第68章:理詰めの旅装束と、準備完了
これで武器の調達プロセスは完了した。次に着手すべきは「防具」のアップデートだが、これがなかなか難しい。
防御バッファを厚くする安全第一の設計にすれば、当然ながら質量が増し、外観も重々しくなる。かと言って隠密性を重視して忍者スタイルの布地一枚にするのは耐久値の脆化を招くし、侍のような着物だけでは防弾・防刃性能が論外だ。
一時は、軽量なアルミニウム合金のプレートをキャタピラ状に連結させたカスタムアーマーの構築も脳内シミュレーションしてみたが、歩くたびにノイズ音を撒き散らすのは確実。何より、街中で著しく目立つ(ヘイトを集める)外観は、俺の隠密主義に反する。
思考を巡らせた結果、平時のステルス性と実戦での装甲値を両立させる最適な組み合わせを導き出した。
「ベースに軽量・高耐久のレザーアーマーを仕込み、その上から羽織を重ねる。これがベストなビルドだな」
俺は鍛冶屋を後にし、街の衣類店へと向かってオーダーを叩きつける。
発注する羽織は2着。
1着目は、浅葱色に白いダンダラ模様をあしらった、あの新選組――いや、俺の脳内アーカイブでは「真選組」として登録されている隊服オマージュのデザインだ。
そしてもう1着は、やはり俺のローカルバッファをフルドライブさせた全開仕様。引き締まった漆黒に、血を連想させる鮮烈な赤のライン。さらに背中には、禍々しくも洗練された独自のエンブレムを特注で縫い付けさせる。
(……最高に格好良い。これで不意にエネミーと遭遇した際、抜刀しながら『天誅!』とシステムログに刻んだり、背を向けたまま『……我に何か用か?』とドスの利いたパッチボイスを吐いたり出来るわけだ。男のロマン以外の何物でもないな)
試着室の鏡に映る自分を想像し、内なる中二病のパラメータが限界突破していくのを感じる。
これで食事・武器・防具(ステルス仕様)のすべてのリソースが完全にシンクロした。あの騒がしいエラーログが街を巻き込んで大騒ぎを始める前に、俺の理詰め異世界ライフは、いよいよ次のステージへと暗転(移行)する。
【武器】:ナックルクナイ×2(新規取得・アルミナコーティング)
【武器】:カスタム大刀&小刀(オーダーメイド・波紋仕上げ)
【防具】:インナー革鎧&特注羽織2種(真選組ダンダラモデル/漆黒赤ライン・中二紋様)
旅の準備:完了(進捗率100%)




