20話
「ただいまー」
「あ、雪と如月さん、お帰りなさい」
帰宅するとリビングにいた霞が先に挨拶をする。
一方、蓬と千夜はというと…
「おぉ、おかえりー」
「おかえり!」
コントロールを握ってテレビの前でゲームをしていた。
「あぁー!負けたー!」
「ふっふっふ、まだまだ詰めが甘いなぁ千夜さんや」
「ぐぬぬぬ…」
千夜の操作するキャラクターが場外に飛ばされ、ゲームセットとなり戦績が表示される。
「楽しんでるところ悪いんだけれど、千夜」
「ん?」
千夜が振り返る。
雪風は手に持っている袋を持ち上げ
「昼食作るんだけど、千夜は作る?」
「作る作る!つけうどんとか作ったことないんだよねー」
「夏以外だとあまり食べないしね、じゃあこの機会に作ろうか」
「おっけー!」
「それじゃあ如月先生、準備しますよ」
「はーい」
○▲○
「それじゃあ…まずはうどんの方をつくっていこう」
「「はーい」」
「それじゃあ千夜は長ねぎを…まあ3cmくらいでいいかな、それくらいの長さで切って。如月先生は鶏もも肉の余分な脂を除いて、一口大のそぎ切りにして下さい。2人とも量が多いから頑張って」
「「はい!」」
2人は手際良く進め、あっという間に終わる。
「雪、終わったよ」
「それじゃあ次は、切った鶏もも肉に塩コショウをつけて下味をつけるよ。意外と量があるから2人で分かれてやってね」
「塩コショウはどれくらいなの?」
「少々だね。味の好みとかは人それぞれだけど…人数分あればいいかな」
「了解」
「あ、それが終わったらフライパンに油をしいて切った長ねぎと肉を入れて軽く焼き色をつけて下さい」
「分かりました」
2人でやる分早く進むため、それほど時間がかかることもなくねぎと肉に焼き色をつけるところまで進む。
「そしたら料理酒、しょうゆ、みりんをそれぞれ大さじ一杯と小さじ二杯入れて、中火で加熱して肉に火が通ったら火を止めて下さい。それで」
雪風は2人を見て
「1人がすだちを切るのとつゆを器に分けるんだけど、どちらかやってくれないかな?」
「なら手が空いてる私がやるよ。如月先生はそのままでお願いします」
「分かったわ」
「ん、じゃあ千夜、お願いね。先にすだちを薄切りにして、次にこの器にめんつゆを150ml入れてね」
「了解」
そうして数分後。
『いただきまーす!』
テーブルに並べられた料理を囲み合掌をする。
「…うんまっ!」
「美味しい〜!」
「すだちの爽やかな香りが他の食材達と相性抜群だよ!こんなのいくらでも食べられちゃう!さすが雪!」
その言葉に雪風は苦笑して
「私がやったのは麺の調理をしただけで、ほとんど千夜と如月先生だよ」
「私達は初めて作る料理を体験できたし、こうやって皆で囲んで食事ができるのも雪あってこそだよ。だから感謝をするのは私達!雪は素直に受け取ってね!」
「…そこまで言うなら、受け取るよ。ありがとう」
「うん!」
「…それにしても、本当に美味しいわね」
霞がうどんを一口すすってそんな感想を漏らす。
「そうだね」
「あ」
如月先生が蓬の方を向いて
「そういえば、なんで私が鰻が食べたいって分かったんですか?」
「ん?あぁ…この前テレビで食レポ見てた時、鰻が出てたじゃないですか。その時如月先生が『一回皆と食卓を囲んで食べてみたいなぁ』って羨ましそうに言ってたんで、それでもしかしてと思ったんですよ」
「あぁ〜そういえば言ってましたねぇ。暁さん、意外と単純な理由でした」
てへっと舌を出す如月先生に笑みを返して
「そうですね。私も囲んで食べてみたかったしお互い様ですよ」
「…麺がのびちゃうから、食べようぜ。夕飯も期待してるからな?」
「任せなさい!」
ドンと笑顔で胸を叩く千夜。
そうして雪風達は雑談を交わしつつも食事の続きをするのだった。




