表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/78

062 番外編 【速報】ランスロット逮捕&シャルルマーニュ十二勇士に性別詐称疑惑

 今入ってきたニュースです。


 アーサー王の円卓の騎士で最強と言われ、「湖の騎士」の異名をもつランスロット氏が逮捕されました。ランスロット容疑者は、同僚のケイ氏と同じ城に逗留した際に、武具を盗んだ窃盗の疑いが持たれています。


 同容疑者は調べに対し、「ケイが寝坊したから悪戯いたずらのつもりだった。代わりに自分の武具を置いてきたから冗談で済むと思った」などと供述しており、大筋で容疑を認めています。


 またランスロット容疑者は、他にも荷車に乗る奇行により円卓の騎士の品格を貶めたこと、偽名を使って馬上槍試合トーナメントに出場した経歴詐称疑惑に対する批判も相次いでおり、騎士に叙任したアーサー王の任命責任が問われるのは避けられないものと見られます。


 これに対し王は、「まことに遺憾だ。円卓の騎士にはコンプライアンスを徹底し、襟を正して職務に励んでほしい」とコメントしています。

 任命責任に関しては、「ランスロットは騎士タークィンを討ち取るなど多くの武勲を挙げており、その指摘はまったく当たらない」と、自らの人事に問題はなかったと強調しました。反対派は「近日中に正式なコメントを発表する」としており、今後の経過が注目されます。


 ニュースをお伝えしました。


 ━━━━━


 ここからは芸能ニュ~ス!


 今日の特集はコレ! シャルルマーニュ十二勇士の性別詐称疑惑!


 週刊誌の記事によると、「トランプにおけるハートのキングがシャルル皇帝ということは、残りが十二勇士を指していることは明らか。そしてトランプにはクイーン、すなわち女性が一人おり、十二勇士の誰かが男装の麗人と思われる」とのことです。


 誰がどのカードかは様々な憶測が飛び交っていますが、シャルル皇帝がキングということは、叙事詩「ロランの歌」で主人公であるロラン氏はエースで該当しないとの見解は共通しているようですね。


 逆に怪しいと見られているのは、常に一緒に行動しているジェラン氏とジェリエ氏のどちらか、あるいはエース、キングに次ぐ三番手はこの人だろうということで、ロラン氏の婚約者オード嬢の兄オリヴィエ氏が挙げられています。


 三番手はチュルパン氏で、オリヴィエ氏はイメージ的にジャックとの意見もありますが、チュルパン氏は大司教なので騎士でなく聖職者であり、十二勇士とは別枠で関連は薄いと見られます。


 あ、インタビューの映像がきました。


 ━━━━━


 ジェラン「事実無根のデマだよ。まったく荒唐無稽な話さ。僕たちが女だと主張する想像力豊かな人たちは、英雄が女体化されてるトレーディング・カードゲームのやりすぎじゃないのかい?」


 ジェリエ「そもそも君たちは、我々の装備が何キロあるか知っているのか? 剣に槍、兜に鎖かたびら、盾……。とてもじゃないが、女性の体力じゃ無理だと思うね。まあ東の島国ジパングでは、鎧を着て馬を乗り回す女傑もいるらしいが……」


 オリヴィエ「このような噂が立つのは、近年女性の社会進出が盛んになり、『女性でも男性と同じ職場で活躍できることを証明したい』という意識の高まりと無縁ではないでしょう。また、シャルル皇帝の側近がみな男性であることに対し、『女性の意見を聞く機会が損なわれている』と批判的な意見があることも承知しています。しかし、根も葉もない噂で混乱を招くのは、厳に慎んでいただくようお願い申しあげます」


 ━━━━━


 台本どおりというか、当たり障りのないコメントですね。わが芸能班は、トランスジェンダーの可能性も含めて、引き続きこの件を追っていきたいと思います。


 それでは、また次回でお会いしましょう。ご視聴ありがとうございました。

タークィン

円卓の騎士に討たれた弟の仇討ちのため、アーサー王の騎士を片っ端から打ち倒していた豪傑。弟の敵だったランスロットに敗れて死亡するが、間違いなく作中最強クラス。


シャルルマーニュ十二勇士

顔ぶれには諸説あるが、ぶっちゃけロンスヴォー峠の戦いでは「武勇のロラン、知略のオリヴィエ、まとめ役のチュルパン」の三人だけ覚えておけばOK。後はモブと大差ない。


チュルパン

十二勇士のひとりとする異説あり。聖職者なのにメイスを使わず槍を振り回す破戒坊主。異教徒相手に血の雨を降らせて無双していたあたり、汝の敵を愛するつもりはないようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ