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霊能少女 麗奈 ―霊と対面する少女―  作者: 矢間カオル


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27話 映画館 一

「ねえ、麗奈、超人気のあの映画、もうそろそろ見に行かない?」


春子から、お誘いのメールが来た。


春子が見に行きたがっている映画は、三年ほど前に制作発表記者会見が行われ、その時からかなりの話題になっていた映画である。


豪華俳優陣に、有名な監督と脚本家、主題歌は今を時めくレッドリップス。


映画が封切られてからも毎日満員御礼で、歴代の興行収入を上回ったとかなんとかって、ニュースでも大きく報じられていた。


私も興味はあったけど、人混みが苦手な私は、見に行くならもっと人が減ってからと、春子に伝えていた。


春子はそれを覚えていて、最近は見る人が少なくなってきたから、上映終了になる前に見に行こうと誘ってくれたのだ。




私と春子は映画館で待ち合わせ、10時半のチケットを買った。


見終わったら一緒にランチを食べる予定だ。


夏休みだから、混んでるかと思ったけど、別の映画がすごく人気だったこともあって、意外と客は少なかった。


だから、全席指定の映画館で、私たちは真ん中の良い席を確保できた。


「ポップコーン買ってくる!」


春子はルンルン気分でポップコーンを買いに行き、ポップコーンの芳ばしい香りを漂わせながら私たちは館内に入った。


私は映画は好きだけど、映画館は実はあまり好きではない。


子どもの頃、父親に子ども向けの映画を見に連れて行ってもらったことがある。


幼かった私には、生きている人間と霊の区別がつかず、映画館の中に入った瞬間、満員だなぁと思った。


全席指定の意味もわかっていなくて、席に座れない人がいても、そんなもんだと思っていた。


だから、あの人はずっと立ってるけど、しんどくないのかなぁとか、どうして、あの人は大人なのに、人の膝の上に乗っているんだろう?……とかそんなことを思いながら席についた。


上映時間になって照明が暗くなると、席に座っているあちこちの人から、ぼおっと暗い光を感じた。


さっき、不思議に思った膝に乗っている大人も、席に座れず立っていた人からも、暗い光を感じた。


私が人だと思っていたのは、霊だった。


満員だと思っていたけど、席に座っていたのは人間だけでなく、霊も含まれての満員だったのだ。


この経験から、私の場合、映画館では、暗くなった方が霊だとはっきりすることがわかったし、満員で、座る席がないと、霊は人の膝の上に座ったり、立ったままだったりすることもわかった。


だから私は、見たい映画があっても、すぐには見に行かず、人が少なくなってから見に行くようにしている。


今回春子と見に行く約束をした映画は、三ケ月前に封切りされた映画であるが、人気が出ることがわかっていたから、


「行くなら、夏休みになったくらいが、人が少なくなってちょうどいいんじゃない?」

なんて話していたのである。



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