第19話 絵描き
もうずっと昔の記憶。覚えているのは毎日のように喚き散らすお母さんの声。
お父さんの顔は知らない。私が生まれる前に死んだのか、或いは出て行ったのか。何にせよどうでもいい。
幼かった私にとってはお母さんと、薄暗い子供部屋だけが世界の全てであり、それ以外の事など何も知らなかったのだから。
部屋の中で、黄ばんだ人形達と一緒におままごとをしていると、毎日仕事からお母さんが帰って来る。その度に疲弊した顔を浮かべながら、私を強く抱き締めるあの人を見ていると、不思議と私までも悲しい気持ちになった。
「ショコラは私を置いていかないでね」
大好きなお母さんを泣かせる外の世界が嫌いだ。あんなに優しくて、私を大事にしてくれる人が悲しまなければいけないなんて、一体どんなに恐ろしい場所なのだろう。
ひとしきり泣き終わると、お母さんはいつも市場で買って来たレトルト食品だけを置いて部屋から出ていった。その度にガチャリ。とドアが施錠される音が部屋中へ鳴り響く。
そんな日々がずっと続いていた。
…何時からだろうか?お母さんの顔色が良くなった気がする。代わりに私のお腹は良く鳴るようになっちゃったけど、部屋の外から聞こえるのは泣き声ではなく、楽しそうな話し声に変わっていった。
今思えばお母さんには私と家以外に大切な物が出来たのだろう。でもそんな事を知らなかった私は、お母さんはきっといつまでも一緒にいてくれると信じ込んでいた。
「◯◯◯◯◯◯」
お母さんに会った最後の日。その言葉はあまり聞き取れなかった。いつものように私を抱き締めて話すお母さんだったけど、もう泣いていなかったから。それが私には凄く嬉しくて頭に何も入って来なかった。暫くして部屋から出ていく時のお母さんはとても綺麗な顔をしていた事をよく覚えている。
その日、部屋の鍵が閉められる事はなかった。
目を覚ました時。いつもならお母さんがその内ご飯を置きにくるはずなのに中々来てくれなかった。部屋に鳴り響くのはグーという音だけ。
…私は病気なのだろうか?お腹がよく鳴るのは目を瞑る前のご飯の時だけで、起きて待っている間は大丈夫だったのに。
ずっとおままごとをしていても、調子が悪くなるだけだったから扉の方を少し見てみると。…やっぱり開いているみたいだ。
もしかしたらお母さんに何かあったのかもしれない。そう思い腕をドアノブへと伸ばしてみるけど、途中でやめてしまった。だって外にはきっと怖い物ばかりだから。
…それでも、何時かは決心しなければいけない。
お母さんは私の事をいっぱい助けてくれたんだから、今度は私が助けてあげなきゃって。
もう一度ドアノブに触れて、恐る恐る扉を引っ張って外を覗き見る。
視線の先に広がっていたのは、私の部屋と同じで薄暗い場所。少し安心感を覚えながらも、私はゆっくりと扉を開け続け、未知の世界へと慎重に足を踏み出した。
「…お母さん?」
部屋から出た時、そこに在ったのは私の知らない形をした物ばかり。けどお母さんの姿はどこにも見当たらない。
怖い。ただ怖い。この知らない世界に一人っきりでいる事が。
一歩ずつ歩き進めても、お母さんは見つからない。次第に恐怖に耐えきれなくなった私は足を止めて、もう一度部屋に戻ろうと…
ーけど、その時温かい一筋の光が私を照らした。
「…!!」
思わず目を瞑ってしまう。「何が起こったの?」最初に思い浮かんだのはその言葉。頭が混乱に包まれていく。…なのに、怖いのは最初だけだった。
光はお母さんの温もりにも負けないくらいとても暖かくて優しかった。…思わず私は見入ってしまう。
これは一体どこから来ているのだろう?気付けば私は光が差す方へと向かっていった。
少し歩くと、その先にあったのは私の部屋にあるのと同じ扉。この先にも外の世界が広がっているのだろうか?やっぱり怖い。その気持ちは変わらないはずだった。なのに不思議と手が伸びていく。
ガチャリ。
扉が開いた。
眩い光と共に私を迎え入れたのは、お母さんをたくさん傷つけた本当の外の世界。
けどその世界は…
ー私が思っていたより、ずっと美しく輝いていた。
ーーーーーー
「待たせたわね。カノン、あんたのパトロン登場よ!」
荒れ果てた戦場へと姿を現したのはカノンもよく知る少女。
「ショコラさん!」
驚きのあまり、カノンは大きな声で叫んでしまう。
「誰かと思えば、あの時会場にいた少女ではないですか。一体何をしにここへ?」
「そんなの決まってるじゃない。私は友達を助けに来たの」
そう返すショコラに、ロヤテは思わず固まってしまった。
「助ける…非力な少女に過ぎない貴方がですか?」
「えぇ。そうよ!」
「中々に面白いジョークですね。ですが」
ロヤテが長槍をショコラへと向ける。
「…あの会場にいた以上。貴方も私の処刑対象。それをお忘れなく」
放たれるのは殺気。ロヤテは相手が少女であろうと容赦はしないらしい。このままショコラが向かったところで天聖騎士たるロヤテに勝てる可能性など皆無。
或いは、直ぐ動かないのを見るに、今退けば見逃してもらえるかもしれないが…
「だから何?あんたなんか全然怖くないわ」
彼女はその場から一切動かずに立ち続ける。
「…ショコラさん。私は大丈夫ですから、早く逃げて下さい!」
しかし、所詮は戦闘能力を持たずに絵が上手いだけの少女でしかないショコラ。自分のせいでまた誰かが酷い目に合うのが嫌だったカノンは早く逃げるように告げるが…
「カノン」
ショコラがカノンの名前を呼んだ。
「…あのね。私、やっと思い出したの」
何時もと雰囲気の少し違う彼女は、口元を緩めて笑う。
「私はあんた達の言う通り、絵を描く事が好き」
それは彼女が忘れていた本当の気持ち。
「見た景色の感動を覚えていたいし、まだ知らない場所への憧れを、知るその時まで忘れずに描き残して置きたいの」
ショコラの脳裏には、ずっと焼きついて離れない光景があった。初めて見た外のお日様、雲に向かって伸びる大きな塔、青々とした川を流れる観光船。
目新しい全ての物が彼女の心をワクワクさせると同時に心踊らせた。
そんな彼女が絵を描き始めた理由はただ一つ。
ー「だって私は、この世界が大好きだから」
その瞬間、ショコラの右手に握られていた筆が光を放った。
「これが私の夢」
眩しく輝く筆を空へと走らせていく。
「夢覚 <絵空>」
ショコラから溢れ出したのは暖かい光。それは一人の少女の願いとして描かれていく。
「…まさか目覚めたと言うのですか!?夢覚に!」
「ー綺麗」
空をキャンパスとして筆を走らせ自由な色使いで描かれたその絵は何よりも美しく見える。
「胸からワクワクが溢れて来る…描きたい。この美しい世界を描いて描いて、描き残したい!今の私ならなんだって描けそうだわ!」
ショコラが描いていくのは赤い太陽と雲が流れていく青い空の絵。
それはやがて大きくなり、世界に具現化して広がる。
「太陽の蒼刻」
描かれた絵が現実に現れた。今ショコラの目の前にあるのは、小さな太陽と幾つかの雲。
「とくと見せて上げるわ。私の絵を!」
その言葉を証明するように太陽がロヤテの方へと飛んできた。即座に長槍を振り上げて迎撃に移るも…
「なんと!」
太陽は長槍をすり抜けて、ロヤテの身体へと命中した。
「…熱い。まるで本物の炎のようですね」
ロヤテの身体には鎧越しに熱が伝わる。だが、これくらいならば問題はない。そう思ったのも束の間。彼の周囲が雲に包まれて見えなくなった。
「目隠しですか」
「まだまだ私の展覧会は始まったばかりよ!」
長槍を振り抜き続けて雲が晴れた先、ロヤテの目の前に迫っていたのは…
「亡鎧騎士」
銀色の鎧に身を包んだ二人の騎士の姿。両者は腕にロングソードを装備しており、ロヤテに攻撃を仕掛けて来る。
「ショコラさん!その力は…」
「えぇ、これが夢覚ってやつ?…うふふ。まぁ何にせよ絵を描くのは楽しいわね」
ロヤテが騎士達の相手をしている間に夏樹を背負ったカノンが、ショコラの方へと近づいて来た。
「あんたと後ろのそいつは大丈夫なのかしら?」
「私は平気です。けど夏樹くんは…」
「…そう。後の事はひとまず、あいつを倒してから考えましょ」
見るとロヤテが押し始めている。持って後数秒といったところだろうか。
「うーん。他に何か致命打を与えられるような絵を思いつければ良いんだけど…」
「ーそれなら私に任せて下さい」
カノンが夏樹を地面にゆっくりと降ろして、前へ出る。
「気高い貴婦人」
直後、カノンの腕に現れたのは木の葉っぱのように茎から枝分かれして黄色い花を咲かせる植物、リュウゼツラン。…さらに。
「踊る貴婦人」
肘の辺りから咲いていたリュウゼツランの葉っぱが宙へ飛び出し、ロヤテへ向かって踊り始める。
騎士達の相手をしていたロヤテはその接近に気づくと、自身の影と槍術を持って落としにかかった。
「またこれですか!」
文句を言いながらも、未だ衰える事を知らないロヤテ。…だが今回ばかりは状況が悪かった。
リュウゼツランの葉を払っていた長槍に「亡鎧騎士」の剣がぶつけられる。その隙を突くようにして、残りの葉っぱたちはロヤテに襲い掛かる。
「ぐぉぉぉ!」
金切り音を立てながら、回っていく葉たちに身体を震わせるロヤテ。直ぐに長槍を旋風のように振るって叩き落とすも…
「やっぱり届いた」
攻撃は鎧を貫通してズタボロにしており、その身体からは大量に赤い血が流れ落ちていた。
ずっと突破することが出来なかったロヤテの鎧は塗りたくられた塩酸によって時間が経つにつれ溶けていった。
そしてついに、カノン曰く金属をも断つというリュウゼツランの葉により破られたのである。
立ち尽くすロヤテ。そんな彼に二人の騎士が襲い掛かる。
「…もうここまで劣化していたとは」
ースパッ
だが剣の当たる寸前、騎士達はロヤテの薙ぎ払った長槍により即座に胴を斬られてしまった。
ボロボロと崩れ去って行く騎士達。ロヤテは身体中から血を流しながらも立っていた。そんな彼の背後からは影がまた伸び出している。
「余裕はもはや無いですね。…ならば最速でそちらの少女を殺すとしましょう」
「…来るわね」
ロヤテが長槍を縦に構えた。そのまま悍ましい気配を纏わせ、影と共にショコラを仕留めようと歩を進めていく。
が、その時。ロヤテの動きが突然止まった。
「馬鹿な!何故まだ動けるのです!」
驚き固まってしまうロヤテ。彼の視線の先にいたのは…
「…夏樹くん」
ー全身を血に染めながらも、立ち上がって動く夏樹の姿だった。
全力から程遠かったとはいえ、ロヤテは自身の奥義である「闇哮」を喰らって生存している事に驚きが隠せない。
「はぁはぁ」
段々近づいて行く夏樹。息が絶え絶えになりながらも、彼の目は一直線にロヤテを見つめていた。
「…あんた手ぶらでしょ。そんなのであいつとやる気?」
腕に何も持たないまま、戦おうとする夏樹をショコラが止めるが…
「関係ない。奴にカノンを渡す訳にはいかん」
「…あら、気が合うじゃない」
思わぬ所で意見の一致する二人。ショコラは筆を手に取ると夢覚を発動させて、空に絵を描き出した。
「これを使うといいわ」
指で四角形を作り、色んな構図を観察しながら目にも止まらぬ速さで筆をスラスラと走らせて、生み出されたのは両刃の大きな鎌。
「名付けて『諸刃の大鎌』」
夏樹はそれを受け取ると、身体の前で構えて再び歩き出す。
「…せっかく拾った命。大切にしてはいかがですか?」
「その気はない」
対峙する二人。先に動いたのは…夏樹だ。
「…!!」
ロヤテの長槍と夏樹の大鎌が交差し合う。
穂先と峰がぶつかり合って金属音を発し、そのまま二人は壮絶な斬り合いにへと雪崩れ込んだ。
風を切り裂くような凄まじい斬撃のぶつかり合い。その中心は暴風域と化しており、カノンとショコラはただ見守る事しかできない。
「これじゃあ手出し出来ないわね」
「…いえ、きっとチャンスは来るはずです」
なんとか隙を見つけて手出ししたい二人であるが、壮絶な斬り合いの前では厳しく、そのままロヤテと夏樹の戦いはどんどんと加速して行く。
「縦横無尽な攻撃に加え、刃が両側に付く事で手数が飛躍的に上昇していますね。このままでは押し切られるのも時間の問題ですか」
今でこそ互角に渡り合っているが、攻撃の回数がどんどんと増えて行く夏樹。このまま大鎌の扱いに慣れていけば守りを突破されると判断したロヤテが策を講じる。
「まだですね」
段々と押されていくロヤテであるが焦りは無い。そのまま二人の距離は縮まっていく。
「あと一歩」
完全に手数で上回った夏樹がロヤテの身体に斬撃を入れようと接近したその時。
「今」
その時夏樹の影と重なっていたロヤテの影が前へと伸びる。そのままそれは夏樹の背後へと移動して悪魔の形を作り出した。
繰り出されるのはやはり貫手。しかし先程とは違って夏樹は即座に反応。そのまま周囲を薙ぎ払い、悪魔の影を真っ二つにする。
しかし、後ろから襲い来るのはロヤテ。長槍を前に突き出させる心臓を狙うが…
「狙っていたのは何もお前だけじゃない」
夏樹は長槍を回避、腕を掠めながらも前へと出る。即座に迎撃へ移るロヤテであるが、その時夏樹の左手が腰の方へと伸びる。
「…まさか」
何かを手に取ると、直ぐに宙へと投げ飛ばした。そのまま大鎌で一閃。
バシャリ。その中に入っていた液体が二人に降り掛かる。ロヤテが視線を向けると、そこに有ったのは洗剤の容器。
「また塩酸?…いや、違う!」
ラベルには漂白剤である事を示す印が書かれていた。
「お前テレビの教育番組って見た事あるか?なら酸性洗剤と漂白剤を混ぜ合わせればどうなると思う?」
その瞬間。ロヤテの目や鼻には激痛が走り、思わず地面に手をついて倒れ込んでしまう。
「答えは…『毒ガス』の誕生だ」
夏樹の清掃用具を使った作戦。それはまだ終わっていなかった。塩酸で鎧を溶かし、外側からのダメージを与えたならば…次に行うのは"内側からのダメージ"を与える方法。それこそが毒ガスの吸引による内部からの破壊攻撃。
塩酸を使った酸性洗剤と塩素系の漂白剤を混ぜると塩素ガスと呼ばれる人体に有害な気体が生まれる。
夏樹はロヤテの鎧でまだ反応し切っていなかった塩酸に漂白剤をぶつける事で、少量ながら毒ガスを生み出す事に成功したのだ。
「ゲホッゲホッ」
どんどん溢れてくる毒ガスに痛みと咳が止まらないロヤテ。
「ガハッ!」
「この毒は、お前の内部から身体を破壊する。──死にたくなければさっさと…」
やがてロヤテは血反吐を吐き、夏樹は自身まで吸い込んでしまわないよう、その様子を遠目に見守っていた。…しかし直ぐに驚いて目を見開く事となってしまう。
「…流石だな」
なんとロヤテは長槍を地面に突き立てて、立ち上がった。
「この"私"が只の毒如きで、止まると思ったか!」
身体をフラフラにしながらも、ロヤテはその闘志を決して緩めずに啖呵を切って見せる。
度重なる戦闘によるダメージ、全身からの出血、ガスによる内部破壊。それらは確実に彼の身体に重傷を与えただろう…それにも関わらず圧倒的に致命打となる現状すらも彼は耐え切ってみせたのだ。
「─だが、ここからは俺だけじゃないぞ」
しかし夏樹の隣には、気付くとカノンとショコラの二人が既に並んでいた。
「…構いません」
圧倒的に不利となった状況に対してもロヤテがその矜持を失うことは絶対に有り得無い。
──何故なら彼にとって、矜持だけが己に残った唯一の存在なのである。
…ロヤテはずっと一人で生きてきた。それは孤児として聖方教会に拾われたあの時も、天聖騎士になった今も。何時迄も変わらず、ロヤテの心は永遠に一人のままだった。
だがそれで何も構わない!この矜持さえ守られるならば!それは聖方教会に影として仕えると決めた日からずっと変わらない、彼にとって唯一つだけの不朽の思いであり、それだけが彼の根底に存在するたった一つだけの強い願いなのだ!
ーその直後、四者が動き出す。
最初に動いたのはロヤテの影。それに呼応するように夏樹とカノンが迎撃に向かう。
「ハァァ!」
「とりゃ!」
ロヤテを挟むようにして行われる二人の連携攻撃に、影を総動員させて尚完全に対応しきれない。
だがロヤテはまるで舞うようにして、体重移動で動き、そのペースを崩さずにいる。この手数相手に半端な影による攻撃は意味がないと判断したのか、ロヤテは一つに束ねる事で影の強度を上げた。
長槍と影による連続攻撃。その硬さは凄まじくカノンはおろか、夏樹の大鎌を持ってしても斬りきれない。
ぶつかり合う武器達。手数による有利を技術だけで制するロヤテ。しかしここでカノンが首を狙った鋭い刺突を放つ。細いリュウゼツランの先端を長槍だけで受け止め切るには厳しく、影を持って止めた。
しかし、その隙に夏樹が動きを止めた影に対し、大鎌の先端を持って突き刺した。それは見事に貫通し、そのまま振り抜くと影を斬る事に成功した。
直後、長槍により周囲を薙ぎ払うロヤテ。夏樹とカノンは即座に後ろへ引いて回避し、その間を拭うように準備していたショコラが描いた絵を放つ。
「怒れる岩巨人」
具現化したのは岩の巨人。地面から飛び出し、ロヤテの身体へ向かって腕を振り下ろした。そのまま土埃を撒き散らしながらロヤテをペシャンコに潰そうとする。
…だが岩巨人の腕が途中で止まった。ロヤテは長槍に力を込めて筋力だけでそれを受け止めている。そのまま上へと槍を振り上げると腕を弾き飛ばし、長槍で一閃。岩巨人の身体を斬り裂いた。
「…!!」
その瞬間。斜めに斬りあげられて消えゆく岩巨人の先からロヤテの視界に映ったのは彼に向かって飛び出す3人の姿。
「合わせろ」
命知らずにも前へと突っ込み、それぞれが技を繰り出す。
「葉落一心流 『風月』」
「貴婦人の嗜み」
「月龍昇画」
大鎌による広範囲の斬撃、リュウゼツランにより繰り出される連続攻撃、空から飛び出した緑の龍による突撃。個々の技が交わってより強力となり、喰らったロヤテの身体が激しく吹き飛んでいく。
夏樹達も彼を追いかけ、庭園を抜けて行くのだった。




