第三話
「どこにいったらいい?どこにいったらいい?」
ブツブツ独り言をつぶやき始めた。
その時、前方でパトカーのパトライトが点滅している事に気がつく。すでに何台も車が止まっていて、事故ではない・・・一斉検問だとすぐわかった。
心臓が飛び出しそうになったが、腹をくくってそちら車を進めていく。
圭司の車を警察が誘導していき、車の周りを数名の警察が囲む。
血の気が引く圭司。警察が運転席の窓ガラスをたたく、圭司はパワーウインドウを開けるが、あわてているため、後ろや助手席のガラスが開く。不思議そうな顔をする警察だが少し笑っている。やっと運転席の窓ガラスが開く。
「検問です、免許証を見せて」警察が尋ねる。
「は、はい」声がひっくり返って、あわててダッシュボードから免許証を取り出そうとすると圭司は、自分のズボンについてる血の跡に気がついた。「どうしょう」と、もっとあわて始める。警察も不審そうに圭司を見つめている。
どうにか免許証を取り出し、ズボンを隠しながら警察に渡す。
「大丈夫ですか?」
「は、はい」引きつった顔で答える。
「ズボンどうかしたんですか?」
「・・・いえ、大丈夫ですぅ」と答えると、缶ホルダーに残ってた缶コーヒーを手に取り、飲む振りをしながらわざとズボンにこぼし、血を見えなくした。
「あらららら・・・」
「大丈夫ですか?」
「・・・は・はい」と言って困ったなぁという顔をした。
「気をつけてくださいよ。お酒は飲んでませんね。」
「はい、の、飲んでません」あわてながら答えると、警察は免許証を返しながら
「あわてると重大事故につながりますから気をつけてお帰り下さい」
少し笑っている。
「はい、すみません」
静かに車を発車させる。もう警察は次の車の検問に移っていた。
大きくため息をつく圭司はボストンバックをどこに持っていこうか考えている。
圭司はまだ、行くあても決まってなく、ただ車を走らせているといった感じだった。
その時、目に飛び込んできたのが、コンビニエンスストアの明かりだった。とにかく落ち着こうと店に車を向けた。
圭司は車から降りて、コンビニエンスストアに入った。ズボンにはコーヒーの跡がついていて、何かに疲れているといった風貌だ。とりあえず喉が渇いていたので、飲料水売り場の冷蔵庫を覗き込む。




