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第六話 説教




23時間59分57秒

時は少し前。


ラナが必死に言う。

「アルタナ、あの人の事を助けてあげて。アルタナなら私達を襲って来た人を倒せるでしょ。」


「すみませんがラナ様それは無理です。」


「何でなの?アルタナ。」


「あの知らぬ男が目で語って来たのです。『ラナ様を連れて逃げろ』と。それにあの知らぬ男は自分が犠牲になるつもりでした。私達はそれに答えるしかないのです。」


泣きながらにラナが言う。

「それでも――。」


「大丈夫です。ラナ様あそこには団長もいます。何とかしてくれる事でしょう。」


ラナが目を見開いた。そこにはデカい火の玉があった。ラナは絶望した。もうチカサは助からないと。


ラナが大きな声を出した。

「それでも私信じてるから。」


炎の球が森に当たって、森が吹き飛んだ。


「あれ何で私大きな声を出したんだっけ?」


「分かりません。―それよりも王都まで逃げられましたよ。」


「ありがとうアルタナ。無事に逃げられて良かったわ。」


「ラナ様、すみませんが私はアストラワンに行き、残っている騎士たちを連れて団長を助けないに行きます。なのでここからはお一人ですが大丈夫ですか?」


「大丈夫。王都の中だったら流石に襲ってこないと思うわ。私の心配よりも早く団長を助ける事を優先して。」


「ありがとうございます。」


するとアルタナはアストラワンに走って行った。

そしてラナはフードを被り、顔を隠してどこかに行った。










―――「はっ。腕!―はあるな。ちゃんと復活できてる。良かったー。いつも思ってたが、服もちゃんと元通りになるんだな。」


チカサが周りを見渡す。


「それにしても酷い有様だな。ここら辺が本当に森だったのかってくらいだな。さて王都に向かうとするか。ラナに――。そうだったもう忘れられて―――いやそんなのは承知で犠牲になったんだ。またラナといい関係になれば良いだけだ。―あれ何でだ?何で俺泣いてるんだ。こんな事で泣くな俺。今後も沢山あじわうだろ。」


王都に向けて歩き出した。


「もうすぐ着くぞ。」


「いたな。おめえ。」


「な、何で、剣豪がいるんだよ。」


「そりゃあ決まってるだろ。殺しに来たんだ。」


「嫌だ死にたくない。さっき死んだばっ――」

あれ何で宙に浮いてるんだ?自分の倒れた体が見える。あぁそうか頭を切られたのか。










―――「はっ。ああああああああ。痛い、痛い、痛い、痛い、死にたくない、死にたくない、死にたくない。もうやだ死にたくない。ずっと我慢して来たけどもう無理だ。我慢できない。死ぬのは痛いし、苦しい。それに忘れられる。もうこんな目に遭いたく無い。ラナ、アルタナ、団長助けてくれよ。俺の事わすれないでくれよ。」


「大丈夫ですかー。」


「だ、誰だお前。こっちに来るな。俺の事殺すつもりなんだ―ろ―。ってお前は―。」


「何で泣いてるんですかー?」


「ミーナ。お前は俺の事覚えてるか?」

頼む、頼む、覚えていてくれ。


「初対面で覚えてるかって聞く人初めてだよー。」


「そうか―呼び止めて悪かったな。」


「何で泣いてるんですかー?」


「そんなに泣いてるのが気になるのか?気にすんな。ほら、これでもう泣いてない。」


腕で目を擦った。

あれ何でだ。また涙が出て来た。

もう一度腕で目を擦る

何でだよ。何で涙が止まらねえんだよ。こんなかっこ悪い姿ミーナに見せられないのに。


「お兄さんー。大丈夫ー。私に全部話してみて。こんな泣いてる人放っておけないよー。」


「ミーナありがとう。―よし、今から話す事はどう解釈してもらっても構わないから。」




ミーナに今まで起きた事全部を話した。ミーナは信じてくれてる様子だった。


「ミーナ、話を聞いてくれてありがとう。お陰で少し気持ちが晴れたよ。大丈夫だ。もう死んでも泣かない。」


「お兄さんー。死んで良い時なんてないよー。何でお兄さんは死ぬ前提で動くのー。少しは自分の事も考えた方が良いよー。自分を大切にしなよー。」


「でも、俺の取り柄はこれしか無いんだよ。死んで皆助けられるなら良いだろ。」


「お兄さんいや、―馬鹿者。」


「ミーナさん、もしかして怒ってる?」


「私だって怒るから。馬鹿者早くそこに座れ。」


「はい。すみません。」

チカサが正座した。


「何で全員に馬鹿者が含まれて無いんだよ。お前は何でも出来る訳じゃ無いんだろ。何も出来無いクセに全員助けるだとかほざくな。何か出来るように努力して来なかったならそれで良いだろ。後悔しても何か残るのか?何も残らないよな。少しは自分を大切に思う人の気持ちも考えろ。忘れられるからと言って人の気持ちを踏みにじるな。それが出来ないようならお前に人を助ける権利は無い。ラナが可哀想だ。お前の事を大切に思っているのに。だがお前はそれを踏みにじった。次そんな事をしたら私が許さない。私が一回殺すからな。分かったか。」


「ミーナさんすみませんでした。俺は気づかない内にラナやミーナさんの気持ちを踏みにじっていた。それは絶対にダメだ。それに自分を少し大切にしてみるよ。死ぬ前提でもう動かない。ラナやミーナそれにアルタナそして俺が辛い目に遭うから。」


「分かれば良いんだよー。馬鹿者じゃなくて、お兄さんー。じゃあここからどうするかはお兄さんに任せるよー。私はあなたの事信じてるから。それじゃあ頑張ってねー。」

ミーナが走って行った。




「そこにいるんだろ。剣豪。」


「良い話だったな。」


「もうお前には殺されてやらねえよ。」


「じゃあこれを避けられるかなぁ。」


「邪魔だどけ。」

チカサが吹き飛ばされた。傷は幸いにも無い。


「何でお前がここにいるんだよムーン。」


「何でお前が私の正体を。それよりもあなたの事を剣豪と認識してもよろしいかな?」


「お前かぁ。ここで来るとは思わなかったぜ。お前うざいんだよなぁ。まぁいいかここでムーンを消せて。」


「何でお前も私の正体を。」


チカサは気づかれないように逃げ出した。


「逃がさねえぜ。」


「おっと剣豪さん、相手は私ですよ。あなたは今や危険な犯罪者ですからね。あなたを殺せば私の目的は達成なんですよ。あなたを殺した後にあの子も殺しますだから安心してください。」


「ちっ。面倒臭えな。」

















23時間59分56秒

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