アカシヤはちみつ店
※清坂 正吾様個人企画の『クマ祭り後夜祭』参加作品です。
※ほのぼのとした短期連載作品です。(*^。^*)
※2026/4/17 修正済み。
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むかしむかし、クマたちが住む王国に小さな村がありました。
その村外れに、はちみつ店があります。
赤い尖がり屋根と黄色い土壁のとっても小さなお店です。
お店の裏庭にはアカシアの花が年中、それは見事に咲いておりました。
銀白色の葉がキラキラとおひさまに輝いて、黄色の小花の枝が、たわむくらい咲いていて、とっても優雅でフワフワする気分になります。
実はアカシアの花は春先にしか咲きません。
年中咲いてるのは、とっても不思議なのです。
お店の名前は『アカシアはちみつ店』といいました。
入口のドアの前には青色の看板が立てかけられていて『準備中』と出ています。
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このお店の店長さんは黄色いクマさんといいました。
青い尖がり帽子をかぶった黄色いクマさんは、ミツバチを自由に操って美味しいはちみつを作ります。
彼はクマ王国でも珍しい魔法使いですので、ミツバチを簡単に操る事ができました。
黄色いクマさんは、若い頃は王宮で王様のもとで、宮使いをしていましたが、今は引退して故郷の村で生活を送っています。
黄色いクマさんは、かなり年を取っていましたが、青い水玉模様の尖がり帽子を被っていると若いクマに見えました。
彼は銀色の魔法杖をクルクル動かすと、ミツバチたちが集まってきてアカシア花の蜜を吸い、黄色いクマさんが用意した巣箱に入っていきます。
こうしてミツバチたちは、黄色いクマさんの指示通りに働くので、お店では常に美味しいはちみつができたのです。
実はクマ王国にはお砂糖がありません。
なので甘~いはちみつは、とても貴重な食べ物でした。
また他の村には、はちみつ専門店はありません。
王様の住むお城がある、王都の街でも数えるほどでした。
そのため遠い村からも『アカシアはちみつ店』に、わざわざはちみつを買いに来るクマもいました。おかげでお店は年中繁盛していました。
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そしていよいよ今日は、クマ王国が誕生したお祭りの日です。
『アカシアはちみつ店』では、いつも売っている、はちみつ瓶の他に、お祭り用のはちみつケーキも予約限定で、毎年販売します。
クマ王国の民は年に1度の“王国生誕祭”をとっても大切にしていました。
家庭ではおのおので御馳走を作り、デザートは、はちみつケーキを家族で食べるのが習わしでした。
この日の『アカシアはちみつ店』は、朝から夕方まで1年で一番忙しい日です。
小さいお店なので、普段は黄色いクマさんだけで十分まかなえましたが、生誕祭だけは、付近の村どころか、王国中のクマ民たちが、はちみつケーキをお店に買いに押し寄せてきます。
アカシアはちみつ店の、はちみつケーキはトロ~リたっぷり、極上のはちみつがかかっていて、ほっぺがとろけるほど美味しいと王国でも有名だったからです。
今年はなんと1000個のケーキの予約注文がきました。
──いやいや、これはとんと困ったぞ?
黄色いクマさんも焦りました。
さすがに魔法使いといえども、黄色いクマさんだけでは、はちみつケーキ1000個を作れても、販売までは手が回りません。
そこへ頼もしい助っ人として、同じ村に住んでいる黄色いクマさんの親戚の子で、白いクマ子ちゃんに手伝いを頼みました。
もう1頭、同じ学園に通っている白いクマ子ちゃんのクラスメート、黒クマ君も手伝ってくれる事になりました。
黄色いクマさんは大助かりです。
お礼にクマ子ちゃんたちに、目一杯のお駄賃と、とっておきのはちみつ漬けの木の実をあげる約束をしました。
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狭いお店の中で、3頭のクマたちが朝の朝礼を始めています。
「お早う白ちゃん、黒ちゃん!もうすぐお店を開けますよ。お客様の誘導と販売を君たちにお願いする。──私はケーキを焼くから厨房にいます。大変忙しい日になるだろうが、今日はどうかよろしく頼むよ!」
白いコック帽をつけた黄色いクマさんは、にこやかにいいました。
「「はい、店長まかせてください!」」
と白いクマ子ちゃんと、黒クマ君は元気いっぱいに返事をしました。
さあメチャクチャ忙しくなる『アカシアはちみつ店』の1日が始まります!




