第七話 十大災害
23時間59分56秒
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」
「流石にここまで来れば大丈夫だろ。てかここ何処だ?」
チカサが辺りを見渡すとお花が沢山咲いていた。
「ここってもしかしてソーラーハナバタケか。だとしたらここで休憩出来るな。花畑で座るのは良いな。なんだか眠いな。疲れてるからかな?流石に―こんな所―で寝た―らやば―いな。ラナは―元気にして――――。」
「は!俺まさか寝てたのか。バカなのか、追われてる最中だってのに。服の汚れが無くなってる?ここの花畑のおかげか?―それよりもラナのとこに――行った所で何になるんだ。俺に何か出来る訳じゃない。何でこんな事も思い付かなかったんだ。ラナの所に行ったら、また迷惑を掛けて―また殺されて―また忘れられて―繰り返すだけだ。」
「そろそろ他人に迷惑かけるのやめろよ。だからお前はいつも何も出来ないクズなんだよ。」
「何でお前らが居るんだよ。」
嫌だまた言われる。お前は使えない、生きてる価値が無い、ゴミ、気持ち悪い、カス―たくさん同級生に言われた。お父さんやお母さん以外誰も助けてくれなかった。今頃俺がいなくなって嬉しいんだろうな。厄介者が消えたぞって。人生初めての親孝行だ。最高だな。でも俺は異世界にきて何をやってるんだ?死んで生き返っても――逃げて――逃げて――逃げて、何もやろうとしない。やろうとしようとしたのか俺は。出来ないの間違いじゃないのか?
「右足がぁぁぁ。右足が潰れて―何でだよ。何でこんな目に遭わなきゃいけないんだよ。また死ぬ―嫌だ。」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い―また殺される、嫌だ死にたくな―そうだよそうだ死ねば良いんだ。死ねば楽になる。今回はミーナと剣豪とムーン以外に関わってない。ミーナだって言ってた。『自分を大切に』ってだから死ねば良い。死んで忘れ去られて楽になれば良い。
「右腕がぁぁぁぁ。熱い、熱い、熱い。――はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、やっと死ねる楽になれる。はははははは。同級生に殺され―。」
「ガルルルルルルル。」
「同級生じゃない。――狼だ。何で、痛い――噛みつくな、やめろ。痛い―痛い―痛い。死―ぬ――――。」
「痛い、痛い、痛い―って生き返ってる。もしかして死んだのか。もう二度と踊り食いになんてされたく無いな。――痛ってぇぇぇぇ、お腹が熱い―痛い―死ぬ―嫌だ死にたくない―もう死んだって意味がな――――。」
「嫌だもう嫌だ。こんな所に居たくない。ここにいたって死ぬだけだ。早く逃げないと殺される―あの狼に。あれ、なんで歩けないんだ。足―無い―俺の両足―あぁぁぁぁぁ―痛い痛い痛い痛い―こっちに来るな。俺は死にたくない。嫌――――。」
「早く逃げ――何で―息ができな――胸に―穴が―空いて―それに―首に―何か―詰まって―痛い―痛い―痛い――――――。」
「もう無理だ―何もしたくない―逃げられない死ぬ―殺される―こっちに来るな。何で俺にだけ執着するんだよ。もう嫌だ。無理だ。は、ははは、はははははははははははは。」
「カエセ―カエセ―カエセェェ。ニンゲンハゼンインコロス。ユルサナイ。コノバショハモットヒロカッタ―ナノニニンゲンハタスケタオンヲワスレ―ワタシノカゾクモミナコロサレタ。カエセワタシノカゾクヲ―カエセワタシタチノイバショヲ―カエセタスケタオンヲォォォ。」
「ははははは――――。」
「死んだ―死んだ―死んだ―。沢山死んで―ふふふ―ははははは。」
「オマエハナゼワラッテイルンダ?ソレニイツカライタンダ?キュウニアラワセテ―オマエナニモノダ?マアイイカ――シネ。」
「―リスコール。」
「ナンダコレハ、ナゼオレノコウゲキガハズレタ!オマエハダレダ!ナゼオマエハワタシノゲンジュツガキカナ!」
「――何故あなたの幻術が効かないのか私には分からないけど、この子を守らせてもらうわ。」
「オマエヒトリデココカラデラレルトオモッテイルノカ!」
狼の背後から黒髪ロングで青い瞳のメイドの姿をした美しい女性が現れた。そして狼に大きいハンマーを打ち付けた。
「グハァ。――キサマハナニモノダ!ワレニキズヲツケルトハオマエハソウトウツヨイヨウダナ。」
「あれあれおかしいですね〜。あなたさっきは一人称が俺だったのに今は『我』ですか〜。もしかして頑張ってカッコつけてるんですか〜。」
「―ダマレ!キサマハゼッタイニコロス。」
「私を忘れないでよね。『ウェーバー』。」
「カラダガシビレル。―オマエハマサカ―ジョウタイイジョウノマジョカ!」
「私はただの女の子だから!」
「ラナ様―逃げましょう。」
「ニガスカァァァ!」
「私が時間を稼ぎます。今の内にその男を連れて逃げて下さい。」
「ありがとう―タクレア。」
ラナがチカサを担いで逃げる。
「ニガサナイゾォォォ!」
「あれ聞いていませんでしたか〜。私が相手だと言いましたよね。あなたは、十大災害―干ばつのルナリアですよね。」
「カッテニニンゲンガツケタダケダ。オマエラガサキニウラギッタクセニ、ナゼワレガワルモノサレナケレバイケナイ!」
「あなたに昔何があったのか聞きたい所ですが、時間稼ぎが終わりましたので帰らせてもらいます。」
「オマエダケデモココデシネ。」
ルナリアの鋭い爪が当たりそうになるがハンマーで弾き、タクレアがラナの逃げて行った方向へと走る。
「では、さような―。」
「ヤット、コウカガデタナ。アルケナクテクルシイダロウ。ゲンカクダトシッテイテモイタイダロウ、クルシイダロウ、キサマガワレヲブジョクシタブンヲカエシテアゲヨウカ。」
ルナリアがタクレアの足を掴み、振り回す。
「イタイカァ?クルシイカァ?」
「痛くなんか――ない。」
「ソウカ、ソウカ、ナラアシナドイラナイナァ。」
「足の―一つくらい持っていけ。」
「ソレジャアァ、サン、ニィ、イチィ、ゼ――。」
「やめろぉぉぉぉ。」
チカサが狼に突進し、一発殴った。すると、狼が体勢を崩し、タクレアを手から放した。
「オマエガナゼココニイル?」
「ラナにかっこ悪い姿なんて見せられないから。それに――。」
―――少し前
走りながらにラナが喋れ出す。
「あなたは、何でこんな所に居たの?ここは危ない場所だから次からは――。何があったのか話してみて。大丈夫?あなたずっと笑っているけど。」
「はははははは。」
ルーナが止まり、チカサを下ろす。
「これはあまりしたくないけれどあなたを正気に戻す為に使うわ。後で文句は言わないでね。ブラットウェーバー。」
「痛てぇぇぇぇ。また死ぬ、誰かに殺されるんだ。痛い、痛い、痛い。―怖い、怖い、怖い、怖い。助けてよ、ラナ、アルタナ、ミーナ、団長。」
「あなたは、わたしと会ったことがあるの?」
「みんな忘れて、一人孤独になるんだ。はははは。」
「分からないけど、前にミーナに言われた方法でやるしかない。」
ラナがチカサに抱きついた。
「―え。」
「大丈夫。あなたは一人じゃない。私もついてる。君ともしかしたら会っていたのかも知れない。でもまた会えたじゃない。大丈夫、私達があなたを守るから。」
「何で俺を守るんだよ。こんな奴放っておけよ。お前らが死ぬのなんてみたくない。だから俺を置いて逃げ――。」
「私はあなたが死んでしまう所を見たくはないな。」
チカサが涙を流す。
「――ごめん。俺が間違ってた。そうだな―誰かが死ぬ所を見たくはないよな。泣いてるのダセェな。もう大丈夫だ。泣いてない。―じゃあ、あのメイドさんを助けに行くか。」
「あなた戦えるの?」
「いや無理だな。でも殴る、蹴るぐらいは出来るぜ。それに――みんなで無事に帰ろう。」
ラナが目を輝かせる。
「そうだね。」
――今
「ナンデオマエガココニイル?」
「ラナにかっこ悪い姿なんて見せられないから。それに――みんなで無事に帰りたいからな。」
23時間59分50秒




