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アカシアはちみつケーキとクマ王国のお祭り  作者: 星野 満


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8/11

子グマの兄弟、ルリとアオ

※白いクマ子ちゃんと黒クマ君がお昼休憩をしていた時に、黒クマ君のマフィンが何者かに盗まれました。犯人を追いかける黒クマ君です。

※2026/4/17 修正済み


 ✧ ✧ ✧ ✧



「よし、つかまえた!」

「あ~ん、はなせよ~!」


 黒クマ君はヨタヨタと柵を通ろうとしていた、水色の子グマをがっしりと飛び付いて捕まえました。


「あ!」

 その拍子に子グマが掴んでいたマフィンが、コロコロと地面に転がっていきました。


「?」

 転がったマフィンをそっと拾う、一頭の若いクマがいました。


 それはそれは、とても珍しい瑠璃色(るりいろ)が美しい強面のクマで、古びた赤いリュックサックをしょっていました。

 

 黒クマ君よりずっと背が高い少年クマでした。


「あ、お兄ちゃん!」

 水色の子グマが叫びます。


「アオどうした?」

「助けて、こいつがボクをいじめるんだ!」

「え、何言ってんだ、お前がマフィンを盗んだんだろう?」

「盗んだ──?」

 瑠璃色のクマは驚きましたが、黒クマ君が掴んでいる子グマをいとも簡単に、ひょいと掴んであっさりと奪いました。


 なんとまあ凄い力持ちです。


「何すんだよ!」

 子グマを奪われた黒クマ君はムッとします。


「悪いが、こいつはオレの弟なんだ!」

「うっ!」

 瑠璃色のクマが、黒クマ君を鋭く睨みつけたので、一瞬ひるんでしまいました。


「黒クマ君、どうしたの?」

「白いクマ子ちゃん!」

 白いクマ子ちゃんが、黒クマ君たちの側にやって来ました。

 

 そして瑠璃色のクマを見て、白いクマ子ちゃんは驚きました。


「あ、ルリクマ君──?」

「あれ、白いクマ子さん?」


 白いクマ子ちゃんと、瑠璃色のクマは顔を見合わせました。


「え、知り合いなの?」

 黒クマ君がキョトンとして2頭を見つめます。


「ええ、彼はルリクマ君。となり村の中等学園の3年生よ、先月合同中学のバザー大会の役員で知り合ったの」

「え、そうなの?」

 黒クマ君はびっくりしました。


「ここは君の家なの?」と瑠璃色のクマがたずねました。


「いいえ、叔父さんのお店よ。でもなんでルリクマ君がここにいるの?」

「いや、この近くの林でふきのとうを採りにきたんだ。そしたら突然弟がいなくなって探しにきたんだよ」


「まあそうだったの。へえ、この小さな可愛い子がルリクマ君の弟さんなのね、ウフフ可愛い。よろしくね」

 と白いクマ子ちゃんは、よいしょと屈んでルリクマの後ろに隠れてる、水色の子グマに手を差し伸べました。


「君のお名前なんていうの?」

「ボクの名まえ……アオだよ」

「そうアオ君、可愛い名前ね。私は白いクマ子っていうのよ」


 アオといった水色の子グマは、白いクマ子ちゃんの顔を見つめるとぽおっと頬を赤らめました。

 そのまま、もじもじと前に出て白いクマ子ちゃんの手を握りました。


「白いおねえちゃん、ピンクのおリボンつけてかわいいね。ボクの花よめさんになって!」

「まあ、おませさんね~!」

 と白いクマ子ちゃんがカラカラと笑いだしました。


「ちょっと白いクマ子ちゃん、こいつ盗人(ぬすっと)だよ!」

 黒クマ君はカンカンに怒りました。

 水色のチビクマがとっても、ませてると思ったからです。


「まあまあ、黒クマ君、こんな小さな子に“盗人”なんて酷いわ。きっとお腹がとっても空いてたのよね~!」


「うん、ボクずっとふきのとうを、朝から取ってたから、おなかペコペコだったの。そしたらふきのとうのスープのおいしい香りがして、ここにきたら、マフィンがたくさんあったから食べたくなったの」


「そうなんだ、可哀そうに……」

白いクマ子ちゃんは水色の子グマの頭をなでなでしました。


「もう白いクマ子ちゃんたら!」黒クマ君はまだふて腐れてます。


「弟のアオが悪かったな、お金を払うからどうか許してくれ」

と瑠璃色のクマが黒クマ君に詫びました。


「あ……いやそのマフィンは叔父さんの店のだし」

 黒クマ君は、強面(こわおもて)の瑠璃色のクマが、素直に謝ってきたのが少し意外でした。


「とりあえず、ルリクマ君。せっかくだから、あちらのテーブルにいきましょう、私たちお店のお手伝いしてて、お昼休憩してたの。マフィンは沢山あるから、よかったら一緒に食べましょう」


「わあい、お兄ちゃんよかったね!」水色の子グマは大喜びです。


「え、でもそんなにお金持ってないんだ……ふきのとうを採りにきただけで……」

 ルリクマは少し困った顔をしました。


「私たちが食べる量のマフィンを分けるから気にしないで」


「でも、それは悪いよ。それにオレらは()()()じゃない」

 

 ルリクマは少しだけ白いクマ子ちゃんに声を荒げました。


「あ……ごめんなさい」

 白いクマ子ちゃんは少し戸惑いました。


「ほらアオ、行くぞ。もう少しふきのとう取らないと町で売れないからな。兄ちゃんのビスケットやるから我慢しろ!」


「ええ、ヤダヤダ。パサパサのビスケット、おいしくないもん!」

「わがままいうな!」

 とルリクマは子グマの手をつかみました。


「え~ん、ヤダヤダ。ボクつかれた。お腹もすいたよお~!」

 水色の子グマは泣き出しました。


「いいから!あ、マフィンいくらだっけ。悪いが銅貨2枚くらいしかないけど」

 とルリクマ君はズボンのポケットからお金を出しました。


「そんな、いいわよ。それにマフィンは私たちのじゃないもん!」

「でもアオが、こいつのマフィンを取っちまったんだろう?」

 

 ルリクマ君は黒クマ君を見つめました。

 

 さすがの黒クマ君も、弟の子グマが強面の兄クマにひっぱられて泣いてる姿を見て、何やら不憫(ふびん)に思えてきました。


「あ、だったらこうしたらどうかしら?」

と白いクマ子ちゃんが、またもや何か(ひらめ)いたのか、とびきりの笑顔になりました。




※マフィンを盗んだ子グマの兄は、白いクマ子ちゃんの知り合いだったんですね。

※白いクマ子ちゃんは、何かアイデアが閃いたようです。

(*^。^*)


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― 新着の感想 ―
ルリとアオくん。ルリクマ君は白くまちゃんの知り合いだったんですね♪ なんとか上手くできる方法はあるかな〜?
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