拗れた糸、直せないからそのままで
あれ…そういえば、
前に連絡来たのっていつだっけ…
Rileの最終トーク日は
4月20日
ーー2ヶ月経っている
「嘘でしょ…」
〔んー?なになに?どうしたの?〕
口に出てしまっていたらしい
となりのデスクの同期、
美鈴ちゃんに聞かれてしまっていた
「あっ、ごめんごめん 独り言ーミスっちゃって」
〔すぐ直せそう?手伝おうか?〕
「大丈夫!ランチには間に合わせるから!」
〔OK!じゃ、私もランチまでにこっち頑張るよ!〕
「うんっ!ありがとね!」
はぁ…仕事に集中し過ぎた私も私だけどさ
この2ヶ月1回も連絡ないってどういうこと!?
元々は私から連絡しないと連絡が来なかったから…
それの返事も毎回必ず来るってわけではなくて
何回かに1回返ってくれば良い方だった
倦怠期ってやつ?でも早くない?
まだ1年だよ?
…これ、付き合ってる意味あるのかな
そう思って、私から連絡しないでみようって試して見たのが4月21日
確かに私の仕事も忙しくて、
休みは寝て過ごしてしまっていたけど…
ふと思った
あ、これ、もう…自然消滅なんじゃない?
連絡先、ブロックとかされてるのかな
…
後で送ってみよう…
そう思ってたのに、結局お昼になって美鈴ちゃんとご飯行ったり、午後からの業務も忙しくて…
「づがれだぁーーー」
〔お疲れさまぁー疲れたねぇー金曜だし〕
「うん…明日も寝て終わりそう…」
〔あれ?琴ちゃん彼氏いなかったっけ?デートとかしないの?〕
「あー向こう忙しいからさ」
〔大変なんだねぇ〕
「慣れたもんだよ
じゃ、私こっちだから!また月曜日ねー!」
〔お疲れーまたねー!〕
慣れたもんだよ…はぁーあ…
【蓮二point of view】
連絡来ねぇな…
前話したのいつだっけ
はぁ!?2ヶ月経ってる…
え?連絡してないっけ?消した?
そんなに開いてる感覚がなくて
バグってるのかと思った
飲食店勤務だから、土日休みの
あいつと休みが合わないのはしょうがないとはいえ
さすがに…
やば…てか、あいつ何で連絡してこないんだよ…
もしかして見限られた…?
顔色が悪くなるのが自分でもわかる…
となりに知らねぇ男がいたら…
想像しただけで吐き気がする
…でも、確かめないと
この駅だったよな…?
あ、いた
…友達と一緒か
〔あれ?琴ちゃん、彼氏いなかったっけ?デートとかしないの?〕
「あー向こう忙しいからさ」
〔大変なんだねぇ〕
「慣れたもんだよ
じゃ、私こっちだから!また月曜日ねー!」
〔お疲れーまたねー!〕
慣れたもんだよ…か…
《琴子…》
「ひっ…え?蓮二!?な、何で…?」
《迎えに来た》
「え…蓮二が?」
《…連絡しなくて、すまん》
「…うん」
《…》
「帰るんでしょ?行こ」
《あ、あぁ…》
せっかく会えて嬉しいのに
何話せばいいのかわかんねぇ
こういう時は、いつも琴子が話しかけてくれたから
「何してんの?」
《え?》
「こっち!」
《すまん…》
ボーッとしながら歩いてたら琴子と逆方向に向かってたらしい
手を引っぱられたまま、歩き出す
「どうぞ、上がって」
《うん…》
琴子の部屋、久しぶりだな…
「それで?何か用事でもあったの?」
《え…?》
「蓮二が自分から来るなんて珍しいから」
《…うれしく、ない?》
「…うれしくないわけじゃないけど、うーん
付き合ってる意味あるのかな?とは正直思ってたよ」
《琴子…!》
「な、なに?」
《別れたくない…》
「…」
《頼む…これからは、ちゃんと連絡もするし
会う時間も作る…別れるとか、嫌だ…》
「今のままだと無理」
《…っ》
「私も仕事が忙しくて、連絡しなかったのは悪いと思ってるけど 気づいてた?いつも私からしか連絡してないの」
《それは…》
「付き合う前だけだったよね 蓮二が必死だったの
釣った魚に餌やらないタイプなんでしょ?」
《いや、そういうつもりじゃ…》
「じゃあ、どういうつもりなの?」
《…甘えてたのかもしれない 琴子が俺よりも先に連絡してくれてたから》
「じゃあ、この2ヶ月はどうして連絡くれなかったの?」
《忙しくて…それに、2ヶ月も開いてる感覚がなくて…》
「…それって私がいてもいなくても変わらなかったって事じゃない?」
《ちがう…っ》
「今まで、1年近くそういう感じだったのに
急に変われるの?無理しても続かないと思うけど」
…琴子の言う通りだと思った
それでも、俺…
《あの、琴子…》
「なに?」
《もう、俺のこと…好きじゃない?》
「…」
《俺、琴子が好きだよ 前からずっと…同じように
でも、ちゃんと変われるように努力する…
頼む…もう少しだけ…付き合っててくれないか》
「…はぁ こうして会いに来てくれたのも、
努力のうちなんだろうね ありがとう 蓮二」
《琴子…》
「でも、約束して?」
《何を?》
「今度、こうして連絡もなく間が空いたり
また大事にされてない感じになったら
今度は別れる」
《約束する…大事にする》
「そう あ、蓮二明日何時から?」
《え?明日は9時には店に行くけど》
「それなら…7時には起きなきゃだめね」
《琴子は寝てていいよ》
「そんなわけにいかないでしょ?ほら、早くお風呂入って ご飯の支度しておくから」
《…すまん》
《いいよ 疲れてるのに来てくれたんだもん
明日からは土日で書き入れ時なんだし
ゆっくり休んでって》
《ありがとう》
【琴子point of view】
会いに来てくれてうれしかった 単純だけど
でも、てっきり別れ話でもされるんだと思ってたから…
自分が傷つきたくなくて、そっけなくしてたのに…
縋られると思ってなくて
だって、そういう風に縋るタイプじゃないと思ってたし
もしかして…私が知らない蓮二がまだまだいるのかもしれない…
素直になれなくて、ごめんね
せめてうちにいる間だけでも
ゆっくりしてってほしくて
蓮二がお風呂に入ってる間に、
軽くご飯の準備して 交代でお風呂に入ってから
一緒にご飯を食べた
1人だったら、そのまますぐにでも寝ちゃうところだけど…
蓮二が食器とか片付けてくれて…
これも、見たことない姿だったから
まぁ、一人暮らしなんだし飲食店勤務だから出来るんだろうとは思ってたけど
何でもやってあげてたのがいけなかったのかも
尽くし過ぎ?連絡のし過ぎ?
「ごめん、蓮二」
《え?何で謝るんだよ》
「素直になれないし…可愛くない態度取っちゃって」
《そんなことない 俺が悪いから》
「ううん わたしが蓮二のこと、そうなるようにしちゃったのかもしれないし」
《…じゃあさ、これからはお互いに素直になろ?》
「うん!大好きだよ 蓮二」
《琴子…俺も好きだよ》
「寝よっか」
《うん…おやすみ、琴子》
「おやすみー」
…いびきがすごい…
眠れない…
無理かも…
だめだ…うるさい 無理!全然眠れない
はぁ…
なんかちょっと冷めたかも…
耳栓あったっけ…?
旅行バックに入れてあったような…
…あ!あったあった!!
これしたら、少しは眠れるかな…
…まだいびきがすごいけど…
耳栓したら、少しはマシかも
"ピピッ…ピピッ…ピピッ…"
ん…目覚まし?…あ、そうだ…蓮二がいるんだ…
「蓮二…起きて…時間」
《…んんんーあと5分…》
「お仕事…遅れちゃうよ…」
《…んだよ…ちっ…》
え?舌打ちした?
こっちは休みなのにこんな時間に起こされてるんですけど!?
「いいから起きろよ!!」
《ひぇっ!え!?琴子…!?何?何で怒ってんの…》
「こっちはアンタのいびきがうるさくて眠れなかったんだよ 起こしても起きないし!
早く仕事行きなよ!」
《ご、ごめん…!今出るから…》
"バタンッ""ガチャッ"
はぁ…眠…
ドア閉めて、鍵かけて
そのままベッドに倒れ込んだ…
目が覚めたのはそれから5時間後…
まだ、全然眠れる…
疲れが取れないところに
追い打ちのようにRileが来ていた
"悪いけど…昨日の話はなかったことにして
別れよう そのほうがお互いのためになると思う"
…返事を返す気にもなれない
寝よう そうしよう
スマホを放り投げて、
布団に吸い込まれていった
…ん…今何時…?
うわ…19時…
結構寝たなぁ…
喉乾いた…
のそのそと動き出して、ベッドの下に落ちていた
スマホが目に入った
あー落としちゃったのかな
ん?Rileが来てる
"返事してよ 別れるってことでいいの?"
"寝てました 遅くなってごめんなさい
はい、別れるでいいです さようなら"
迷いなんかなく、送信ボタンを押した
すぐに既読がついたけど
ブロックしたから 返事が来たかどうかは知らない
普段連絡してこないのに、
こういう時だけ追いメッセージに、即既読…
うん 合わなかったんだわ
もうしばらく男はいいわー
【3ヶ月後】
〔琴ちゃん!合コン来ない?〕
「行かないーしばらく男はいいー」
〔お願いっ!すぐ帰ってもいいから!〕
「人数足りないんだーもうしょうがないなぁ…」
〔ありがとぉ!〕
合コンかー
安くお腹いっぱいになれるし…いっかー
〔こんばんはーわたしは美鈴でーこちらは琴子ちゃん!こちらはー…〕
自己紹介も終わって、パスタを食べ始めたら声をかけられた
〈琴子ちゃんだよね?俺、雄一っていいます
となり、いいかな?〉
「あ、ふぁい…」
〈人数合わせで来たんでしょ?俺もなんだー〉
「そうなんですかー」
〈ねぇ、抜け出さない?〉
「…いいですよ」
美鈴ちゃんに声をかけて抜けて来たんだけど…
「じゃ、私こっちなんで」
〈ちょいちょい!もう少し何か食べない?〉
「飲まない?じゃないんだ…」
〈まだ満足してなさそうだからさ〉
「確かに!」
〈さっきの店はパスタだったもんね 何食べたい?〉
「肉っ!」
〈いいね!ハンバーグなら、おいしいお店知ってるよ!〉
「行きましょうー!」
…げ!!!ここ!?
「あ、の、もしかして、ここ…?」
〈うん!ここのハンバーグ絶品なんだよー
ほら、行こう?〉
「え、いや、あの…」
手を引かれて店の中まで連れて来られて…
しょうがなくハンバーグを食べて帰ることにした
《こっ…お待たせ致しました…ハンバーグになります 鉄板がお熱くなっておりますので、お気をつけて
お召しあがりください…》
「…」
〈琴子ちゃん、食べよう!〉
「あ、はい…いただきます…」
最悪…蓮二が運んで来たじゃん…まだ見られてる気がする…
「おいしい…」
〈でしょ!!ハンバーグならここがよくてさ!
パンもおいしいから、食べてみて〉
「ありがとう…あ、ほんとだ…」
〈おいしそうに食べるねぇ 可愛いなぁ〉
「いえ、そんな…」
早く食べてお店を出たくてペロッと食べてしまった…相変わらずおいしい…
〈あ、ここは俺が…俺が誘ったんだから〉
「や、でも…」
〈いいから!ね?〉
「すみません、ごちそうさまです」
〈いえいえ!どういたしまして!行こっか〉
「はい」
《…琴子》
「…」
呼ばれたけど 振り返らなかった
もうお店には近づかないし
蓮二にも会う気はないから
後悔してたから
ずっと
いびきだけで冷めたとか
寝不足になっただけでブチギレたりとか
日に日に後悔の波が押し寄せてきて
あんなに好きだったのに
「また大事にされてない感じになったら
今度は別れる」
自分から言った約束を、すぐに破っちゃった
今戻っても、うまくいかないと思うから
雄一さんのこともはっきり断った
これで、やっと…
前に進めるかなぁ
《琴子!》
「…何 …お店いいの?まだ営業中でしょ」
《あの…》
「私の本性見たでしょ?もう関わらない方がいいよ じゃあ…」
《…忘れられないんだ》
「合コンとかしたらいいよ さっきの人もね
合コンで会ったの あの人とうまくいきそうなの」
《断ってるの、見てた 嘘つかないで》
「…」
《琴子じゃないと駄目なんだ》
「あんなキレてるとこ見たのに?」
《それでも…俺…》
「…今日はお店戻って」
《琴子…》
「休みの前の日とか、来ていいから その時に話そう ブロックも解除しておくから」
《…ごめん また連絡する》
「気をつけてね」
《おう!》
…お互いに、何してんだろ
蓮二だって自分から別れようって言ってきたのに
私は私で、後悔ばっかりして
うまくやっていけるのかな
ーー
それから、お互いに少しずつ近づいては
また離れて、そして近づいて…
なんやかんやうまくやっているのかな
どうしても離れられないみたい
結局蓮二に戻っちゃう
《琴子、もう離れないで》
「戻ってくるんだからいいじゃん」
《そういう問題じゃないの!》
「…うん わかってる そばにいる」
《離れないように、これ》
「え…指輪?」
《うん》
「…ありがとう 蓮二」
《ううん こちらこそありがとう 琴子》
結婚とかしちゃうのかな
その時は部屋は別々にしてほしいかも
《もう離さないからね》
タイトル〘拗れた糸、直せないからそのままで〙
Fin…
こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。
再編集して投稿しております。




