↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

第三話 団長





23時間59分59秒

――「ラナ!!」

ラナがいない。くそ。それにここは?背中や腰や頭や足に柔らかい感触がある。まさか―、ベットの上か。

やっと休めた気がする。今まで運動して来なかった分今日はとても疲れた。そして部屋に誰かが入って来た。


「あれお兄さん起きたのー。」


「君は誰だ?」


「私は、ミーナだよー。よろしくねー。」


「そうか。俺の名前は、秋葉稚重。よろしく。」


「チカサかよろしくー。何でお兄さんここで寝てたのかなー?」


「寝てた?―そうかラナが俺の事をここに置いていって―。」


ラナの所に早く行かないと。立とうとする。何でだ、うまく力が入らない。急いでラナを追いかけないといけないのに。クソ、クソ。こんな時に限って何で動かないんだよ。使えねえな。


「大丈夫そうお兄さんー。」


「大丈夫では無いな。足が動かないんだ。どうにか出来ないか?」


「お兄さん、状態異常の魔法がかけられているねー。これはもしかしたら1、2時間経たないと動けそうにも無いねー。私なら解除なら出来そうだけどやるー?」


勿論迷う意味がない。「もちろん頼む。」


「お金は、掛かるよー。」


「俺お金持ってないんだけど。」


「何言ってるのお兄さんー。そこに落ちてるのお金じゃあないのー?」


「何だこれ。」


袋の中身を見るとお金が入っていた。


これはラナが俺に渡そうとしていた袋だ。やっぱり優しいなラナは。感心にふけっていると。

中に何かを見つけた。これは『腕時計』。それにこれは『常識書』。まさかラナが俺のために―。などと考えていると。


「お兄さん結局足治すのー?治さないのー?どっちなのー?」


「分かった。治す。お金は、まぁ分からないしミーナが自由に取ってって良いからなるだけ早く治せるように頑張って。」


「さすがお兄さんー。こんなに良いお客さんは久しぶりだからこれからはお兄さんの事『お兄ちゃん』と呼ぶ事にするねー。」


「恥ずかしいからやめて―。」


「じゃあ行くよお兄ちゃん。」


「いや人の話聞けよ。」


「『⚫️⬛️◼️』」


「なんて言ったんだ?」


「お兄ちゃんなんて言ったか分からないのー?」


「全く。」


「まぁそれより歩けるか試してみてよー。」


チカサは足に力を入れて、立てた。そして歩いてみる。


「歩けた!」


人生で初めてかもしれない。立って、歩くという当たり前の事に感動するのは。これでラナに追いつける。

ミーナには感謝しかない。


「ミーナありがとう。」


「どうって事ないよー。そのー、お金ってどれくらい持ってて良いのー?」


「半分くらいは持っていっても大丈夫だ。」


本当は全部あげたいがこれはラナに貰った大切なお金だ。少しは残して返さないと。


「じゃあ私はもう行くねー。お兄ちゃん困ったら私に頼りなよー。」


ミーナが部屋を出て行った。

「さて俺もラナを追いかけに向かうか。」と部屋を出て、外に出た。夕方になっていた。

「......ってどこにいるか分からないじゃん。」

何でわかると思ってたんだ。バカなのか俺は。そうじゃん俺バカじゃん。クソー。どうすればラナに会える?考えろ、考えろ、考えろ。そうだとりあえず。街の外を探してみるか。


意気揚々に街の外に向かう。寝たおかげか、体力は少しは回復していた。それにしてもラナはどうやってあんな事をしたんだ?やっぱり魔法か?街の外に出てラナを捜しに向かおうとしていた所に―、何やら人の集まりが出来ていた。人の集まりと言うよりかは、軍隊というべきか。


「これより剣豪捕獲作戦を実行する。その前に副団長と団長からお言葉がある。快くして聞け。それでは副団長お願いします。」


「私はアストラワン騎士団副団長アルタナだ。最近副団長になったばかりだが、私の事を信用してもらえるように精進する。」


まさかアルタナがあんなに偉い人だとは思わなかったな。俺は少しアルタナが苦手かもしれない。敬語とか礼儀とかそういうのを俺が基本気にしていないせいだと思うがそれ以前に―――


「それでは団長お言葉をお願いします。」


団長が出てくると同時に空気が重くなった。俺ですら分かるほどの空気の重さや団長と呼ばれる男の圧。周りの表情が変わったのが分かる。


「俺は、エンペーラートだ。この騎士団の団長だ。俺は剣豪を捕獲するよりも殺すつもりでやる。以上。」


周りの空気が静まった。だがここにいる人間で一人だけが静まっていなかった。むしろ騒がしかった。


「団長って言ったかおまえ。あんな化け物殺すのはやめた方が良い。絶対に殺せない。あいつは規格外だ。」


団長に向かい稚重は無謀にもアドバイスをする。苦しい目にあった稚重だからこそ言えたことだ。


「お前名前は?」


「俺の名前は、『秋葉稚重』。剣豪相手に一回生き延びた男だ。」


「そうか、名前は覚えといてやるよ。――剣豪を捕獲しに行くぞぉおおお。」


その瞬間騎士たち全員が「おぉおおう」と返事をした。チカサは団長が行くのを見送った。









23時間59分59秒

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。