第3話観察もまた仕事
「うーむ、困ったのう。」
「どうしたの農園。」
「食料が足りん。」
…あ、畑の作物もすぐ育つ訳じゃないし、家畜もすぐ育つ訳じゃない。だとすると…
「どうしよ。持ってきた貯金を崩すか。」
「いいやワシに任せておきなさい。森が出来たのならば野草、キノコ、木の実などがある可能性があるからのう。」
「ならばこの牧場!筋肉で解決しようではないか!」
「いや【狩人】呼べよ。」
「それもそうだ。おいで【狩人】。」
少年のような見た目をした緑色の帽子をかぶる男がいた。発明家曰くおとこの娘というやつらしい。
「僕を呼んだね!ってことは…出番かな?」
「え、ちいせぇ。」
「狩り出来んのか?」
「おやおや僕は狩りという概念そのものだ。狩りならお手の物!そしてかの偉大な義賊と言われたロビンフッドに憧れる概念さ!」
「ロビンフッドって誰だ。」
「知らない。」
「な、なんてことだ。あのロビンフッドを知らないとは!悪党を懲らしめて民に偉大とまで言われる存在を…だ、だが嘆いていては仕方がない!諸君!僕は狩りに行く!共に行きたいのならば着いてくるといい!」
「…すげぇ騒がしいけど大丈夫か?」
「大丈夫だよ。頼りになるから。」
実際戦闘になったら性格変わるからね。農園について行く人たちと狩人について行く人たちとで別れた。怪我人は私の家に寝転がせて…
<家!>
<家作ろ!>
「確かに家は大事。木こりできる人ー!力持ちの人ー!怪我人は座ってて!」
「お、俺、木こり出来る。」
「木を運ぶのか…なら手伝うぜ!」
「小さいなぁ…手伝うぜ。」
「私たちは何をしようかねぇ…」
は、そうだ、主婦たちとお婆さんたちは力と言うよりも…そう思った私は呼ぶことに。
「【手芸】、【料理人】おいで!」
「はーい、手芸ですよー。おやまあ。」
「料理だ!俺に任せろ!…おっとそういうことか…主婦の皆さん、俺は料理人、料理を作るのが得意な男だ。こっちの婆さんは手芸が得意な人だ。」
「うふふ、よろしくねぇ。」
「は、はぁ…」
「早速だが食材を…ふむ、なるほど。もしや農園たちがとってきてくれるのか?」
「え、分かるの?」
「念話で届いた。農園と狩人が言ってるとな。それまでの間、水を組みに行こうと思うのだが…」
「お手伝いさせてください!」
「だ、だが美しきご婦人方に任せるというのは…」
「うつく、いいえ!主婦だからこそです!」
「で、では無理のないように。」
料理人と共に主婦の皆さんはついて行った。お婆さんたちは手芸に何かを学んでいた。
「編み物というものは初めて。」
「この毛糸ってものいいですわね。」
「縫い物を学んでいて良かったわぁ。」
「手芸さん、これは…」
お婆さんたちもイキイキしている、良かった。子供たちは大人たちの真似事をしている。もし時間があったら【教育】を呼ぼう。フェレットはスライムとウルーちゃんと遊んでいた。
『つーかまえた!』
「スライムが鬼だ!」
「ぷるぷる。」
…獣人、フェレット、スライムが仲良くなるのを見る日が来るとは夢にも思ってなかった。日本刀と裏社会は何か企んでるらしく放置した。変なことはしないって知ってるから大丈夫だと思うけど。
「待たせたのぉ…よいしょっと。」
「爺さんすげぇなぁ。詳しいだなんて。」
「自然は恵みって言葉響いたなぁ。」
「確かに…」
「勉強できて良かった。」
農園が戻ってくると狩人たちも戻ってきた。野ウサギからボアまで結構多い。
「うむ!見事な獲物たちだ!見よ!この獲物の山を!協力して狩りを行ったのだ!素晴らしい!かの偉大なロビンフッドも大喜びだろう!」
「腕前すげぇなぁ。」
「先生すげぇ。」
「帰りはロビンフッドばっか言ってたけどな。」
料理人たちが戻ってきた。水いっぱいのバケツを持っていた。主婦の皆さんも持ってる凄い。
「近くでよかった。もしここに井戸があればご婦人方が楽になるが…」
「ご婦人と言われたの初めて。」
「え、ええ…」
「口説いてるつもりがないのは分かってるけど!」
<作るー?>
<作るー!>
<でも今日は無理ー、明日するー。>
「明日で構わん…食材はあるな、では作ろうじゃないか。ご婦人方もよろしいかな?」
「もちろん!お手伝いします!」
「お、おい?なんか…女性陣沸き立ってるような。」
「俺、あんなこと言ったことないからかなぁ…」
遠い目になっている男性陣、うん、料理人やばいからね。女性相手にはとんでもなく優しいんだ。でもキレたら怖い人代表でもあるんだ。
「お、山菜か。」
「そうじゃぞ、皆が一生懸命採った山菜じゃ。」
「調味料なら出せる料理人に任せれば大丈夫だな。」
「では今日は天ぷらにしよう。キノコはスープにしよう。肉はいにさなにしようじゃないか。果物もあるとは…デザートも完璧じゃないか。」
空間から包丁を取り出すと目付きが変わる。料理人の真剣さはいつ見ても凄いものだ。
「ご婦人方は山菜を切ってほしい。」
「「はい!」」
「あんた達!解体任せたよ!」
「お、おーよ!見てばかりは出来ねぇからな!」
狩った野うさぎやボアを解体していく。なんだろう。共同生活してるみたいで…
「私、なにかしたいなぁ。」
「ふふ、見てるだけでも心強いんだよミナちゃん。」
「手芸さん。」
「何も出来ないと言っていても見てくれるだけでも心強いんだよ。ミナちゃんはここの代表だからねぇ…観察することも大事だよ。」
…観察か。そうだよね。観察も大事だよね。助っ人が欲しいなら私が向かえばいいし。手芸さんは凄いなぁ。色々と見てる。
「年の功だよ。」
「アッハイ。」
「お姉さんー!」
呼ばれたので向かうとフェレットとスライムとウルーちゃんが手を振っていた。手を振ると嬉しそうだ。
「…私も頑張ろ。」




