恋は勢い
「はぁーあー」
《なに、どうしたの?ねねちゃん》
「賢二にプロポーズされた」
《あー…結婚願望、全然ないもんねぇ》
「どうしよ…彼氏としては最高なんだよ」
《うんうん》
「でもなー 一緒に住むとか家族とかになったら…」
《それはもう、やってみなきゃわからないからね…》
「さすが、バツイチ 重みが違うー」
《…はぁ…》
「杏奈さん、今度の彼氏はどうするの?」
《うーん…結婚したいなーって思うんだけどー》
「うんうん」
《あの子の母親になれるかなぁってさ》
「現時点で懐いてくれてるのと、実際に母親になるってのはまた別モンだよね」
《うん 彼はね、私しか考えられないって言ってくれるんだけど
何かあれば娘をとるのは当たり前だし、そうでないとだめじゃない?
あとさ、もう娘がいるのに 私との子とかさ》
「それこそ考えたら終わる気がする
勢い、大事じゃない?」
《勢いかぁ…ねねちゃんもしちゃえば?勢いで》
「それ言われるとキツイわー」
悩める女子2人…
〈どうだった?プロポーズは〉
『いやぁ…うまくいかないっすねぇ』
〈彼女、結婚願望ないんだっけ〉
『はい…自分が親とも疎遠だからっていうのもあるらしくて…』
〈…難しいねぇ〉
『一緒に住むことすら許してくんないんすよね』
〈あー…何年だっけ?〉
『5年っす』
〈考えるよなぁ、結婚…〉
『そうっすね、子どもも欲しいし…』
〈お子さんを作ることに関しては話してるの?〉
『話してますけどーそもそも子どもがあんまり好きじゃなさそうで』
〈そりゃまいったな〉
『でもー…』
〈うん〉
『あいつじゃなきゃ嫌なんすよね』
〈愛だねぇ〉
『そういう境さんはどうなんすか?』
〈うーん…うちは娘がいるからね…懐いてるんだよ
一緒にでかけたり、飯食ったりもしてるんだ〉
『おっ!じゃあうまくいきそうっすか?』
〈それがー…母親になれるのか?って悩み始めちゃってさ〉
『あー…』
〈そんなに深く考えなくてもさ 時間と寄り添い方で変わると思うんだよ〉
『それはー…娘さんが堺さん自身の子どもだからじゃないっすか?』
〈…!そういうもんか…〉
『血が繋がってない子を育てていて、うまくいってる家庭もたくさんあると思いますけど、逆もありますからねぇ
考えちゃうと思いますよ』
〈…そうだな もう少し時間をかけてゆっくり考えてみるよ〉
『や、生意気なこと言ってすみません』
〈いいんだよ どんどん言ってよ
自分にはない視点だから助かる〉
『人に話しを聞くのって大事っすよね ほんと』
悩める男子も2人…
《あ》「あれっ」『ねねだ!よう!』
〈おっと…何してたの?〉
《あー…相談にのってもらってたの》
『ねね、昼食った?』
「まだよ」
〈じゃあ、みんなでどう?〉
4人でご飯を食べに向かう
〈俺もね、聞いてもらってたんだよ 平田くんに〉
『俺も俺もー!』
「結婚のこと?」
『そう!』
〈お互いいろいろ思うことはあるよなぁ〉
《それはそうね…》
「堺さんは杏奈さんと結婚したら子どもって欲しいの?」
《ちょ、ちょっと…ねねちゃん!?》
〈そりゃ欲しいよ〉
《!?》
「娘さんいるのに?」
〈愛してる人との子どもだからね もちろん考えてるさ〉
「にやついちゃうね、賢二」
『俺も欲しいーねねとの子どもー』
「ぶっ…」
《あー!ほら、ねねちゃん おしぼり…》
「ありがとーえー無理…自分のことで精一杯なのに」
『無理かぁーじゃあ、いい ねねがいてくれれば
ねねじゃない人との子どもはいらないし』
「賢二…」
〈お熱いねぇ〉
《ねねちゃん 勢いじゃない?やっぱり》
「それ本人の前で言うー?」
『勢いでいいじゃん!な?』
「…」
〈若いっていいねぇ?杏奈〉
《ほんと…わたしたちはそうはいかないもん》
〈…〉
『あ、時間時間…!仕事っすよー』
「やるかー」
《時間経つの早いわねー》
〈いいよ、ここは まかせて〉
「ごちそうさまでーす!」
『すみません!ごちそうになります!』
《ありがとう ごちそうさま》
「賢二、私今日残業決定してるからー」
『そうなの!?2時間くらいなら待ってるけど』
「えー悪いよ」
『いいの!待ってる』
「…わかったー」
〈じゃあ、またあとでね 杏奈〉
《えぇ またあとで…》
〈あ、そうだ〉
《え?》
〈週末家に来ないか?〉
《…うん》
〈ん、楽しみにしてる〉
《うん、じゃあ、また…》
〈うん〉
【杏奈point of view】
承太郎さん、子ども欲しいんだ…
そっかぁ…
週末か…
みのりちゃんは本当に良い子
明るくてお父さん想いで…
小学3年生だもん
まだまだ甘えたい時期だと思うし…
お母さんとの想い出だって
もちろん忘れられないだろうし
無理させたくないよ
【承太郎point of view】
俺達2人のことを考えてくれる人だからこそ
結婚したいんだよな…
実は実里が杏奈にママになってほしいって言ってるんだよな
でも、これを言うと
無理やり結婚させてしまうみたいで…
妹か弟も欲しがっているんだよなぁ…
どう伝えたら
杏奈の気持ちを尊重しながらも
うまくいけるんだろうか
【賢二point of view】
あー…
考えてくれてそうな気はするんだけどな…
とりあえず一緒に住むことからクリアしたい
まだかなー2時間くらいって言ってたっけ?
フロアまで迎えに行くわけにも行かないしな
"終わった"
あれ、早いな…
"オッケー 入り口にいるよ"
"はーい"
急いで終わらせたのか?
あ、走ってくる…?え?
『ねね!?おいおい…』
「賢二!」
『どうした!?』
「結婚しよ!」
『へ!?』
「結婚して!」
『する』
「うん 帰ろう」
『いやいや、待って!?どうしたの、いきなり』
「部長が縁談話持ってきた」
『はぁ!?』
「絶対いい話だから!って 太ってる50くらいの社長」
『まじかぁ』
「絶対嫌だから今すぐに既婚者になりたい」
『いや、断ればいいだけじゃ…?』
「あのハゲ…部長の性格知ってるでしょ」
『…確かに…でもいいの?』
「なにが?」
『そんなんで決めて』
「するなら賢二しかありえないし」
『…!うんっ!役所行くぞ!』
「おーう!」
勢い…大事かもしんない…
【杏奈point of view】
週末って聞いてたのに、今日も夜ご飯に招待されてしまった…
〈ごめんな 急に〉
《ううん 大丈夫よ あ、何かお土産を…》
〈いいからいいから!すぐに帰るよ〉
《え?えぇ…》
タクシーまで呼んでる…
珍しいなぁ
〈明日さ 実里の誕生日なんだ〉
《え!?それだったら、プレゼント…》
〈いいのいいの 欲しがってるものがあるんだけどさ すぐには手に入らないから〉
《人気のキャラクターとか…?》
〈そんな感じ!〉
《9歳よね ケーキとか…あ、でも明日なんですもんね》
〈そうそう よかったら明日も会ってあげてくれない?〉
《え、でも…そういう大事な日は…》
〈家族だけで祝えって?〉
《…その方が、みのりちゃんも…》
〈じゃあ、実里に聞いてみようか〉
《え?》
〈さて、着いたよ 入ろう〉
《あ、はい…》
《お邪魔します…》
〔あんなちゃん!〕
《みのりちゃん!こんにちは!お邪魔します》
〔あんなちゃん、明日も来てくれるってほんと?〕
《え?》
〔…来て…くれない…?〕
《あ…ううん!お邪魔するね!》
〔うんっ!やったぁ!〕
〈ね?〉
《…うん》
〈さて!ご飯作るからなー待ってて〉
《あ、手伝うわね》
〈杏奈は実里といて 何かお願いがあるんだったよなー?実里?〉
《お願い?なにかなぁ?》
〔あんなちゃん、わたしのママになって!〕
《え…?えぇ!?》
〔いや…?〕
《…本当にいいの…?》
〔うんっ!ママになってほしい!〕
《…!》
〔だめ?〕
《ううん…みのりちゃんのママになりたい…!》
〔わぁい!パパー!ママになってくれるって!〕
〈おー!良かったなぁ 実里〉
〔うん!あっ!そうだ!もう一つお願いがあるの!〕
《ん?なぁに?》
〔あのね…耳貸してー!〕
《うん?いいよー なぁに?》
ん?なんだろう?承太郎さんには内緒なのかな
〔妹か弟が欲しいの!〕
《…うん》
〈実里?何お願いしたの?パパには内緒?〉
〔内緒じゃないよ!妹か弟が欲しい!って言ったの!〕
〈ごほっ…ごほっ…(咳払い)杏奈…ごめんな〉
《ううん…大丈夫…》
〔なぁにー?なんで下向いてるのー?〕
私と承太郎さんは目を合わせながら照れていた
タイトル〘恋は勢い〙
Fin…
こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。
再編集して投稿しております。




