24話 こっくりさん 一
ラーメン屋の除霊式から四日後、卓弥から電話がかかって来た。
「麗奈に見てもらいたい子どもがいるんだ。一緒に来てくれる?」
私に見てもらいたいことなんて、きっと霊視のことだろう。
「私が霊を見れることは秘密にしているんだけど、それは大丈夫なの?」
「麗奈も、知り合いにそういう人がいたとかなんとか言って、適当にごまかせば、たぶん大丈夫だろう」
「それって、ちょっと無責任じゃない?」
私は軽く反論はしたけれど、とりあえずは話を聞くことにした。
卓弥の友人から、「妹が、こっくりさんで遊んだために呪われたから、何とかして欲しい」と、連絡があったのだそうだ。
その日、小学校4年生の妹は同級生の家に遊びに行き、話が盛り上がった結果、こっくりさんで遊ぶことになった。
二人の人差し指を添えた10円玉が自由に動き回り、質問に次々と答えてくれたんだけど、最後の質問で、10円玉が動かなくなった。
遊ぶのを止めようと思って「こっくりさん、お帰りください。」とお願いしても動かない。
「終わっても良いですか?」と聞いても動かない。
ほとほと困っていたら、友人のお母さんの声が聞こえた。
「ちょっとお願いがあるんだけど、来てくれない?」
「うん。わかった!」
友人は、いとも簡単に指を離して「じゃあ、これで終わりね。また遊ぼうね」と言って部屋から出て行った。
部屋に残された妹は、泣きながら帰ってきた。
「どうしよう……、こっくりさんに呪われる……」
妹は、ものすごく不安がって涙が止まらなかったそうなのだが、異変はその後に起こった。
夕飯ができたから、母親が皆に呼びかけたが、父と兄と弟は来たが、妹だけが食卓に現れない。
兄である卓弥の友人が部屋まで呼びに行くと、妹はベッドでちょこんと座っている。
「おい、夕飯だぞ。早く来い。」と声を掛けたら、
「コンッ!」と妹が返事した。
両手を前にちょこんとそろえて出し、まるで狐のようになっている。
「おい、何ふざけてるんだ?」
「コンッ!」
結局何を言っても妹は狐のままで、ベッドから離れようとしなかった。
家族の皆が心配して妹に呼びかけたが、元に戻ることはなかった。
このままでは、何も食べられなくなってしまうと心配した母親は、食べ物を妹の部屋まで持って行ったのだが、まったく手を付けようとしない。
しかし、誰もいなくなったら食べることがわかったので、母親は、朝昼晩と妹の部屋に食事を運び、食べ終わった頃を見計らって食器を片付けに部屋に入っている。
食事以外の時間は、母親が必死になって妹に話しかけているのだが、妹はいつまでたっても狐のまま。
今は夏休みだから学校に行かなくてもいいけど、二学期になってもこのままだと大変なことになる。
だから、卓弥の力を借りたいと、友人から相談されたのだ。




