表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霊能少女 麗奈 ―霊と対面する少女―  作者: 矢間カオル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/56

35話 洋館 四

俺とじいちゃんが慌てて悲鳴が聞こえた部屋に入ると、春子が蹲って震えていた。


裕太と麗奈はしゃがんで「大丈夫?」と声を掛けている。


この部屋は、物置にでも使われていたのか、デーブルも椅子もない小さな部屋だった。


「どうしたんだ?」


「あ、あれ……」

俺の問いに、春子が震える手で指をさした。


俺が春子の指の先に視線を移したら、そこにあったのは、大きな鏡だった。


この部屋には家具らしいものは何も置かれていなかったが、壁に取り付けられた大きな鏡だけが残されていた。


「あ、あの鏡に、寝着を着た、き、金髪の、髪の長い女の人が映ってた……」

指を差しながら、そう言う春子の声は震えている。


俺は鏡の前に立って、じっくりと鏡を見たのだが、何の変哲もないごく普通の鏡で、俺の顔を映しているだけだった。


「今は金髪の幽霊なんて映ってないから、安心しろ」

俺は春子を安心させたくてそう言ったのだが……


「わ、私……、き、気分が悪い……、ううっ……吐きそう……」

春子が真っ青になって口を押えた。


「おい、大丈夫か?」

裕太が心配して、横から春子をのぞき込んでいる。


「ふむ……。この鏡から邪気を感じる」

じいちゃんは、まじまじと鏡を見つめている。


「あっ……、待って!」

突如、麗奈が声を発した。


麗奈を見たら、彼女は誰もいない壁に向かって手を伸ばしている。


俺には何も見えないが、そこに霊気を感じる。


「卓弥も一緒に来て!」

麗奈が何かを追いかけるように、部屋から出た。


俺もじいちゃんも、麗奈を追いかけた。


麗奈が階段を上って二階へと駆け上がるから、俺たちも彼女に続いた。


二階の部屋の前で、麗奈が止まった。


「彼女、金髪の女性が、この部屋の中に入って行ったわ」


「ほう……、部屋の中から禍々しい霊気を感じるわい」

じいちゃんが緊張した顔でドアを見つめた。


「俺も邪悪な強い霊気を感じる」

俺の背中に、冷たい汗が流れてくる。


「これは、除霊をした方が良さそうじゃな」

じいちゃんが、重々しい口調で言った。


「待ってください。彼女、何か言いた気な、とても悲しそうな顔をしていました。何か理由があるような気がするのです。私が話を聞いてみます」

麗奈がすがるような目で、じいちゃんを見た。


「しかし、この中は危険じゃよ」


「危険なときは、助けてください」


麗奈は壁を背に座り込み、そのまま眠ったようになった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ