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アカシアはちみつケーキとクマ王国のお祭り  作者: 星野 満


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2/11

クマ客だらけ、ピンチな黒クマ君!

※ さあ開店の時間です。

アカシアはちみつ店に雇われた黒クマ君と白いクマ子ちゃんは、上手くお仕事できるでしょうか。

 ✧ ✧ ✧ ✧



 さあ9時の開店時間となりました。


 アカシアはちみつ店のドアを開けて、外へ出てきた黒クマ君。

『準備中』の青い看板を『営業中』と裏返しにしました。


「「おお、()いたぞ!」」


 既に朝早くからお店の回りには、ワーワーと騒ぐお客のクマたちが一杯集まっていました。


 ──うわあ、店の外はすんごいクマだかりだ!


 思わず黒クマ君がびっくりするくらいクマ、クマ、クマだらけでした。


()くのを待ってたわ!」

「わあ良かった。早く入れてちょうだいな!」

「ちょっと、あなた押さないで、私は1時間以上前から待ってたのよ!」

「何だと、俺はもっと前から待ってたぞ!」


 さあ大変です!

 あっというまに狭いお店の入口前には、クマたちが押し合いへし合い押し寄せてきます。


 黒クマ君は慌ててドアの前に立ち、両手を広げて、クマたちを制止しめました。


「み、皆さんどうか落ち着いて下さい! 店内は狭いので順番に並んでお1人ずつ入ってください!」


「うるさい、俺は家族のために朝から来て待ってたんだ!早く通せ!」

「きゃ、痛い!」

 と大きなグリズリークマさんが、一番前にいたピンクのリボンを結んで、エレガントなボンネットを被った若奥様風のクマさんを、押しのけようとぶつかりました。


「お客様、大丈夫ですか?」

 黒クマ君が慌てて、転んだ若奥様に駈け寄ります。


「痛い、店員さん。この巨大で乱暴なクマが私を押したわ」

「何だと大げさだな、ちょっとぶつかっただけだろう。いいからチビ、早くはちみつケーキを売ってくれ!」


 高そうなピカピカの背広を着た、グリズリーみたいに大きなクマさんは怒鳴りました。

 パッっとみは田舎のクマではなく、王都からやってきた都会のクマに見えます。


 なにせ田舎でこんな巨大クマがいたら村の有名人になります。



 ──うっ、チビって僕のことだよね。


 このクマ客、グリズリーみたいに大きくてとっても怖いよ~!


 黒クマ君は、こんなに大きなクマを初めて見たので内心ビビってます。 


 どうしよう、困ったなぁ。

 こんなにたくさんのお客が一度に店に入ったら、クマだらけで一杯で販売どころじゃないぞ!


 わあ、どうしよう──!



「ほらチビ、何ボケッと突っ立ってんだ、早く入れろ!」

「あ、駄目です。お願いですから、いったん1列に並んでください!」


 黒クマ君は、必死になって店に入ろうとするクマたちを、なんとか制止しようとします。

 でもとても無理そう……


 クマ客たちは、押しくらまんじゅうのように、ぎゅうぎゅうしてドアに押し寄せてきます。


 その時でした──。


「大丈夫よ、黒クマ君!」

 と店内から白いクマ子ちゃんがドアを開けて、そろ~っと出てきました。


「あ、白いクマ子ちゃん!」


 黒クマ君が振り向くと、白いクマ子ちゃんが笑ってウインクしてくれました。


 片耳にピンクのフリルのリボンを付けて、真っ白い毛をふさふささせてる、白いクマ子ちゃん。

 彼女が出てきた途端、ひときわ白毛がおひさまに輝いて、とっても綺麗な女の子です。


 

 ──はわぁ~白いクマ子ちゃんは、いつみても可愛いなぁ。


 と黒クマ君は白いクマ子ちゃんを見て、ぽぉと頬が赤く染まりました。


「皆さん、おはようございます!」


「「!?」」


 朝のヒンヤリした空気の中で、凛とよく通る声が響きます。


 ザワザワしていた客クマたちも、一瞬、黙って白いクマ子ちゃんに注目しました。


「本日はようこそ、アカシアはちみつ店にいらっしゃいました!──これから、はちみつケーキを予約したお客様に、順番にお渡しますので、もうしばらくお待ちくださいね!」

 と白いクマ子ちゃんはにっこりと笑って、客クマたちに一礼しました。


 白いクマ子ちゃんは少女クマですが、なかなかしっかりした女の子でした。

 この村の中等学園でも、生徒会の副会長をしていて頭もとっても良いのです。


 黒クマ君と白いクマ子ちゃんの家は、お隣同士で2人は小さな頃から仲良しさんでした。


 黒クマ君は可愛いくて優しい白いクマ子ちゃんが大好きです。


 今回、黄色いクマさんから頼まれたお店の手伝いも、白いクマ子ちゃんに誘われると、2つ返事でOKしました。


「黒クマ君、ちょっといい?」

「うん、クマ子ちゃん。どうしよう!こんなに大勢のお客さんが来ちゃった!」

「大丈夫よ、あのね……」


 すると白いクマ子ちゃんは黒クマ君に、ごにょごにょと耳打ちしました。


「おい、ちびっ子たち。何こそこそ話しをしてるんだ、早く店に入れろ!」


 グリズリーみたいな大きなクマさんは、再びイライラして叫びます。


 そんなのはおかまいなしに、白いクマ子ちゃんは、黒クマ君にヒソヒソ話を続けました。


 するとどうでしょう。

 さっきまでビクビクしていた黒クマ君の顔に、明るい笑顔が戻ってきました。


「わあ、さすが白いクマ子ちゃん、それはいいアイデアだ!」

 と黒クマ君はにっこりと笑って、ポン相づちを打ちました。


 はてさて、白いクマ子ちゃんは黒クマ君に何をお話したのでしょうか。


 

※ 2026/4/17 修正済み


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― 新着の感想 ―
登場くまがみんないいですね〜(*^^*)シロクマちゃん頼りになるし可愛いし、好きになるのも仕方ないですね〜♪ クマだかり、クマ波、くまワードが炸裂してますね〜♪こりゃくまったくまった〜w 清坂グリズリ…
出てくるものがみんぬ沢山可愛かったですが、 何が可愛いって……… 最後に星野様が清坂様に謝っているのが1番可愛いです! ♡ʕ^ᴥ^ʔ もうグリズリーから人間に戻りましたか、多分大丈夫かと。 読ま…
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