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気絶してしまいたい。  作者: 上月志希
3/4

バリアフリーは大事です。

既に恥ずかしさは忘れ、完全に開き直り状態となりました。

 唐突だが、職場で認識されている私は“バイク乗り”である。そして“Gパンの人”である。季節を問わず(天気は問うが)、250ccの愛車を駆って通勤しており、たまにスカートをはこうものなら、他所の部署の部長にまで「今日はどうした!」と驚愕される程度には定着している。

 そういう私が松葉杖で出勤すれば、まず「バイクの事故?」と聞かれるのは当然と言えば当然。誰も、正座で足が痺れてひっくり返り、両足同時亀裂骨折したとは予想してくれない。それが事実なんだが。

 だが、ドクターも太鼓判を押してくれそうなレアケースなのだから、ここは正直に報告しなくてどうする。ついでに、あまりのアホさ加減に笑っていただきたいところである。


 そう思って、えへへ~と笑いながら正直に報告をしても、皆さん、驚きはしても笑ってはくださらない。生温かいような、微妙な目線でねぎらってくださる。心の中で(ここは笑うところなんですよー!)と叫んでも、実際には言えないものだ。

 そんな中、同僚のメシ友Aだけは笑い飛ばしてくれた。ついでに、飲み会のネタにも使ったそうな。酔っ払いの皆様には「ありえん!」と大ウケしたらしい。そういう飲み会には、私を誘えよ。「本人です」と堂々と名乗ってやんよ。


 それはともかく。


 両足ギプスで松葉杖という状態は当然、バイクには乗れない。毎日、クルマで送り迎えというわけにもいかないので、通勤は電車である。が、慣れないこともあって歩く速度が通常の半分(以下?)に落ちており、駅にたどり着くまでに時間が掛かる。結局、上司に直訴し、出勤時間を30分遅らせる許可をもらった。


 電車は乗り降りに時間が掛かるので、どうしてもドア付近に居ることになるが、ドアのすぐ横の席を譲ってくださる方続出で、あまり立たないで済んでいる。ほんにありがたいことである。

 しかし、歩道を歩いていると、思わぬところに傾斜があることが初めてわかった。確かに、学生時代にボランティアで車いすを押した時、狭い歩道は意外と傾斜があって要注意だと肝に銘じたものだが、それなりに幅のある歩道でも微妙な傾斜がある。松葉杖で、ほとんどすり足状態で歩いているので、わずかな傾斜でも坂道を歩いているような感覚に陥るのだ。これもまた、疲れる原因で。バリアフリーについては、割と考えていると自負していたが、まだまだ足りなかった。


 バリアフリーと言えば、骨折をする2カ月ほど前、職場の入ったビルのトイレの一部が洋式化された。それまでは限られたフロアだけだったのが、全てのフロアで半分が洋式になったのだ。おかげで、トイレの度にエレベーターで移動しなくて済むではないか。どうせ骨折するなら、良いタイミングだったかも……と、本気で思った。

1回を1000文字ちょっとにしてしまったせいか、続いてしまっています。

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