レアケースですか、そうですか。
どんなにお間抜けでも、レアケースならば、それはそれでありなのではないかと。
レントゲンを撮った後、すぐにギプスをするのかと思えば、患部が腫れているからか、はたまた院長先生が不在で診てくれたのが外部のドクターだったからか、聞かれたのは「入院しますか」。
初救急車に続き、初入院?と思ったが、準備だの何だのでめんどくさそうなので、入院はお断り。となると患部に湿布を貼られ、3日ほど後にまた来てくださいと言われた。やっぱり腫れてるのが要因か?
その日は迎えに来た家人に負ぶわれ、クルマで帰宅。確か、市役所で車いすのレンタルもできるし…という話も出たが、借りてくるまではハイハイで移動するしかない。
しかし、家の中すべてに毛足フカフカの絨毯が敷かれているわけがなく(毛足フカフカ絨毯そのものもないけど)、板敷の廊下などはハイハイだと膝が痛い。母が、ママさんバレーのチームに居た若かりし頃に使っていた膝用サポーターを出してきたので(物持ち良いな、母)装着。だいぶ楽になった。
トイレは洋式なので、這い上がればOK(というほど簡単ではなかったが)。風呂場も、幸い数年前にバリアフリーで段差を無くしたので、床に直に座ればシャワーを浴びることができる。
翌日、車いすをレンタルしてきたが、自力で操作するのは慣れないので難しく、かといって、ずっと押してもらうわけにはいかない。大体、家の中では使えないと、ほとんど使うことなくお帰りいただいた。
そうやって、ハイハイ生活を3日ほど続け、ようやく2度目の病院。今度こそ、院長先生にお目にかかった。病院では、さすがに車いすに乗せてもらって移動である。
診察室で、先日撮ったレントゲン写真を見せてもらうと、両足のほぼ同じところにヒビが。小指の骨につながる中足骨という(らしい)骨の小指に近い部分。クッキリと写った亀裂と位置の揃い方に、自分がどういうコケ方をしたのか不思議に思いつつも、ちょっと感心してしまった。
「何をやってたの」
「あー、お茶の稽古で正座してたんですが、立ち上がったら足が滑って……」
正直に話したら「初めて見た」とお答えが。ハイ、レントゲンの技師さんに続いて2人目。院長先生、そこそこの年配で、たくさんのけが人を診ていらっしゃるだろうに、初めてですか、そうですか。やっぱりレアケースなんですね。
その後、ようやくギプスを付けてもらったが、石膏付き包帯でぐるぐる巻きにするのかと思いきや、足首の後ろ側から踵、そして足の裏に沿うよう形のギプスで(Lの字を寝かせた形に近い)、指の付け根で終わる。で、その上から普通の包帯を巻きつけるのだ。つまり、指は動かそうと思えば動かせる。
両足だったので時間は掛かったが、ギプスが固まり、包帯で固定してもらったら、ようやく立てるようになった。
その後は、松葉杖の使い方のレクチャーである。もちろん2本。高さ(長さ?)を調整してもらって、まずは歩き方。出す足と反対側の杖を出す。杖を使ってはいるが、普通の歩き方と同じ。なるほど。
階段は、杖で左右を支えながら一段上がり、次は両方の杖、最後に残った足を上げる。降りる時は、まず両方の杖を下ろしてから、片足ずつ降りる。
しばらく練習をしてから、自分の足で歩いて帰路についた。これなら、何とか自力で動けるので、家での生活も楽になるし、仕事に復帰できる。やれやれだ。
あと1回ぐらいで決着をつけたいです。




