表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
61/90

061 愛と殺意は紙一重!? 怖いよヤンデレラの皆さん!

 ファンタジー小説にヒロインはつきもの。で、ファンタジーに限ったことではないのだが、ヒロインの属性に「ヤンデレ」なるものがある。


 愛が重すぎて心を病んでいる女性のことらしい。それとシンデレラをかけて病んデレラ。


 この単語、使われだしたのは近年のようだが、こういう女性は神話伝説の昔からいた。今回は、独断と偏見で「大昔のヤンデレヒロイン」を三人ほど紹介してみたい。


 ①サロメ(新約聖書)


 ビアズリーの挿絵でも知られる、オスカー・ワイルドの作品でも有名な人。とある王の娘で、隠者に求愛するものの拒まれ、彼に狂的な愛情と執着を持つ。


 王の前で舞い、その褒美として隠者の首を所望。王の度重なる説得も空しく隠者は処刑され、変わり果てた姿となって銀のトレーに乗せられてサロメに供せられるのだ。

 そして恍惚の表情で、生首となった彼に口づけするのである。もう完全にいかれてるよこいつ……。


 このクライマックスのシーンはビアズリーの絵筆も冴え渡り、その妖艶さと狂気は見る者を幻想の世界へ誘う。直接人を殺してはいないが、ヤンデレラの資質十分といえよう。いやそんな資質いらないんだけど。


 ②乙姫様(日本昔話)


 皆さんご存じ、亀を助けた浦島太郎を竜宮城でもてなしてくれた乙姫様。意外かもだが、私はこの人もヤンデレだと思う。

 なぜなら玉手箱は、本によっては「決して開けてはなりません」ではなく「また竜宮城に来る気があるなら開けてはなりません」と言って渡されるからだ。


 つまり戻る気がないなら開けてもいいということ。そして開けた浦島は老人となる。ほどなく死んだろう。


 思うに、彼女は浦島が竜宮城から去るのが「一時的な里帰り」ないし「また会いに来る」ならいいが、「もう戻らない」つもり、自分を捨てるなら殺す気だったのではあるまいか。そうすれば永遠に自分だけのものだから……


 浦島の遺骸はどうなったのだろう。亀が竜宮城に運んだのだろうか? そして仕返しに魚の餌にされたか、それともオブジェのように飾られ、夜な夜な乙姫様が愛でているのか。まさに狂気の愛だ。


 異説では竜宮城とは遊廓の隠喩で、玉手箱の中身は請求書ともいう。また遊びに来やすいように金額は伏せておくってこと? どっちにしても怖いよ。


 ③メデイア(ギリシャ神話)


 さあついに古代ヤンデレ界の真打ち登場だ。いや出てこなくていいけど。


 王女にして魔女。宝を取りに来た勇士イアソンに一目惚れして父を裏切り、そのまま愛しい彼に従って逃亡者となる。


 追っ手の艦隊が迫ると、なんと同行していた(合意のうえか人質かは不明)弟を殺して切り刻み海にばらまく暴挙。愛の逃避行を阻むやつはみんな敵だ。そして追っ手が亡骸を拾っている間に悠々と逃げおおせた。その後も愛しのイアソン様をいびったやつを謀殺したりとやりたい放題。


 しかし、彼女の愛は重すぎた。疲れたイアソンは、次第に別の女性に心を移す。癒しが欲しかったのだ。

 それを知ったメデイアは「愛ゆえに生まれたものは、愛が失われれば消えねばならない」と、彼との子供らを殺害して去ってゆく。


 直接の親族殺しをためらって他者に決行を頼む者が多いなか、弟も子供も平気で手にかけたメデイア。イアソンを殺しこそしなかったけど、彼女こそクレイジーヤンデレラのチャンピオンだ。


 なお彼女の出番はこれで終わりではなく、のちにテセウスのエピソードで、彼の父親の後妻として再登場する。あんなに愛したイアソンを忘れて新しい男こさえるあたりが妙に生々しいが、それが己を捨てた恋人への復讐だったのだろうか。


 かけ足で紹介してみたが女って怖い。世の男性陣は、ヤンデレヒロインと関わるのは二次元だけにしておこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ