ミツバチたちは給仕係り(1)
※ 突然のミツバチの大群が飛んできました、どうなるお花見!
※ 2026/4/17 修正済み
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突如、ミツバチの大群がすごいスピードで、こちらへ向かって飛んできました。
すると、ミツバチの群れはそれぞれ各テーブルに分かれました。
ブーンブーンとミツバチはうねりながら、テーブルの上をクルクルと旋回しています。
「キャーッ!」
「あれ~!」
「うわあ、逃げろ!」
とっさにおののく、クマ客たちと黒クマ君です!
「うあああ、助けてくれ!」
とグリズリーみたいに図体が大きなクマさんも、真っ先に席から逃げ出しました。
するとまたもや白いクマ子ちゃんが、にっこり笑顔で叫びました。
「皆さ~ん、ご安心ください! このミツバチたちは大丈夫です、皆さまに絶対、危害を与えません!」
「ええ、白いクマ子ちゃん、そうなの?」
黒クマ君が白いクマ子ちゃんに聞き返します。
「そうよ黒クマ君!」
と白いクマ子ちゃんは、満面の笑顔でうなずきました。
そして──。
「皆さ~ん、どうか私の手を見てくださいね。ほ~らミツバチ君、いい子ね~おいで!」
と白いクマ子ちゃんは、すぐ傍のテーブル席にいた1匹のミツバチを呼びました。
するとそのミツバチが気付いて、白いクマ子ちゃんの人差し指に、小鳥のようにちょこんと手乗りしました。
「ひええ~、白いクマ子ちゃん、危ないよ!」
黒クマ君が驚いて叫びました。
「大丈夫よ黒クマ君、ほら!」
と白いクマ子ちゃんはニコっと笑って、手乗りのミツバチを小鳥のように、優しくミツバチの頭をなでました。
「「はあ~?」」
黒クマ君やクマ客たちは、その光景を見てびっくりしました。
「ね、可愛いでしょう。このミツバチたちがお客様たちの給仕係りなのよ」」
「え、給仕係?」
「まさか」
「ミツバチが?」
黒クマ君もクマ客たちは、ポカーンと呆気にとられています。
「ええ、皆さん見ましたか?──ミツバチたちはとっても従順です。うちの店長が飼いならしたんです。だからけっしてクマに刺したりしません!」
と白いクマ子ちゃんは、そのままミツバチをそっと空へと放しました。
「お、おい、ミツバチが給仕というのは本当か?」
グリズリーみたいな大きなクマさんが、おそるおそるテーブルに戻ってきました。
図体が大きい割には、とても臆病です。
「ええ大丈夫ですよ、どうかそのまま席にお戻りください。そしてよ~く、ミツバチたちをご覧ください、ほら一匹ずつ小さなエプロンをつけてますでしょう!」
「なに、エプロンだと?」
「あ、本当だわ。小さいけどミツバチが、エプロンを付けてる!」
若奥様風のクマさんが、テーブルのすぐ上を、ブンブン飛んでるミツバチを見て叫びました。
確かにテーブルに飛んで来たミツバチたちを見ると、黄色と黒色のシマシマの胴体に白い小さなエプロンをつけてました。
更によく見るとミツバチの黒いつぶらな瞳も、どことなく笑ってるようにも思えます。
恐がっていた客クマたちも、恐る恐る見つめました。
さすがにエプロンを付けてるミツバチだと解ると、なんだか可愛らしく思えるから不思議なものです。
「本当だ。信じられんがミツバチがエプロンつけてるぞ?」
「わあ、このちっこい布がエプロンか?」
「へえ、かわいい、眼もにこっと笑って見える」
と口々にクマ客たちは、それぞれのテーブル席に戻っていきます。
今度はミツバチたちをもの珍しそうに観察しだしました。
怖がっていた客クマたちも、ミツバチたちに興味深々です。




