Je t’aime à la folie.【BL】
僕達は隠れて付き合っている
…男同士だからだ
付き合ってる…というのは、少し違うか
彼は《気まぐれ》とか《他に誰もいないしな》
なんて言っているし
最近は一人でどこかに行っちゃって
帰りが遅いことも多い
結局はただの、身体だけの付き合いなんだ
[中野さーん、お疲れさまでーす]
「坂下さんお疲れさま」
[あれ?丸井さんは?]
「え?」
[いつも一緒に帰ってるよね?]
「あーうん 帰りの方向が一緒なんだ」
[そうなんだ!それで、丸井さんは?]
「青山さんに呼び出されたんじゃなかったかな?」
[えー!?]
「ど、どうしたの?」
[青山ちゃん、最近すごい丸井さんにグイグイ
近寄ってるからー告白でもしてるのかなぁ?]
「さ、さぁ…僕にはわから⋯」
[探しに行こ!]
「いや、僕は…ちょっと、引っ張らないでっ」
[いいから!1人じゃ無理っ!]
坂下さんに引っ張られながら2人を探すこと5分…
[あ!中野さん!丸井さん、いたいた…えっ]
「…っ」
キスしてる…あーそうなんだ
[…先越されたぁーくやしいー!…ん?中野さん?]
「ん?」
[見たぁ?すごかったね、べろちゅー…]
「うん じゃ、僕は帰るよ また月曜ね」
[えー!1人にしないでくださいよぉー!]
〔あっ、坂下さんと…中野さん?〕
《…》
…いつかこんな日が来ることはわかっていた
他に誰かが現れたら、
そりゃそっちに行くんだろうから
良輔はバイだ
可愛い女性なら尚更そっちにいくんだろう
別に、いいじゃないか それで
僕は、部屋に帰って荷物をまとめていた
この部屋は良輔の部屋だから
あの2人が付き合うんなら、もう住めなくなるから
しばらくビジホに泊まろ…部屋も探さなきゃなぁ
なんて、考えていた
《何してんだ》
「あ、おかえりーもう住めなくなるから
荷物まとめてるんだ」
《なんで?》
「僕から言わせるの?」
《見てたのか》
「うん 良かったね 青山さん可愛いし」
《は?》
「よし…僕のはすべてしまえたかな 思ったよりも
増えちゃってたんだね じゃあ…」
"ダンッ"良輔が通せんぼしてきた
「なに?」
《出ていくことないだろ》
「付き合うんじゃないの?あんなキスしといて」
《付き合わねぇよ》
「まぁ、身体だけってことになっても 僕は邪魔だろうから あ、会社では普通にしてよね
気まずいのは嫌だから」
《お前さ…なに淡々としてんだよ》
「なにが?」
《俺のこと好きなんじゃねーの?》
「…おもしろいこというね」
《は?》
「好きだと言ってたのに聞かなかったの 誰?」
《…》
「そんな気持ち…もうとっくに枯れちゃったよ」
《もう、無理なのか?》
「僕が離れないと思ってた?」
《あぁ、今もそう思ってるけど》
「…もう君の思い通りにはならないよ どいて」
《待てよ、悠介!》
「…」
君が幸せになれるんなら…
僕はそれでいいから
"グイッ"《何泣いてんだ…帰るぞ》
「あ…どう、して…」
《俺を誰だと思ってんだ 気づかないとでも思ってたのか?》
「ちょ、離して…」
《離さない》
「あっ」
《ったく…煩わせんなよ せっかくお前とゆっくりしようと思って、お前の好きなデザート買ってきたのによー》
こっちは
君が幸せになれると思って離れようとしてるのに
普段放って置くくせに!
離れようとすると、これだ…
【↷良輔point of view】
〔丸井さん、ちょっとお時間いいですか?〕
《ん?なんだ》
〔ちょっとこっちに…すぐ済みますから〕
《…》
〔あの…中野さんって、付き合ってる人いるんですか?〕
《は?》
〔丸井さん、仲良いですよね 中野さんと〕
《あいつが好きなのか?》
〔はい…優しくて、可愛らしいから…〕
《そうかーあいつ、付き合ってるやついるぞ》
〔あ…やっぱりそうなんだ…〕
《やっぱり?》
〔中野さん、最近考え事してることが多くて
泣きそうな顔してることが多いなぁって思ってたから…〕
《へぇーよく見てるんだな》
〔お相手、誰なのかなぁ なんて…丸井さんはどんな人か知ってますか?〕
《俺》
〔…え?〕
《だーかーらー 俺だって》
〔そ、そうなん、ですか…?〕
《一緒に住んでるしな》
〔…え〕
《だから諦めてくんない?俺、あいつのこと渡す気ねーから》
〔丸井さんがお相手なら、勝てる気…しないなぁ…〕
《だろ?んじゃ…》
〔丸井さん〕
《なんだよ おいっ…》
なんだこいつ
萎えるわ
《…っ もういいだろ》
〔あっ、坂下さんと…中野さん?〕
《…》
〔見られちゃいましたね〕
《…食えねぇ女だな》
〔悔しいじゃないですか 男に負けた、なんて〕
《ざまぁねぇな じゃーな》
〔…うまくいくといいですね?〕
《うるせぇよ》
やりやがった…あの女
悠介がいたのわかってて、
わざと見せつけるみてーに…
はぁ…あいつのことだから
今頃荷物まとめてんだろーな
めんどくせーことしやがって…
あーあー、案の定だ
わかりやすくて助かるよ… くそがよっ
「僕が離れないと思ってた?」
《あぁ、今もそう思ってるけど?》
「…もう君の思い通りにはならないよ どいて」
《待てよ、悠介!》
「…」
これ、泣き出すな…
エントランスあたりまで様子見るか
ケーキ冷蔵庫入れとくか ったくよぉ!!
そろそろ行くか
"グイッ"《何泣いてんだ…帰るぞ》
「あ…どう、して…」
《俺を誰だと思ってんだ 気づかないとでも思ってたのか》
「ちょ、離して…」
《離さない》
「あっ」
《ったく…煩わせんなよ せっかくお前とゆっくりしようと思って、お前の好きなデザート買ってきたのによー》
可愛いよなぁ 俺の思い通りに動くんだ お前は
きっと、こう言う
そういうところが、嫌いだって
でもな、俺はお前のそういうところ
たまらなく好きだぞ
《ご機嫌治ったのかよ?》
「…うん」
《そら良かった》
「…出ていかなくていいの?」
《出てってもいいけど?連れ戻すから》
「良輔…」
《つか、ほんとに出て行けんの?俺を置いて》
「…そういう言い方は嫌いだ」
《はいはい そう言うと思ってたよ》
「僕はっ!」
《うるせぇ ちょっと黙ってろ》
「ん、んんっ…」
お前が好きだ
お前のすべては…俺だけのものなんだよ
【悠介point of view】
いつもそうなんだ
良輔の思い通り
僕の思い通りになんて、ならないんだ
「僕のこと好き?」
《お前は?俺のこと好きだろ?》
「僕が聞いてるんだけど」
《俺も聞いてるけど?》
「…好き」
《知ってるよ》
「良輔は…?」
《言わなくてもわかるだろーが?》
「…どっちなの?」
《何が?》
「好きなの?嫌いなの?」
《嫌いなら一緒にいないだろ》
「じゃあ、好き?」
《意地でも言わせようとしてんのな》
「だって…僕ばっかり好きみたいじゃないか」
《それじゃ駄目なのか?》
「僕だって…聞きたいよ…」
《可愛いなぁ、お前は》
「もういいっ」
《はぁ…これ、なーんだ?》
「え?良輔の指輪でしょ?」
《お前なぁ…俺の指はこんなに細くねーよ》
「え?だって、このデザインは…」
《作ったんだよ お前の》
「うそ…」
もしかして…最近夜どっか行ってたのって…これのためだったの…?
《ほら、手ー貸せ》
「わぁーぴったりだ…」
《ずっとかっこいいって言ってたもんな》
「…覚えてたの?」
《俺が忘れるわけないだろ?》
「ありがとう!うれしい!おそろいだ!!」
《今から絶対に外すなよ》
「仕事中も?」
《当たり前》
「でも…バレちゃうよ?」
《もうよくねーか?あいつに話しちまったし》
「あいつ?」
《あの女だよ》
「青山さんってこと?」
《そう あの女、お前が好きなんだとよ》
「え?ぼ、僕!?」
《よかったな?可愛いらしいし?》
「いじわる…」
《おかしいなー 俺さっき誰かさんに同じこと言われたけどなぁ?》
「…ごめん」
《離れて行こうとしたことも許さねぇ》
「良輔ぇ…」
《外すなよ、それ》
「うん!!…え?じゃあなんでキスしてたの?」
《思い出したくもねぇ くそがよ》
「…な、何があったの」
《なぁ、悠介》
「ん?」
《そんなことより、こーれ なんとかしてくれよ》
「うわぁ…暴力的ぃ…」
《好きだろ?ほら》
「うん…っ」
その後、たくさんしてくれたんだけど
聞き逃さなかったよ
たった1回だけだったけど…
悠介、好きだ…って言ってくれた
たったひとことで
こんなに安心するのに…
なかなか言ってくれないんだ
でも、もう思い通りになんかならなくてもいいや
大事な指輪があれば
良輔のそばにいられるなら それでいいや
【良輔point of view】
あーあ 満足そうな顔しちゃってよー
お前は不服かもしれないが
俺、相当お前の思い通りになってるんだぞ
お前がいないと駄目だっつーのに…
それに気づくの、いつになんだろーな?
早く気づけよ なぁ?
「良輔好きー」
《知ってるよ》
「側にいてほしいでしょ?」
《お前が、だろ?》
「僕もそうだけどぉ…」
《側にいてほしいんだろ?》
「うん!」
《知ってる》
「良輔ぇ…」
《んだよ あ、腹減ってんだろ?》
「うん、お腹すいたぁ…」
《シャワー浴びて飯食いに行くぞ
お前の好きなやつ
帰ってきたらケーキな》
「うんっ」
きっとお前はこう言う
じゃあ…エビフライ!良輔が好きだからって
「んーじゃあ、エビフライにする!良輔、好きだもんね」
《お前の好きなやつでいいっつってんだろ》
「僕も好きだもん」
《そーかよ》
「早くー、お腹すいたぁ あ、お腹鳴った」
《子どもかよ…ったく》
「良輔ー早く早く!」
わかってるっつーの
こんなにお前のことわかってんの
俺しかいねーだろーが あほ
タイトル〘Je t’aime à la folie.〙
訳:狂おしいほど愛してる
Fin…
こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。
再編集して投稿しております。




