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読み切り短編集  作者: おしるこ


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24/61

キミと見る打ち上げ花火

こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。

再編集して投稿しております。

わたしは今日…

勇気を出して、誘ってみようと思う…


はぁ…昨日の夜から緊張していて

ご飯もあまり食べられなかった


胸が苦しくて…


宮下くんが1人になるのをひたすら待っていたら

放課後になってしまった…


そりゃそうだよ

人気者だもん 


いつも周りに友達がたくさんいる


明るくて元気で…口調はちょっと怖いけど


そんな彼が好きなんだ


〔あの…宮下くん〕

「…どうかしたのか?」

〔あの、あのね…夏休みに…花火、とか…どうかなって思って…〕

「花火…なぁ…」

無意識だろうけど、

ボソッとめんどくせぇな…と聞こえた

〔あ…忙しいかな、部活とか…〕

「あ?いや…」


断られてしまって…今度は、もう早く立ち去りたい…としか考えられなくて

〔あ、じゃあ…わたし、そろそろ帰るね

ごめんね、引き留めちゃって じゃあ…〕

「え?あ、おい…」


バタバタと昇降口まで走る


あぁ…そうだよね

なんでうまくいくと思ったんだろ…


わたしと彼では…


そんなことを考えながら

家まで走った




それから3日くらい経った頃、

友達のあいちゃんが興奮した様子で話しかけてきた

〈ねぇねぇ!花火やるよ!〉

〔花火?楽しそうだねぇ!行きたい!〕

〈宮下も誘っといたからさ!〉

〔え…?〕

〈みんなも宮下も来るって!だから、きみちゃんも絶対来てね!〉

あ…そういうこと、なんだ

あいちゃんの誘いにはのったんだ…

〔あ…でも…もしかしたら…予定が入っちゃうかもしれなくて〕

〈えー!そうなの?直前まで待つから!

予定がわかったら教えて!ね!〉

〔うん…ありがと…〕


もう、その後の授業も友達との会話も

なにひとつ頭の中に入ってこなかった


宮下くんのことは

あれから少し避けてしまっている

こういうの良くないよね…

わたしが勝手に好きになって

断られたからって勝手に落ち込んで…

はぁ、落ち着かなきゃ…



そう思ってたのに、宮下くんと話すこともないまま

夏休みに入って、花火の日になってしまった


はぁ…

あいちゃんが誘ってくれたのに断るのもなぁ


でも、宮下くんがいる…


でも…


宮下くんと、あいちゃんが仲良く花火やってるところなんて…


わたし、見てられるのかな…


〔無理だ…〕


"ごめんね、やっぱり予定が入っちゃって

せっかく誘ってくれたのに、ごめんなさい"


"えー!少しでも来られない?"


…うぅ


"少しだけなら大丈夫…"


わたしのバカ!バカバカバカバカバカ!!


"良かった!待ってる♪19時に公園だよー"


"うん、わかった 誘ってくれてありがとう"


…はぁ 




意を決して外には出たんだけど…

時間になっても、公園に向かえずにいた



早く行かないと…約束したのに…

でも

どうしても

公園に足が向いてくれなくて


はぁ…胸が苦しい


でも、これ以上待たせるわけには…


「いた!」

〔え?〕

「何してんだ」

〔み、宮下くん?なんで…〕

「…お前が来ねぇから迎えに来たんだろうが」

〔…え?〕

「あー!お前がいなきゃ始まんねぇんだよ!

早く来い!」

〔あ、え、ちょっ…〕


わたしの手を握ったまま、宮下くんは走る

わたしは引っ張られながら必死についていって…


〈あ!きたきた!きみちゃーん!

ちょっとー宮下!もう手、握ってるじゃん!

うまくいったの?やったね!〉

「おいバカっ!」

〔…え?〕

〈え?〉

「…」

〈あ…ごめん…みんな!帰るよ!〉

〔え!?〕

「おいっ!」

〈ちゃんと伝えなよ!ね?

きみちゃん、聞いてあげて!お願い!

はーい、みんな撤収ー!〉


何!?どういうことなの…


みんなが帰っていく

でも、どうしてみんなにやにやしているの…?


宮下くん、あいちゃんが好きなんじゃ…?


わたしは、これから…


何を聞かされるの…?



【宮下point of view】


↷2週間前


あー…夏休みってことは…しばらくキミと会えなくなるんだよな…


いや、無理だろ…なんとかしないと…


〔あの…宮下くん〕

おわっ!!びっくりした…

まさかキミに話しかけられると思ってなかったから

一瞬間が空いた

「…どうかしたのか?」

〔あの、あのね…夏休みに…花火、とか…どうかなって思って…〕

「花火…なぁ…」

!!!!!!!!

ど、どうすりゃいい!?絶対行く!

二人っきりだよな!?そうだよな!?

や…でもあいつらにバレたら…一生弄られ続けるな

…それはめんどくせぇな…

でもこんな機会滅多にねぇもんな

〔あ…忙しいかな、部活とか…〕

「あ?いや…」

〔あ、じゃあ…わたし、そろそろ帰るね

ごめんね、引き留めちゃって じゃあ…〕

「え?あ、おい…」


え?あれ…帰っちゃったぞ…

嬉しすぎてテンパりすぎちまった


ま、でも日にちが決まったら言ってくるだろ

キミと花火かぁ


へへ…実質デートだよなぁ、これー…

楽しみすぎてやべえ…




けど、それから何日経っても日にちは教えて来ない

なんなら、なんか避けられてねぇか?って気がしてきた


今までは結構話しかけられてたと思うのに

俺が近寄ろうとすると廊下に出て行ったりして…

なんかしたのか?俺…


〈宮下〉

「あ?なんだ…前園か なんだよ」

〈ねぇ…アンタ、きみちゃんからの花火の誘い断ったんだって?〉

「はぁ!?断るわけねぇだろーが!」

〈…めんどくせーとか言ったらしいじゃん

きみちゃんのこと泣かせたら、ぶん殴るわよ?〉

「待て待て!俺は…断ってねぇし、行く気マンマンなんだよ!」

〈じゃあなんでそんなことになってんのよ!〉

「わかんねーよ…あ!だから避けられてんのか!?」

〈うーん…あっ!!いいこと考えた!

あたしがきみちゃんを誘うから!まかせて!〉

「…わりぃけど、頼むわ」

〈アンタのためじゃないわよ〉

「わかってんだ…え?それって…」

〈うまくやってよ!わかった?〉

「お、おう…!」


…もしかして、両想いだったりするのか!?

っしゃあああ!

俄然やる気でてきた…!!


【花火 当日】


〈来ないねぇ…きみちゃん〉

「…迎えに行ってくる」

〈うんうん!ちゃんと連れてきてよ!〉

「おう」


えーっと、キミの家は…ここのコンビニを…

あれ?あのしゃがみ込んでるの…キミじゃねーか?

あ!

「いた!」

〔え?〕

「何してんだ」

〔み、宮下くん?なんで…〕

「…お前が来ねぇから迎えに来たんだろうが」

〔…え?〕

「あー!お前がいなきゃ始まんねぇんだよ!

早く来い!」

〔あ、え、ちょっ…〕


どさくさに紛れて手を繋いでみた

…自分からそうしたくせに、心臓がうるさくて

ちょっと速歩きになっちまった


公園に着くと、みんなが待っていて


〈あ!きたきた!きみちゃーん!

ちょっとー宮下!もう手、握ってるじゃん!

うまくいったの?やったね!〉

「おいバカっ!」

こいつ!!…デリカシーねぇな!まじで!

〔…え?〕

〈え?〉

「…」

やりやがった…この空気、どうしてくれんだ…

〈あ…ごめん…みんな!帰るよ!〉

〔え!?〕

「おいっ!」

〈ちゃんと伝えなよ!ね?

きみちゃん、聞いてあげて!お願い!

はーい、みんな撤収ー!〉


最悪だ…

あいつら…生暖かい目ーしやがって…


〔…〕

キミ、俯いてんな…

「ごめんな」

〔…え?〕

「俺、あの誘い受ける気でいたのになんか誤解させたんだろ…悪かった」

〔そうだったの…!?

わたしこそ…ごめんなさい…勝手に断られたと思って…その…ちょっと避けちゃって…〕

「いや…キミは悪くねぇから」

〔…ありがとう 宮下くん〕

「…やっと笑った」

〔え?〕

「あの日から笑った顔見れなくて…きつかった」

〔宮下くん…〕

「頼むからさ」

〔ん?〕

「俺のとなりで、ずっと笑っててくんねーか?」

〔えっ…それって…〕

「…キミが好きだ」

〔嘘…!うれしい…わたしも…宮下くんのこと、好きだよ〕

「…はぁーよかった…」

〔わっ!みやし…ん…んんん!〕


【希美point of view】


抱きしめられたと思ったら…

き、キス…してる…!?


「あ、わりぃ…」

〔う、ううん…びっくりしたけど…うれしい…〕

「もっかい、してい?」

〔…うん!〕

「…」

〈おめでとぉ!!!〉

"パァン しゅるる…"

「!?は…?」

〔きゃっ!?え?あいちゃんたち!?〕

〈あ、打ち上げ花火のタイミング間違えた はは…〉

"パァン""パチパチ…"

「おまえら…どっから見てやがった…?」

〈あ、これやばいかも…みんな!逃げるよ!〉

「…待てこらぁああっ!!」

〔もうー!みんな…〕


その日公園には花火よりも大きな


大好きな彼の声が響いた




タイトル〘キミと見る打ち上げ花火〙


 

                      Fin…


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