第二話 剣豪
23時間59分59秒
稚重とラナは騎士たちのいるアストラワンに着いた。
「ここに騎士たちがいるんだよな。それにしても建物がデカいな。東京ドームと良い勝負してるな。」
「東京ドームは知らないけどここより大きい建物は、王様の城ぐらいしかないの。」
「もしかしてアストラワンって結構重要な施設だったりするの?」
「チカサは、アストラワンがどういう所か知らないの?」
「えーと、あれだ最近記憶が少し無くなってしまってそれで皆が知ってて当たり前の物が知らなかったりするんだ。」
「なんかごめんなさい。」
「良いよ。大丈夫大丈夫。」
「じゃああなたが知らない事を私が説明するね。アストラワンは、騎士たちが集まって稽古をしたり、街の安全を守ったりするための建物なの。普通はこんなにも大きく無いんだけど、ここは王都だから特別に大きくなっているの。」
「なるほどってここ王都なの!!」
「こんなにも大きい街は、王都ぐらいしかないの。」
「教えてくれてサンキューラナ。」
「サンキュー?まぁとりあえずここに来た目的を果たしましょう。」
『ラナが少し震えている。何か前にあったのか?』
ラナの手を握りしめて言う。「大丈夫。俺がついてる。」
ラナが頬を赤らめている。「あ、ありがとう。」
そして二人で手を繋ぎながらアストラワンに入った。中に入るとそこには豪華なシャンデリアや高そうな絨毯など色々な物があった。
「すげーここがアストラワンか。こんなの高そうな物壊したら人たまりも無いな。」などと言っていると前の方からイケメンの騎士らしき人が来た。騎士らしき人が驚きながらに静かに喋る。
「何故あなたがここにおられるのですか。ここに来ては行けないと言ったでしょう。今度こそ殺されてしまう。今ならまだ間に合います。」
「ごめんなさい。でも絶対に言わないといけない事があって。実はアハタ草原に死体が二つあったの。」
「本当ですかラナ様。」
「本当よ。」
「分かりました。ご報告ありがとうございます。マズイ状況になりましたね。何か見た物などはありませんか。」
「それなんだけど俺が言うぜ。俺は実際に襲われたからな。」
「ラナ様その男とはどのようなご関係で?」
「知り合いです。」その言葉が稚重にはグサリと刺さった。稚重は、人生初の友達が出来たと思っていたが相手は友達などと思っていなかった。
手繋ぐって友達じゃないの。クソどうなったら友達なんだ?などと考えていると。
「失礼しました。私の名前は、アルナタと言います。襲われた時の状況を聞いてもよろしいでしょうか?」
「襲われた時に、黄色い髪に、少し長髪気味で、赤色の目をしていた。そして刀を持った30代後半ぐらいの人だと思う。」
「それはまさか、剣豪イサル・ターバ様に特徴がすべて合います。ラナ様は今のうちにお逃げください。そしてその男性の方、ラナ様をお任せします。」と言うとアルタナはどこかに走っていった。
「じゃあ私達は、商店街に行きましょう。」と言うとアストラワンを出て、商店街に着いた。
「ここが次の目的地?」
「じゃあ私達はここでお別れね。手伝ってくれてありがとう。手伝ってくれたお礼にこれ。」と言うと袋いっぱいに詰まったお金を渡された。
「待ってよ。お別れって何。俺は君の助けになりたい。この後も手伝うよ。」
「私といるとチカサに迷惑かけちゃうから。」
「迷惑じゃあない。君に何があっても俺が君を守る。しかもアルタナにも任された。俺は君の助けになりたいんだよ。お金もしまって。俺がやりたくてやった事だから。」
「あなたは私が何をやったのか知らないからそんな事が言えるんだわ。」
「俺は例え君が悪人だとしても俺は君の事を助けたい。」
「じゃあ分かったわ。私は実はお父さんを殺したの。どう、これでついて行きたく無くなったでしょ。騎士たちにも捕まらないように逃げてるの。」
「それでも君を助けたい。しかもアルタナは君を捕まえなかった。何か理由があるからだ。俺は君の事を信じる。」
「じゃあチカサこっちに来てくれる。」そうして稚重はラナに近づいた。するとラナが稚重の頭に手を置いてこう唱えた。
「ショート。」すると稚重の目の前が段々と見えなくなって来た。そして立っているのもやっとだった。
「何をしたんだ――。ラナ。」
「ごめんだけど、あなたの事を危険な事に巻き込ませたく無いの。少し眠っていてね。」すると稚重は意識を失った。
23時間59分59秒




