~揺らぎ~ カルスト地形激戦区〈後編〉
走る、走る、走るっ。
〔アル・スカイ〕は岩の間を駆け抜けて、水平飛行を続ける侵略軍母艦を正面に捉える。
「ビーム兵装が反射される以上、実弾で風穴を開ける――」
「そこに再度攻撃を加えるなど、面倒なことこの上ないっ!」
勇子の作戦に文句を垂れながらも、ミュウは〔アル・スカイ〕に一丁のバリアス・ショットガンを左脚部のハード・ポイントに仕舞わせて、残る銃に実弾を込めさせていた。
それが通用しないようだったら、ビーム兵器主体の〔アル・スカイ〕の勝算は一気に低下する。実弾にも限りがある。手数は少なく、確実に効果の出るやり方をしなければならない。
次の瞬間、母艦の下部鏡面装甲から光が走った。
「――っ」
桜は目を細めつつ、〔アル・スカイ〕にマントでその攻撃をしのがせると一度横間へと退避させた。機体は数度、空中を駆けて大きめの岩柱に背中を預けた。
〔アル・スカイ〕の頭部が左右に振られる。
岩のごつごつした肌は妙に白っぽく、足元の新緑が色濃く映った。
「敵機からの遠距離射撃よ。位置は不明」
「相手もこの地形を利用してまいりました……」
桜はそう言いつつ、次に背後から来た攻撃に機体を引いて回避させる。
目の前でビーム光が膨れ上がり、命中した地面が爆発する。
〔アル・スカイ〕はそれに対応して、ショルダー・ホルスターのビーム・ザーベル発振器で応戦する。闇雲の射撃であったが、敵の動きを牽制するのには効果があった。
迫っていた〔アルファ・タイプ〕二機が左右に分かれて、岩陰に身を隠したのを勇子は見逃さない。
「敵、二機が分散したわ。母艦との距離、九〇〇」
「周りの敵を掃討した方がよいのではないか?」
「母艦の進行方向がよくないのよ。このままだとキャンプ地にぶつかるわ」
勇子が答えると同時に、〔アル・スカイ〕は岩場を三角跳びで移動し、敵の動きをかく乱する。
岩肌を蹴るたびに腰が抜けそうな衝撃が来て、桜たちは苦い顔をする。それでも森林に身を潜める〔アルファ・タイプ〕の攻撃を分散できたし、母艦の位置も高い視点から把握することができた。
が、行く手を阻むようにビームの嵐が吹き荒れた。
眩い閃光の中で岩柱の天頂が砕け散り、〔アル・スカイ〕はそこへ突撃していた。
「そうなさるのでしたら――」
桜は眩む視界の中で無数に襲い掛かる礫の影を捉えて、操縦桿を握る手に力を込める。
〔アル・スカイ〕が呼応して、腕部のストレス・コンプレッション・ハンドを発動させる。脈打つ黒い球が飛び散る岩塊を呼び寄せ、圧縮していく。ブラックホールのように物体が吸い寄せられて、無理やりに密度を増して小さく固められる。
歪な音が木霊して、黒い球体が少しばかり大きくなった。
〔アル・スカイ〕はそうして自機が通り抜けられる空間を作り出して、母艦の側面へと回り込む。その時にはストレス・コンプレッション・ハンドの機能を停止して、力場発生が消滅するとそのマニピュレーターには硬質の鉄球が握られていた。
その大きさは人間ほどの大きさだろうか。ずっしりと重く、丸っこい形状。マニピュレーターに収まるサイズでありながら、保持するのにも過度な負荷を要した。投射すれば、かなりの威力を生むだろう。
「これは――、なるほど。使えるやもしれんな!」
ミュウはわずかに口の端を上げて、モニタに映っているバリアス・ショットガンを一瞥する。
〔アル・スカイ〕が弧を描いて、落下軌道に入る横で母艦の鏡面が岩の間から見え隠れする。スラスターを噴射して、滑るようにして機体は森林を蹴飛ばし母艦への接近を図る。
「頭を取ります。すり抜けざまに一撃、お願いいたします」
桜は敵の攻撃が緩んだのを見て〔アル・スカイ〕を着地させる。すぐさま、直角跳びで方向転換。その衝撃がどっと胸を押し付けたが、気にしている余裕はない。
〔アル・スカイ〕は脚部に圧縮空気の力場を作っては低空で滑空を続け、カルスト地形の中をジグザグに切り抜けていく。正面からは反射ビームの乱射が降り注ぐ。しかし、岩が盾となり、母艦が鏡面を修正していないがゆえに命中率はぐんと落ちている。
おまけに勇子は頻繁に入射角を変えようと移動する敵影の位置を探知していた。
「ミュウ様!」
「まかせよっ」
瞬間、〔アル・スカイ〕は一気に敵母艦の頭上へと飛んで宙返りをする。
機体を捻りつつも、掲げたバリアス・ショットガンは母艦の天頂部を捉えていた。〔アル・スカイ〕よりもはるかに巨大な母艦はまさに氷山のようであった。
堅牢な守り、行く手を阻む強大さ。吹き荒れる電波障害で火器管制の精度は著しく低下。他のセンサも同じである。
勇子は侵略軍が電子兵装への対抗策が強いことにやきもきしながらも、ミュウのバックアップを続ける。
その中で、引き金を任されているミュウは落ち着いて、標的を見据えていた。
どこが脆く、実弾を打ち込みやすいか。その判断を装甲にかかる太陽光の具合で見極める。かすかに見えた陰りはちょうど天頂部から艦首にかけて走る細いつなぎ目。
艦載機を出すためのハッチであり、陸地の支柱となる部分だ。
「――撃つっ」
ミュウは口の中でそう宣言して、わずかな照準線のブレを目で追いトリガースイッチを押し込んだ。
ドッと〔アル・スカイ〕のバリアス・ショットガンから眩いマズル・フラッシュが瞬いた。
母艦の隙間にビームを纏った弾丸が命中。ビームは湾曲されて、散り散り任なったが弾丸そのものの威力はさがってはいない。
着弾箇所から黒煙が噴き出す。しかし、致命傷にはならず、母艦は変わらず飛行を続けている。
〔アル・スカイ〕は体勢を立て直しながら、母艦の側面を滑るように降下していく。今はなされては、不味いと感じたのだ。その証拠のように、鏡面に映る機体の背後に〔アルファ・タイプ〕の戦列があった。
「利用させてもらう!」
ミュウはショルダー・ホルスターから露出しているビーム発振器の照準を鏡に映る敵機に定める。
敵の攻撃、〔アル・スカイ〕の回避がほぼ同時に行われた。
肩部スラスターで横へ流れ、バリアス・ショットガンを握る右腕部でマントを絡め取り盾にした。眩い光が目の前で弾けて、その拍子にミュウがトリガースイッチを押した。
狙いも定かではなかったが、ミュウにその光の軌道が敵に向っているという確信があった。
〔アル・スカイ〕が重力にまかせて母艦の下に潜り込む軌道を取る。
と、勇子は遠くで爆発が起きた反応を感知。
「一機、撃破! さっきのが当たったの?」
敵の攻撃が緩み、さらに移動する動きが機敏になっているのを見ると撃破されたのは確実のようである。濛々と上がる黒煙を目にして、ようやく彼女もそのことを信じる気になった。
「周囲の警戒をお願いします。もう一度、上空に上がるには――」
桜は母艦の下に潜り込んで影となった視界に緊張しながら、顔を左右に振って敵の所在を目で確かめようとする。
〔アル・スカイ〕が森林の中に膝をついて、着陸するとバリアス・ショットガンの銃身の根元を折り曲げて、開放させるとそこにずっと握りしめていた先程の重質量の圧縮物質を装填し閉鎖する。
バリアス・ショットガンから警告が伝達される。
「姫様、それをお使いになるのですか?」
「先の攻撃は十分ではなかった。だが、この一撃ならば射抜けよう」
ミュウは警報を解除させながら、出力を調整する。流石に超重量なだけに、最大出力で花火がごとく打ち上げるのは困難である。下手をすれば、機関部が暴発する恐れがあった。
勇子が咎めようとした瞬間、視線を感じた。操縦席にいながら、うなじに刺さる妙な感触があった。
それは桜、ミュウも同じであった。
〔アル・スカイ〕が重たくなったバリアス・ショットガンを抱えて、頭部にある放熱機構から熱風を吐き出す。そして、前に駆けだした。すると、無数の光が横間を過ぎて周囲の木々を一瞬のうちに燃やし尽くす。
「敵の位置がわかる? どういうこと?」
勇子は機体の各センサの反応にざっと目を通す。しかし、電波障害が大きすぎて、敵の正確な位置を把握できない。
「あの時と同じ……」
桜は初陣の時に感じた、感覚の昇華だと思った。何者かが、脳裏に囁き、昂揚感を増幅させる感触。機械のセンサがそのまま触覚になっている感じだ。
しかし、不快感はない。違和感は拭えないが、気持ちをすり減らすような疲労感はない。
〔アル・スカイ〕は燃え盛る炎の海を切り抜けて、母艦から一度距離を取ると〔アルファ・タイプ〕の攻撃を岩陰に隠れて凌ぐ。
〔アルファ・タイプ〕の数はカメラがとらえただけでも、六機。他にも遠距離から射撃をする機体、あるいは潜伏している機体がいるとみて間違いないだろう。
「まったく、一撃くれてやるだけでよいというのに――っ」
ミュウが呻いた瞬間、〔アル・スカイ〕が前に飛び出した。その拍子に舌を噛みそうになるが、お尻をぐっとシートの奥に押し込んで加速による負荷に耐える。
正面からビームが飛来。間一髪のところを敵のビームは逸れて、〔アル・スカイ〕の背後の岩柱が根元から崩れていく。
大樹が倒れるように、岩柱はゆったりと横間に倒れて、近くの岩に接触。さらにバラバラに砕け散り、当たりに岩塊の雨を降らせた。
「射程距離、推定三キロ地点。十二時、方向」
勇子はビームの弾道を計算して、その方向を拡大映像で表示するが遠距離射撃を行っただろう機体の影は見当たらなかった。
荷電粒子ビームは距離があるだけで減衰もするし、回避する余裕は生まれる。敵の遠距離射撃は陽動とみていいだろう。カルスト地形の岩柱は見晴らしがよい。狙撃手にすれば絶好の場所がいくつも並んでおり、連携すれば思い通りの方向へ〔アル・スカイ〕を誘導できる。
桜は細かい岩塊が機体の装甲を叩いているのを気にしつつ、一気にその勢力圏を脱出させる。そして、母艦の位置を常に把握して、機体をジグザグに走らせて岩陰を利用する。
「一時方向。距離三〇〇。敵機、二」
「はいっ」
勇子の索敵に桜は威勢よく答えて、〔アル・スカイ〕にショルダー・ホルスターの発振器を握らせる。
三秒と待たず、二機の〔アルファ・タイプ〕がビーム・サーベルを構えて横間から飛び出してきた。
桜たちは予期していたとはいえ、敵機のモノアイの発光とビーム・サーベルの煌めきに心臓が跳ね上がる。息が止まり、身体が強張り、思考は加速する。
〔アル・スカイ〕の左右に分かれて切りかかろうとする〔アルファ・タイプ〕二機。対して、〔アル・スカイ〕は左舷の敵機のビーム・サーベルを、同じくビームの刀身を発振させて受け流した。
ちりちりと舞う、粒子と干渉波が機体を振動させる。目の前が真っ白になる。
だが、彼女たちは右脇から来る鋭い感触を逃さない。
〔アル・スカイ〕が干渉波を利用して、華麗に回転。左舷の機体を吹き飛ばし、右舷から肉薄する機体にはその長い脚部を持って応戦する。
ギャァアン!
ストレス・コンプレッション機構でビーム粒子を循環させた左脚部が敵の刀身に接触した。迸るスパークと共に互いが見えない力で引き離される。
「――はぁっ」
桜は機体が高く跳躍する感覚と共に、大きく息を吸った。脳みその細胞がざわめく。生きている実感が噴き出す汗と共に甦る。
〔アルファ・タイプ〕二機は岩柱を盾に蛇行して、ビーム・ライフルを放って距離を稼いでいく。
〔アル・スカイ〕はビーム・サーベルを握るマニピュレーターを突き出して、高速回転させてシールドにしつつ近場の岩の頂上に着地する。
飛び交うビームをしのぎ、〔アル・スカイ〕はビーム・サーベルを露払いをするように振った。
「敵の攻撃が来る前に、仕掛けるぞ」
「はいっ。勇子様、サポートお願いいたします」
「言われなくても」
三人が呼吸を整えると、〔アル・スカイ〕はのろのろと高度を上げつつある母艦の一角に向かって飛んだ。
同時に、待ってましたと各所から〔アルファ・タイプ〕が上昇し、包囲網を一気に構築する。上も下も敵だらけで、数はざっと二〇機は越えるだろうか。
桜たちは絶句するも、もう後戻りはできない。
〔アル・スカイ〕が弧を描いて、跳躍を続けていく。
姿を表した〔アルファ・タイプ〕の軍勢は距離を詰めて、一気に照準を〔アル・スカイ〕に向けた。
来る。撃たれる。
その刺激が脳内にこだまして、ビーム発振器を収納するとマントを手繰り寄せ防御に備える。
その瞬間、地上からまばゆい光が何条にも伸びあがり、上空にいる〔アルファ・タイプ〕を翻弄した。烈火のごとく伸びあがるビームの光が〔アル・スカイ〕に道を作り、他の機体を牽制する。
「誰? まさか、シャトーさんたちが……?」
勇子はバブル・スクリーンに表示された対空砲火の数を確認しつつ、訝しんだ。シャトーたちはキャンプ地に待機するように指示を出した。彼らはそれを承知で送りだして、防衛線を築いているはずなのだ。
それに、対空砲火の数は実に十数機のもの。ラトゥ族の総戦力よりも大きい。
「なんだか知らんが、今のうちだ!」
ミュウの声と共に〔アル・スカイ〕が勢いよく跳ね飛び、敵母艦の背後へと迫る。
〔アルファ・タイプ〕の攻撃は気にしなかった。撃ってこられても、まったく見当違いの方向へ過ぎていき、母艦の反射装甲の角度とも合わなかった。
〔アル・スカイ〕が母艦の天頂部に来ると重たいバリアス・ショットガンの銃口を先ほど着弾させた箇所に向ける。
「向かう方向が、悪いんのだ!」
ミュウはそう叫んで、引き金を引いた。
〔アル・スカイ〕が最大出力で発射した弾丸は強烈な反動を生んで、機体が反転。スラスターを噴射しながら母艦の側面を降下していった。
高密度の弾丸は軽々と母艦の中に食い込んで、先の攻撃よりも深刻な損傷を受けていた。動力炉をやられたわけではなかったが、十重二十重の防御壁を貫いた物質は中にいる命を砕き、艦載機の誘爆を呼んだ。
桜たちはうめき声のように響く、母艦の軋む音を聞いて胸が苦しくなった。苦痛に満ちて、ようやく逃げようという上昇軌道は卑怯にも感じられる。
「…………」
〔アル・スカイ〕は重力に引き寄せられて、徐々に高度を下げながら、母艦の上昇を見送る。
〔アルファ・タイプ〕も母艦の上昇を確認して、各機編隊を組んで直掩行動に入った。地上から未だ執拗に放たれるビームに、彼らはまばらな応戦をして戦意を抑えていく。
「追わないのか?」
「逃げる相手に追い打ちをかけるのは、危険でしょう? 戦力差だってあるわ」
ミュウの苦々しいイメージ映像に、勇子も口をとがらせて理屈っぽいことを言う。
〔アル・スカイ〕が岩柱の一つに着地すると、空から降り注ぐ光の虚しさが際立った。照準など適当で、近づくなと喚いているようである。子供が駄々を捏ねているのを目の当たりにした気分だった。
どうしていいのか、桜は逡巡してしまい戦う気力が失せていく。
「次は里にいるだろう部隊を、叩くぞ」
ミュウが厳しい口調で言った。
勇子もその決心に揺らぎはなく、機体のダメージコントロールを行う。熱くなっていた機体温度が下げられて、放熱機構がフル稼働する。
と、地上から何かが眼前の岩に上ってくる。
桜たちはそれが、〔ロゴート〕であることを確認する。白と黒のツートンカラーで、ラトゥの扱う機体とは違っていた。
「パンダに似ているわ……」
「あの、宇宙で見たもこもこ白黒の生き物か?」
勇子とミュウは〔ロゴート〕のカラーリングを見て他愛のない事を口走った。
「支援していただきありがとうございました。あの、どちら様でしょうか?」
桜は外部スピーカーのスイッチを入れて、声をかける。戦いの緊張から解かれたことと、相手が攻撃を仕掛けてこないことから好戦的になる必要はないと思ったのだ。
しかし、その〔ロゴート〕は背部のビーム砲二門を〔アル・スカイ〕に向ける。
「わたしたちはあなた方と戦うつもりは御座いません。この戦いを見ていたのなら、ご理解していただけたかと思いますが……」
桜が弱腰な声を投げかける。
すると、相手から返答があった。
「侵略軍との戦いは承知している。が、お前たちの目的は何だ?」
「わたしたちは、ラトゥ族の方々の里を取り戻したいと行動しております。えっと……。ここから、西へ五キロほど離れた場所に里がありまして……」
「田園の綺麗な里であろう?」
相手は探るような口ぶりで言った。
「女の人かしら?」
勇子は相手のしゃべり方というか、話の運び方にそういう気質を感じた。
桜は勇子の声に一瞬意識を向けたが、すぐに〔ロゴート〕の方に戻して慎重に応える。
「はい。おそらくは……」
「そこはすでに、我々が制圧した。しかし、ラトゥ族だと? 他の部族はとうに滅んだはずだ」
相手の声は高音で、高圧的であった。
「なんだ、偉そうに」
「ミュウ様だって、人の事は言えませんよ?」
桜が内線でささやきかけたので、ミュウはいつも以上に不機嫌になって頬を膨らませる。
「同道してもらう。よろしいか?」
「ここは従っておきましょう。導師様の事は伏せて」
勇子は周囲を索敵して、そう結論付ける。周囲には〔ロゴート〕らしい機影が十機あった。それらが〔アル・スカイ〕の立つ岩柱を囲い、集中砲火を浴びせる準備に入っているのは、予想できることだ。
「どうしてですか?」
「こちらに正当性があるように見せるには、時に奥の手は隠すものだ」
ミュウが冷静な口ぶりで言った。
「それに相手はどうも、ラトゥ族と何かしらのかかわりがあるんだわ」
勇子が内線で桜に言った。
里が解放されたという報告は無視できなかったし、仮に嘘だとしてもこの近くに住む現地人であることに変わりはない。
桜は頷いて、砲を構える〔ロゴート〕を見据える。
「わかりました。無益な戦いはしたくありませんから」
「それはこちらも同じだ」
正面にいる〔ロゴート〕が砲を収めて、その言葉が本当であると素直に思えた。




