第八話 やらない後悔よりもやる後悔
23時間59分50秒
「みんなで無事に帰るとは言ったもののどうやって逃げようか。」
「あの―助けてくれてありがとうございます。」
「ヨソミシタナァ。」
狼がタクレアに噛みつこうとする。その時―
「リスコール。」
「マタダ。ナゼダ、ナゼアタラナイ。」
「それは私が状態異常の魔法使いだから。」
「ソンナノハシッテイル。」
呆れた様子で言う。
「タクレア。」
「な、何でしょうか?」
「タクレアに狼のヘイトを買って欲しい。」
「ヘイトと言うのは?」
「ノンキニハナシナドサレルカァ。」
「ちゃんと見ていますよ。」
狼が殴るのをタクレアが防いだ。
「そう言う感じでしばらく戦っていて欲しい。頼めるか?」
「分かりました。あなたは私の命の恩人です。あなたの為ならこの狼ぐらい余裕です。」
タクレアが狼の攻撃を防ぎながらに言う。
「任せたぞ。」
チカサが走りながらに考える。
考えろ。考えろ。考えろ。どうしたらここから逃げれる?あの狼の能力は幻術と何だ?何で急に足が無くなったり、いきなり胸を貫かれたりした?それに何故ラナの近くなら幻術が聞かない?――待てよ。何で今あいつは俺たちの胸を貫らぬいたりしない。もしかしてあいつの能力はまさか―――。
チカサがラナの所に着く。
「チカサ君。私はタクレアの援護をすれば良いのよね。」
「そうだ。でもラナに聞きたいことがある。」
「何?」
「どんな魔法が使える?」
「私が使える魔法は、相手の意思と反対に行動をさせる『リスコール』と、相手の一部を痺れさせ、眠らせる『ショート』と、相手の全身を少しだけ痺れさせる『ウェーバー』と、相手に痛みを与える『レッドウェーバー』と、相手が与えた状態異常を返すシールドを与える『スタットカウンター』と、あと回復魔法ぐらいだと思う。」
「ショートであの狼を眠らせられないか?」
「出来ないわ。ショートには相手を5秒間触り続けないといけないの。」
「そうか。―ならやる事は決まった。ラナ作戦変更だ。」
「私はどうすれば良いの?」
「今から全部説明するから大丈夫。作戦は、―――。」
「出来るかな?」
「大丈夫。これ以外には選択肢が無いから。」
「それって失敗したら終わりじゃない。」
「ラナ、やらない後悔よりもやる後悔だよ。」
「そうね。チカサ。」
「今チカサって呼んで―。」
「早くやるわよ。チカサ。やらない後悔よりもやる後悔でしょ。」
「そうだな。」
ラナ達がタクレアの所に向かい、着く。
「よく抑えたな。」
「よ、余裕でしたよ。」
「すごく辛そうだけど大丈夫?」
「辛く―なんか―無いです。」
「タクレアは下がって、ここからは俺たちに任せろ。」
「ラナ様をお願いします。」
「任せとけ。」
「さてここから逆転だぁー。」
「オマエゴトキガワレヲトメレルカァァァァ。」
「リスコール。」
「危ぶね。ここからは鬼ごっこだぜ。」
「チョコマカトニゲルナァァァ。」
「お前まさか俺に攻撃当てられないの?さっきは俺の事、雑魚とか言ってたくせに?俺に当てられないようじゃあ、お前俺よりも弱いな。」
「ダマレ、ダマレ、ダマレェェェェ。」
この狼はプライドが高いからすぐ煽ると挑発に乗ってくる。そして俺が狼の攻撃を全て避け、ラナがサポートをする。完璧だ。問題は、ここから逃げる為の3つのステップをクリアしているかだ。
ステップ1、ラナが魔法が当てられるギリギリまで離れる。:クリア
ステップ2、俺がヘイトを買う。ラナの方に行かせないように煽る。:クリア
ステップ3、―――
「―あぁぁぁぁ。痛い、痛い、痛い。足が無い。死ぬ、殺される。」
「ワレノゲンジュツガキイタカ。」
「スタットカウンター。」
ステップ3:狼が放つ、幻覚を見せる状態異常を返す。:クリア
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「ハ?―ナンダココハ?マサカココハ、オリノナカカ。―ダセェェ。ココカラダセ。ヤメロ、イヤダ、イヤダァァァ。ナゼオマエラニンゲンハ、ジブンノシヨクヲミタスコトシカカンガエナイ。オリノソトニイルノハダレダ?」
「ははははははは。」
「わはははははは。」
「ワラウナ。ワラウナァァァ。ニンゲンノミセモノニナンカナリタクナイ。ココカラダセェェェェ。」
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「作戦成功だな。」
「チカサは何で、狼が幻術を使っていないって分かったの?」
「まずは、狼が俺を殺した時に少し違和感があった。心臓を貫かれてたのに生きていた、まずそこがおかしかった。それにラナが近くにいる時だけ、幻覚が効かなかった。だとすれば、幻術とするより幻覚だとする方が一致する。だから俺は幻覚だと思ったんだ。」
「チカサは、すごいね。」
「正直ラナのが無かったら幻覚だって気付かなかった。あと、俺も言わなくちゃいけない。ラナありがとう。こんな俺を助けてくれて―こんな俺を立ち上がらせてくれて。」
「―どういたしまして。」
23時間59分50秒




