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彩加の日記1

1日目


今日からやっと『冀望~創生への序章~』プレイ開始です。

やったー。

水晶にメモ機能が付いてたので、今日からプレイ日記を書こうと思います。

まだ、危なくてダンジョンの外に出れないから小さな穴からしか外が見えないけどすごいよ。

植物園と動物園が一緒のようなところ。

木とか草とかが生えていて、小さな動物達が歩いてるの。

半透明の結界がちょうど自分達と展示動物・植物を隔てる強化ガラスみたい。

地面に敷き詰めたれている茶色いものが土なんだって。

昔は土に植物が根を張ってたんだって。

知らなかった。

小学校の頃に行った植物園では、青の栄養剤入りのジェルが敷き詰められてたけどな~。


それにしても、薫ちゃんとプレイするって決まってからの1週間は地獄だったよ・・・


そうだ。これからお父さんの呼び方は薫ちゃんで統一します。

ゲームの中では父娘ってこと内緒にする場合もでてくるだろうから名前呼びにしたほうがいいって薫ちゃんが言いだしたの。

確かにそうだよね。

薫ちゃんも、もしかしたらココで恋人できるかもしれないしね。

薫さんか薫ちゃんで最後まで悩んだけど、やっぱり薫ちゃんのほうがしっくりくるかなって思って薫ちゃんって呼ぶことにしました。

なんか、薫さんだと知らないおじさんみたいだしね。

日記の中でも薫ちゃんで書いちゃうことに決めました。

頭の中でずっとお父さんって呼んでたら、とっさの時に”お父さん”って呼んじゃいそうだもの。


それにしても、なんで、薫ちゃんはゲームの中で受験勉強するって発想するかな?

でもでも、『冀望~創生への序章~』に降りたってしまったら関係なくなるよ。

薫ちゃんは最後まで紙とペンをパルムさんから購入すること悩んでたけど、諦めてくれてよかった。

でも、なんか不穏な気配を感じる。

今も薫ちゃん、岩の塊を『補助魔法・強化』をかけた石で削っているし。

なんか、細かい溝掘ってるよ・・・。

ないわ~。なんであんな細かい作業できるかな?

そもそも、『補助魔法・強化』はそうゆう使い方するものじゃないと思うんだ。

身体にかけるものだと思うよ、私は・・・。




2日目


やっと昼御飯、ちょっとまともなものが食べれました。

うれしー。

昨日、パンを食べたときは思わずログアウト考えちゃったよ。

硬いし、口の中の水分全部持っていかれちゃうし。

あんなにお水をがぶ飲みしたの始めてかもしれない。

昨日は魔法で倒した魔物(?)は、すべてそのまま放置しちゃってたけど、食料として回収が必須な事が判明。

あの硬いパンしか食べれない生活なんてありえない。


夜のうちに薫ちゃんがナイフの柄にツタをくくりつけてくれたので、それを使って獲物を回収。


でも、私が採取したツタとか植物ってあんなにあったっけ?なんか部屋の隅にいつの間にかカゴまで出来てるし。いろいろ積んであるし・・・。


それよりも、投げナイフ。無茶苦茶難しい。

まず獲物に当たんない。当たっても突き刺さってくれない。

やっと昼前に突き刺さってくれるようになったけど、途中で魔物(?)に横取りされたるするし。キツネみたいなヤツよ!覚えててよ、絶対復讐してやる。

私が走って回収したほうが、絶対早いって。

薫ちゃんは危ないからって許してくれないけど・・・

回収したら回収たで炭化してて食べられないし。

薫ちゃんが骨で出汁をとってくれて、炭化してない肉と薬草でスープ作ってくれた。

美味しかった~。


そもそも、薫ちゃんの『水球』がないよね。

せめて『水塊』とか『氷塊』とかならましだったのに。

それも、呪文買うお金なかったから、魔法書についてた呪文しか唱えられないし。

『集え 水球』って、水が丸い球になって出現するだけじゃん。

『水球』って飛ばして当てて初めてダメージ出るんじゃないの?

あれじゃ、『生活魔法・水』とかわんないよ。

『水球』魔法、当たっても魔物(?)、普通に逃げちゃうし。

私の『火炎』は、二発当たったら仕留められるんだよ。

夕方ごろには、一発で仕留められるようになったんだよ。

薫ちゃんも、とうとう窒息狙いでいくし。

顔の部分に『水球』発動して、消えかける頃に再度発動・・・繰り返しで、窒息死?水死?狙い。

そりゃ、初級魔法は制限無く魔力がある限り発動できるけどね。

でも、だぶんそんな使い方する魔法じゃないって・・・

私が仕留めた獲物より断然、食べるところ多くなるから文句は言えないけど。


それと!

解体の前に血抜き?っていうのをするんだけど、その時の取れる血を飲めば、種族スキルの『吸血』によるバットステータスは付かなくなるみたい。

よかった~。一安心だよ。

私が血を分けるのかって、内心困ってたんだよね。

首筋に牙をあてて血をすすられるんだよ。

絶対、性的な意味合いも含まれてるよね。

ないない、ありえないよ。




3日目


外出たい。

あきたよ~。

『火炎』スキルばっかりレベルアップしてる。

目指せ疾風の二刀流美少女戦士。

いや、自分で美少女っていっちゃったらなんだけど・・・

そういえば、初日に洞窟の入り口から外見て、「まぶっし」って思わず言っちゃってた薫ちゃんは、確かに美人だった。

光を浴びて微かに顔をしかめる薫ちゃんは、本物の吸血鬼みたいでちょっと笑えた。

もともとシャープなすっきりとした顔立ちなんだよね。

眼鏡かけたら、漫画やアニメに出てくるエリートサラリーマン!そのまんま。

ドラマに出てくるエリートサラリーマンの俳優さんより断然かっこいいし、似合ってる。

だから私は知的なかっこいい大人の男の人が出てくるドラマは苦手。

断然、お父さんの方がかっこいいもの。比べちゃうのに気がいっちゃってストーリーが頭に入ってこないよ。

私は、お母さん似の卵型。

確かにお母さんも美人だけど、同じ美人なら顎のラインが三角形ですっきりしているお父さんに似たかったな。

マンションの奥様の間では、お父さん派とパパ派に分かれているらしいよ。

お父さんの、あの澄ましたアルカイックスマイルがクールでかっこいいんだって。

3階下のおばさんは、爽やかなパパの笑顔がいいって言ってた。

私も、おばさんに一票かな?

お父さんの事は・・・私に見せてくれる本当の笑顔はもちろん好きだけど、あの社交辞令的な笑顔は好きになれないかも。

その点パパの笑顔は本当に爽やかで裏表がなくて、私ですら可愛いって思えちゃうものね。

お父さんは、私やママ・パパとかの身内に対する態度とその他に対する態度が天と地ほどの差があるんだよね。

パパは、ママとちょこっと私とお父さん、後はそれ以外なんだよね。

でもその差はあんまりない感じ。ママが飛びぬけてて、他はお団子状態とも言うのかも。




4日目


今日はご機嫌です。

なんと、なんと、初!魔物ゲットです。

今までのは動物分類だったみたい。

そりゃそうだよね。魔石出てなかったもの。

魔石、真っ赤でキラキラして綺麗。

同時に毛皮もゲット!

真っ白でフッカフカ。

薫ちゃんが、『一角兎』の脳をすり潰して煮込んで塗りこんでたの知ってるから、使うのチョット躊躇っちゃったのは内緒。

1日目に、細かい溝を彫っていた岩塊は、どうやらすり鉢だったよう。

まだ、木が手に入らないからすりこ木の代わりに石を使うんだって。

すりこ木って何?

そして、この皮の処理方法を脳漿なめしって言うんだって。

むかし、むかし・・・想像もつかない昔の人たちがしてた方法なんだって。

皮はなめさないと腐敗したり硬くなったりするんだって。

このフカフカがなくなるのは悲しいから、見なかった事にしました。


でも、それよりなにより、レベルが上がったのが嬉しい。

昨日までも確かに上がってたよ。一日に1づつ・・・

でも、今日は一気に5まで上がりました!

でも、これって多分、攻略組みっていわれる人達の初日のレベルだよ。

まだまだだね・・・ orz

普通だったら、もう15ぐらになってるはずだよ。だぶん。




5日目


今日も外に出られなかったよ。

でも、薫ちゃんが、『一角兎』を一撃で倒せるぐらいになったら出ていいって言うから、頑張っちゃいました。

なんと倒せちゃいました!

そして、なんとなんと、『一角兎』よりレベルの高い『キッコ』っていう切り株ののような魔物も倒せちゃいました。

『キッコ』の時は、ちょっとずるして半分横取りだけど、薫ちゃんが喜んでくれたからいいんだ。

焚き木をするのにツタやツルだけじゃ足りないから助かるんだって。


そういえば、初めて火ってものを見たよ。

内心、『生活魔法・火』って何に使うんだろうって思ってたんだ。

初日に薫ちゃんが実践してくれて目からウロコ。

確かに、調理するには必要かもね。火って。

この世界、熱源ないし、そもそもレトルト食品ないし・・・あっても加熱方法ないだろって言われて納得。ずっと、あの硬いパンを食べ続けるなんてありえない。


『生活魔法』、実は薫ちゃんが煙草を吸う為だけに取ったスキルじゃないかと疑ってたんだよね。

薫ちゃんは、実はヘビースモーカー。私の前では絶対吸わないし、臭いも感じさせないけどね。

パパが言うには、ジッポっていう昔々の火をつける道具を愛用してるんだって。

そのジッポ、高級車、1台ぐらいは余裕で買えるらしいよ。

薫ちゃんもパパも、変なこだわり派なんだよね。


赤いものがゆらゆら揺れてきれいだから、近づいてみたらびっくり。

火って、近づくと熱いんだよ。びっくりした。

で、薪と空気があれば燃え続けるらしいんだけど、私、そのままツタを入れたらすっごい煙が出て、部屋の中に煙が充満して咽て苦しかったよ。

乾燥してない木なんかをいれるとそうなるんだって。勉強になったよ。


それにしても、薫ちゃんはマメだ。

確かに昔から私の世話は全て薫ちゃんがしてくれてたけど、私が小学校の高学年になったら離婚したから、ここまでマメだったとは全然気がつかなかった。

本当はママはもっと早くに離婚する気だったみたいだけど、せめて私が1人でお留守番できるようになるまでは心配だからって薫ちゃんが離婚を渋ってたんだよね。

「いくら家の中がオートメーション化して自動ですべてしてくれるからといって、機械任せにするのはどうかと思ってたんだよ。

かや乃は全部、機械任せにするつもりだったみたいだけどね。

まっ、彩加もそれの方が、かや乃が育てるより断然まともに育っただろうけど。

本当に薫さんが離婚を思いとどまるようかや乃を説得してくれて良かったわ~。」

っておばあちゃん、しみじみ言ってたよね。自分の娘のこと信じてあげてよ。

その時は、別に今の生活と変わらないし、お父さんとお母さんが離婚してようとしてまいと、どっちでもいいって思ってたけど・・・

薫ちゃんの、このマメな様子見てたら、私は快適な幼少期を送らせてもらってたんだなって実感したよ。

今でも月の半分は薫ちゃんがご飯運んできてくれるしね。

でも、これって珍しいことらしい。

最近知ったんだ。仲の良い子達に聞いても、みんな外食かレトルト食品だって。配給って言う子もいたな。

家で誰かが作るより断然美味しいし、手間がかからなくて楽って。

なにより、衛生面と栄養管理の面で政府が配給食品を推奨してるもんね。


で、今日、薫ちゃんが土に埋めてなにやらしていた雑草が布に変身しました。

よく解らないけど、雑草の茎の表皮に付いた繊維を使って機織?って技術の応用で作ったんだって。

本当は機織機っていう機械で織っていく物なんだって。

それも、びっくりすることに、機械といいながら人力で動かしていたんだって。

そんなことしてたら、いくら人がいても足りないよね。

本当に昔の人の生活は驚くことばっかりだよ。




6日目


やっと外にでれました。

でも、まだまだ不安だから、木の上での移動です。

薫ちゃんは・・・。

『吸血鬼』なんかにするからだよ。

木の上で、けだるげに座って指示を出すだけでした。

夜は『クック』に襲撃されて逃げ帰ることになったし。全然、役立たず。

反対に私は働き者!

そして、ツリーハウスもどきが完成しました。

初めて斧って物を使ったけど、結構いい感じだったと思うよ。

少なくとも、役立たずの薫ちゃんよりは。

木の上に作った家をツリーハウスって言うんだって。

昔の男の子達の憧れの秘密基地だったんだって。

ふ~ん。って感じ。

そもそも、私達の生活空間に樹木ってないし。

なんで、不便な生活をわざわざしたいって思うんだろう?謎~。


そして、本日の薫ちゃんの製作品は、紙でした。orz

まだ、紙のこと忘れてなかったよ薫ちゃん。

そりゃ、記憶力いいもんね。

パパが使ってる紙より表面が粗くて凸凹してて、薄緑の色をしているの。

パパも変り者だよね。

今時、紙で執筆活動するとか、ないよね。

紙を買うより端末買うほうが安いって愚痴るぐらいだったら、端末で書き込めばいいのに。

そもそもペンを使って書くとか、慣れないんだよね。

パパの影響で興味あって、ペン字って授業選択してみたけど、ペンを持ってわざわざ書くとかありえない。すぐに腕がつかれるんだよ。

日記書くのは、さすがに端末に手で入力するけど、後は音声入力の方が断然楽だよ。

まして、手書きなんて・・・

薫ちゃん、紙作ってどうするんだろ。

やっぱり、使用方法はアレしかないよね。

「インクが出来ませんように」って祈るしかないよね。




7日目


レベルが一気に上がりました。

半日かけて『ウッシー』なる魔物を仕留めました!

薫ちゃんの『鑑定』で名前がわからなかったから、かなり高位な魔物だったんだよ。

そして、『ミルク』が手に入ったことにより、ミルクシチューが食卓に上りました。

うれしー。久々のまともな食事。

硬いパンがなんとかなったよ。

鶏がらのスープも美味しいけど、パンを浸すにはイマイチなんだよね。


それにしても、なんで薫ちゃんは未だに『鑑定』のレベル上げしてるんだろう?

必要のないスキルを運営もわざわざ作らないだろうって言ってたけど、世の中には役に立たない特技っていっぱいあると思うんだ。スキルって結局、特技のことだと思うんだ、私。

口に拳を入れるとか、変な方向に指が曲げられるとか・・・必要ない特技って山のようにあるよ?

たぶん、『鑑定』もそのレベルだと思うよ。

全然役立たずだもん。




8日目


外の探索は楽しい。

レベルも順調に上がってきたし。

まだまだ油断はできないけれど、ちょっとぐらいなら地上に降りれるようになったし。

土ってやわらかくて不思議な感じ。

凸凹してて、たまにつまずいたりする。

色々VRゲームしてきたけど、こんなの初めて。

だいたいは現実世界と変わらない景色だったり、たまに植物とかあっても地面はコンクリートで平らだったし。

早く慣れないと、戦闘中に転んだりしたら大変。なにより恥ずかしいしね。


薫ちゃんは、物理攻撃を何にするか悩んでる様子。

魔法攻撃だけじゃダメなのかな?

彩加を守れないだろって・・・後衛に守られる前衛って、ありえないから。


今日の薫ちゃんは、なにやら大量に罠を作りました。

色々な場所に設置して、もう少し効率的に狩りをするんだって。

あれ?私達の目的は、食料を得ることではなくて、魔物を倒してレベルを上げることだと思うんだけど・・・。


それと薫ちゃん、植物園で見た『ヤツデ』みたいな葉っぱを大量に採取してる。

なにに使うんだろ?

それにしても、採取した葉っぱが『雑草7』だったことに薫ちゃんはあきれてたけど・・・

うん。ソレはあきれてもいいレベルだと思うよ、私も。




9日目


とうとう薫ちゃんが保存食作りとやらに乗り出した。

大量に手に入るようになった魔物が普通に食べるだけでは処理できなくなったらしい。

腐るんだって。

ゲーム用語で耐久値ね。いや、現実世界でもそうだけど。

食べれるか食べれないかって冷蔵庫が勝手に判断して破棄してくれるものじゃないの?

そもそも、冷蔵庫が管理してくれてるんだから、食べれなくなることがあることの方が不思議。

焚き木の煙で燻すとか、よくわからない煙を出してるフライパンが裏返しに乗ってるボールとか大丈夫なの?

本当に食べられるのかな?

数日前の『ウッシー』の燻製(?)は、硬くて食べられなかったよ。

歯が折れるかと思った。

これが、痛いってことなのかな?


そして、ベットを作ってもらっちゃいました。

枝の上に昨日採取した『雑草7』を乾燥して敷きつめてくれたの。

硬い石の床より断然寝心地良くなったよ。

毛皮も増えて掛け布団や敷物になったし、ラッキー。

だんだん快適になっていくから嬉しい。




10日目


とうとう明日、結界が消えます。

結界が消えるとどうなるんだろうね。


薫ちゃんは武器をナイフに決めた模様。

なんか、ウケ?にかかってた魚とかをナイフで捌いてたら、『短剣』スキルが取得可能になったらしい。

調理してたのが攻撃判定になってたみたい。

そりゃそうか。ちゃんと経験値入ってたもんね。

でも、格闘とナイフを併用していくらしい。

『一角兎』と戦ってるの見たけど、痛そうだった。

罠にかかってた『モッモ』に頭突きされた時は涙が出るほど痛かったよ。

生命力は、ほとんど削られていなくて、あの痛さだよ。

蹴ったら自分の生命力も少し減るって言ってたけど本当に大丈夫かな?


でも、紫の牛柄レザーマントは’ない’から、薫ちゃん。


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