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第10話 勇者たちは黒之魔女に翻弄される②

     3


「……んくぅ♡」


 ビクビクと身体が跳ねるように刺激が襲ってくる。

 おかしい。

 そもそもウチはこんな感覚に襲われることはそうなかったのに……。

 何か、今日のウチの身体は絶対におかしいわ……。


「ハァハア……♡」


 甘い吐息を漏らしながら、大きく肩を揺らす。

 心拍数も上昇している。どうして、こんなことが起こるの……。

 て、ここ部室なんですけど!?

 ピュッ!!!


「あふぅ♡」


 ヤバいものが漏れてきた……。てか、もしかして、ウチ、イったんかいな!?

 てか、マジでヤバいのに……。

 だって、ここ、部室なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!

 きっと、変な声が響いていたら、また変な噂立てられるやん!

 オカルト女とか言われているのは知っているけれど、オカルト女が部室で自慰オナってるとか絶対に噂されたくねぇー!

 それだけではない。

 騒ぎを聞いた先生たちがきっと部室に乗り込んでくるはずだ。

 ウチが早くこの状況を何とかせぇへんかったら、マジで呪術・法術愛好会がなくなってしまう!

 折角、「近しい存在」がみんな記憶を取り戻して、再び集まれたというのに、部活が潰れてもぉたら、意味があらへんやないか。

 絶対にこんなんでウチは諦めへんで!

 あ、あ、あ、でもぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉ………


「だ、だめぇ……き……きちゃ……う……♡」


 身体の中をもぞもぞと何かが蠢くように、身体の芯を刺激される。

 何だか、目の前がチカチカし始める。

 背を仰け反らせて、指で繊細な部分を攻め立てる。

 て、違う!

 触らなければいいのよ! そうすれば、身体が律義に反応することもないのに!

 が、本能とは恐ろしいもので、その手を除けようにも、一度、その快楽の味を知ってしまったウチの身体は、そんな素直にやめようとはしてくれない。

 と、ウチはその時に気づいた。

 廊下を誰かが歩く足音が近づいていることに。

 部室棟の5階なんてほとんどの部室が使われていない。

 もはや、同好会もほとんどなくなり、呪術・法術愛好会しかない。

 てことは、ウチの部屋に来るのは確定しているようなもの……。

 でも、走り始めた快感はブレーキを持っていない。

 

 ―――止めなきゃ!

 ―――気持ちいい!

 ―――止めなきゃ、ダメだから!!

 ―――もう、本気でふっとんじゃう!!

 ―――もう溺れちゃおうかな……

 ―――最高の気持ちいいを味わいなよ!!!


 いつの間にか理性が崩れ落ちてきているのが、自分でも手に取るように分かる。

 このままじゃ、絶対に見つかる……!

 そして、この学園生活、何よりも神楽とお別れしてまうんや!!


「……もう! その気持ちよさ、走り抜けんといてぇぇぇぇぇぇぇ………」


 ビクンビクンッ!!!

 大きく仰け反り、ブリッジのような体制になって、絶頂してしまう。

 と、同時に聖水が一吹きする。


 ―――もう、アカンやん……


 ウチがそう思いながら、そのまま床に崩れ落ちるときにドアが開く。

 ぺちゃぺちゃ!!!


「うわぁっ!?」


 ああ……。聖水がかかってしもうた。もう、終わりやわ……。


「な、何ですか……これ……。て、藍那先輩!?」

「……あ、あれ? 神楽くん?」

「え? あ、はい。俺です……」


 そりゃ、驚いちゃうよね。ドアを開けたら、ウチが激しい自慰行為してるんやもん。

 そ、それにウチの聖水が…………。


「せ、先輩? もしかして……」

「ち、違うんよ! と、とにかく、部屋に入ってドア閉めてくれへん? ウチもこれを誰かに見られたらマズイんやもん」

「そりゃそうですよね……」


 そう言いながら、神楽くんは部室に入ると、ドアを閉めてくれた。


「とにかく、状況説明の前に、タオル借りてもいいですか?」

「ああ、ウチの聖水を浴びてしもうたもんなぁ……」

「いや、さらっと聖水とかそんな清いものにしないでください。そもそも藍那先輩の潮でしょ?」

「いやん♡ 神楽くん、デ・リ・カ・シ・ー!」

「いや、部室でオナニーしている人に言われたくないです」

「あんっ! ケチッ!」


 ウチは新しい下着を鞄の中から取り出して、履き替えることにする。

 さすがに濡れたままだと臭いも気になるし、それに風邪を引いてしまいそうになる。

 だからこそ、ここでは替えの………、


「ど、どうしよう!」

「どうかしたんですか?」

「代わりの下着がこんなのしか持ってなかった……」


 そういって、ウチは鞄の中から、下着を取り出す。

 それはほぼすべてが紐……。前の部分を隠そうとする部分がレースになっていて、もはや隠す気がないようなエチエチ下着であった。

 それを見て、赤面する神楽にウチはすり寄り、


「なあなあ、ウチがこの下着着たら、似合うかなぁ……」

「そ、そんなこと答えられませんよ!」

「ホンマに転生して初心になったんやなぁ……。あっちではガンガンエッチなことしてたのに……」

「と、とにかく、早く履いてくださいよ!」

「あ、そうやな。確かにこのままやったら、神楽に喰われそうになった可愛い先輩にしか見えへんもんね」

「てか、自分で可愛いっていいます?」

「そんなん、いつでも言うに決まってるやん。女の子は、常に自分のことを磨こうとしてるんやで。でもな、それって勇気のいることなんやで。自分磨きって大変やけど、頑張った結果はそれ以上に驚かれるんや。江奈ちゃんもそうやろ?」

「てか、どうしてそこで江奈が!?」

「だって、江奈ちゃんって昔はずっとアンタの後ろを追いかける存在やったやん? まあ、良くも悪くも兄妹きょうだいのような関係やったやん」

「ええ、まあ……」

「それがいつの間にか成長して、神楽に告白したんやろ? 凄い勇気やん! それに江奈ちゃんも以前よりも女の子らしさがぎゅっとアップしてるもんなぁ……」


 そんな話をしつつ、ウチはえちぃ下着を履く。

 うん。やっぱり布面積が狭い(もはやない!)分、何だか風通しが良くて、さっきの濡れていたのもすぐに乾きそうな感じだ。


「で、誰を選ぶんや?」

「まだ、決めていませんよ」

「そうなんか?」

「ええ、何だか、今日はみんな変ですよ。江奈や久遠寺さんも積極的に俺を襲おうとしてきて、自分が約束の女の子だって言い出すし。それに先輩もそんな自慰行為を今までしたことなかったでしょ?」

「まあ、せやねん。これには深いわけがあるねん」

「深いわけ?」

「せや。実は今の状況から判断できるに、きっと江奈ちゃんも優紀ちゃんもウチとおんなじ夢を見たんやろね」

「夢ですか?」


 神楽は訳が分からないといった表情をする。

 ウチはコホンとひとつ咳ばらいをして、


「あのな、ウチらが見た夢は、アンタとの子どものころに大きな樹に上って、そこで永遠の愛を誓ったんや」

「その夢は……ボクも見たことがあります」

「お? 神楽も知ってる夢なんか?」

「ええ……」


 しかし、神楽の表情は暗い。

 ウチは首を傾げて、


「どないしたんや? 同じ夢なんやったら、誓った相手が分かるやん!」

「いや、それが分からなかったんです」

「どういうことや?」

「実は、俺が見た夢は、相手の女の子の顔が全く分からないんです。何ていうのか、靄がかかっているような感じで……」

「そうなんか……。それは……困った話やなぁ……」

「ええ……」

「ウチって可能性もあるんかいな?」

「ま、確率は低いかもしれませんけどね」

「それは酷いわぁ……。ウチも一応は恋人候補やねんで!」


 ウチは神楽を小突く。

 神楽は「あはは…」と笑う。

 ええな……。この感じ。

 こんな感じでずっと一緒に居られるのが恋人やねんやろうか。

 こんな恋人関係やったら、ウチもずっと続けたいわぁ……。

 別にセックスがなくてもええんよ。

 こういう甘酸っぱい高校生活がええんやな……。て、今頃知れても遅いわ……。

 だって、ウチは神楽の誓った恋人とは違うと自信があるから……。

 ウチはあの樹がどこなんか分からへんもん。

 他の記憶があるのに。肝心なものだけあれへんなんて、神様はホント意地悪やな……。






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作品をお読みいただきありがとうございます!

少しでもいいな、続きが読みたいな、と思っていただけたなら、ブクマよろしくお願いいたします。

評価もお待ちしております。

コメントやレビューを書いていただくと作者、泣いて喜びます!

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