼刃を習得しました
ログが流れ、無事習得したことに安堵するレイにタマモが声をかける
「さて・・・じゃあ、戦ってみんし」
これまでタマモを睨み、動かなった狼は、少しタマモがレイと距離をとった途端に
レイへと疾走を開始した。
「あおぉおおおおん!」
光を宿しながら向かってくる狼へとレイは意識を集中させる
(さっきの感覚・・・・こう・・・かなっ!)
『狐火』
顕現した炎は小さく、先程の集中して作り上げたものよりも脆弱な光を灯している
レイはその炎が狼へと当たる光景をイメージすると、勢いよく狐火は狼へと当たり、悲鳴をださせるも
狼は疾走を中断せずに大きく口を開け、レイの頭蓋を噛み砕かんと迫った。
(見えるっ!)
敵の挙動を幻視し、紙一重で避けられる場所へ歩を動かすと、狼の一撃は虚しく空を切る
(ここ!)
すぐさまレイは二刀を上下段へと構え
『疾風』
蒼光を残しながら狼の頭部を切断せしめた。
(一撃!?・・・狐火のダメージもあるだろうけど・・・)
段々と蒼光が消えていく二刀を眺めながらつぶやく
「すごく軽い・・・」
重さを感じなくなった二刀
狐蒼刃の効力だろうと確信しながら、レイは亡骸へと変貌を遂げたムーンウルフへ『収集』
を行う。
・EXP 40 獲得
・熟練度上昇
・熟練度上昇により妖術スキルレベルが上昇 属性が統合されます
・月狼のブーツ レア度2 (レア) 獲得
・月狼の毛皮×1 獲得
(あ・・・靴だ・・・しばらく裸足だったもんなぁ・・・・あ、防具装備しなきゃ)
これまであれよあれよとここまで来てしまい、装備やスキル整理をしなきゃと
あたふたとメニューを整理するレイを眺め、タマモは優しい笑みを零す
「此度は・・・必ず守りんすからね・・・・」
小声で囁いたそれを、レイの耳は捉える事は出来なかった。
レイ
「おほっ!装備と素材キタコレ!想像で魔法できんのか!可能性は無限大じゃん!
とりあえず●め●め波的なものを・・・・」
妙にレトロ漫画知識を実現しようと躍起になるので忙しいレイなのでした。




