↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霊能少女 麗奈 ―霊と対面する少女―  作者: 矢間カオル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/56

49話 キャンプ場 二

霊気を感じることのできる卓弥が、禍々しい霊気を感じると言った。


「えっ? じゃあ、さっきの光は霊のせいなのか……?」

卓弥の言葉を聞いた裕太が青くなり、震える声で言った。


「おそらくな」


「怖くなってきたわ。もう帰りましょうよ。」


「ああ、そうだな。」

春子の声を合図に、皆は山の斜面に背を向けて、車に向かって歩き出した。


その時である。


「ま、待ってくれ~」

背後から男の声が聞こえた。


「えっ? な、なんだ?」


皆が驚いて後ろを振り返ると、腰から下のない上半身だけの男の幽霊が宙に浮き、ふわふわと追いかけてきた。


顔は半分潰れ、血を流し、苦しそうにこちらに手を伸ばしている。


「ええっ?」

「わあー!」

「ギャー!」


春子と裕太と従兄が、口々に悲鳴を上げて走り出す。

私も卓弥も、皆と一緒に走った。


走りながら後ろを振り向くと、「待ってくれ~、助けてくれ~」と恨めしそうな声を出し、まるで私たちを捕まえようとするかのように、近づいて来る。


私たちは必死に走って、駐車場に停めてあった車に乗り込んだ。


「は、早く出して!」

裕太が従兄に出発を促した。


「ああ、わかってる……、あ、あれ? キーがない!」


「えっ、ええー!?」

これには皆が驚いた。


窓の外を見たら、上半身だけの幽霊がこちらに迫って来ている。


「ポケットの中じゃないの?」

「い、今探しているんだけど……」


従兄はズボンのポケット、上着のポケットとあらゆるポケットを探り出す。


「あ、あった!」

従兄が嬉しそうに鍵を手にしたそのときに、天井からドン!と大きな音が聞こえた。


「キャーッ!」

「ワーッ!」

春子と裕太と従兄の悲鳴が、車の中に激しく反響する。


音の後に、何かがフロントガラスに転がり落ちてきた。


フロントガラスにコロコロと転がり落ちてきたのは、男の生首だった。


顔が半分潰れて血にまみれた男の生首は、フロントガラスにへばりつき、中にいる私たちをギロリと睨んだ。


「ギャーッ!」


運転席に座っている従兄が、目の前の生首に驚きのけぞった。


「あ、兄貴、しっかりして! そうだ、ワイパーで振り落とすんだ!」

「わわわ、わかった……」


裕太の声で、やっと冷静になった従兄はキーを差し込み、ワイパーを動かした。


男の生首は、ワイパーに翻弄されたが、落ちることはなくずっと中を睨み続けている。


「だ、だめだ……、あ、そうだ!」

従兄が、思いついてワイパーの速度を上げた。


ワイパーの速度に振り落とされるようにして、やっと生首は転がり落ちた。


「兄貴、早く、今のうちに、車を出して!」

「う、うん」

従兄はやっとエンジンをかけて車を発進させた。


後ろを見たら、男の生首の幽霊がふわふわと追いかけて来たのだが、車のスピードの方が速くて、徐々に遠のき、とうとう見えなくなった。




そのまま車は山道を下り、ふもとの町までたどり着いた。


皆は恐怖で喉がからからになっていたので、レストランに入って休憩することにした。


席について、男の幽霊の話をしていたら、レストランのマスターが水とおしぼりを出してくれた。


「お客様、もしかして、男の幽霊を見たのではありませんか?」


「そうなんです。腰から上の幽霊で、生首の幽霊にも……。追いかけられてすごく怖かったです」

従兄が代表して答えた。


「そうですか。実はね、十年ほど前のことなんですが、近くでバラバラ殺人事件があったのですよ。犯人は、バラバラにした死体をキャンプ場の近くに埋めましてね。それから時々、身体がバラバラになった幽霊が出てくるようになったのです」


一気に、この場の空気が凍り付いた。

マスターが出してくれた水が、まるで氷のように冷たく感じるのだった。





私の友人の友人に、春子と同じ体質の人がいます。その人と一緒に行動すると、何故か霊に遭遇することが多く、不思議な体験をすることがあるのです。

「キャンプ場と霊」は、友人から聞いた話を元にしてアレンジした作品です。まるで信じられないようなお話ですが、実際に体験したことなのだと話してくれました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。