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037 謎のオーラバトラー、アルダム

 第七回と第十回に続きダンバインを語ってみたい。といっても今回はPSで発売されたゲーム「聖戦士ダンバイン・聖戦士伝説」から。前にもまして脱線気味の内容なので、遠慮なくスルーしてかまわない。


 さてこのゲーム、序盤にロボットや戦艦など、オーラマシンと総称される兵器を導入するか否かの選択肢がある。具体的には……


 ①自前のロボを開発する

 ②最初にメカを作ったドレイクから必要最低限だけ購入

 ③オーラマシンは世界の秩序を乱すから手を出さない


 の三択。なおドレイクから購入できるのは、彼は下克上の資金調達のためマシンを売却しているからだ。


 普通なら選ぶのは①だろう。プレイヤー的には、ロボットアニメを原作とするゲームならロボに乗って戦いたいし、作中の理由なら、国を守るためには他国との兵器開発競争は避けて通れないし。


 で、①を選んだあとの台詞によると、自前の機種を開発するためのサンプルとして、リの国はドレイクから何機かロボを購入する。当然、できあがるのは買った機種、具体的には当時ドレイクが運用していたゲドか、あわよくばその次のドラムロの流れをくむ機体のはずだが、完成したリの国独自のマシン、アルダムは……


 え? これダーナ・オシーじゃね?


 そう、アルダムは全体のシルエット、左右の手に持った武器、さらには色に至るまで、ドレイクと敵対するギブン家が開発、運用しているロボット、ダーナ・オシー(以下ダーナ)に酷似している。なんでゲドをベースに開発したはずなのに、こんなのができるんだ。


 メタ的な理由なら、原作で主人公陣営の機体であるダーナに似せたのだろう。このゲームは原作の主人公たちと共に戦うロウルートと、原作でラスボスポジだったドレイクにつくカオスルートがあるが、多くのプレイヤーが――少なくとも一周めで――選ぶのは前者だろうから。


 シーラ様がいるもんね!


 でも作中の理由をこじつけるなら……やはり、ダーナを運用していたギブン家とも何らかの関わりがあり、アルダムはゲドだけでなく、ダーナも参考にしたと考えるのが自然かと思う。


 リの国は強獣きょうじゅう(怪獣みたいなの)やガロウ・ラン(蛮族)との戦いで、幾度となくドレイクと共闘している。ギブン家からすれば政敵と接近しているわけで、これは放置できない。


 思うに、リの国が独自機種開発に着手したと知ったギブン家の方から接近し、ダーナのデータをいくらか提供したのではなかろうか。むろん無償の善意ではない。恩を売り反ドレイク陣営に取り込むためだ。


 事実、ギブン家はドレイクと対立する陣営にダーナを提供している。それをもとに開発されたのが、ラウの国のボゾンだ。リの国にダーナをまるごと一機くれなかったのは、この時点ではどちらにつくか不透明だったからかもしれない。


 また、別の理由もあろう。ドレイクへの牽制である。


 下克上の対象であるフラオン王本人を例外として、ドレイクがアの国を簒奪せんとする野心を持っていたことは、皆が知っていた。つまり、あえてダーナそっくりの機体を作り「うちはあなたと敵対する陣営とも関わりがありますよ~、もしうちに仕掛けてきたら彼らと協力してブチのめしますよ~」と、ドレイクに警告する意図があったのではないか。かくしてアルダムはあんなデザインになったのだ。


 これは私個人の暇潰し、くだらぬ妄想にすぎない。が、ゲームに出てくるメカのデザインひとつとっても、各陣営の思惑や、水面下の戦いが見え隠れするようで面白い。


 ゲームは攻略サイトを見て効率的にクリアするのもいいが、たまには自分なりの考察をして、物語の世界に心遊ばせてみよう。きっと、作品がいっそう味わい深いものになるはずだ。

余談ですがこのゲーム、オーラマシンを使わないルートを除いて難易度は低く、パイロットのレベルや強化パーツしだいではアルダムでも最後まで戦える、なんなら無双できます。つまりサーバインやズワァースに最強装備をさせたら……もう戦う敵が可哀想になってくるレベル。

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