10話
薫と憂己は顔を歪め、後退りする。
看護婦は身体を激しく揺さぶり全身の骨を鳴らすと、何事も無かったかの様に立ち上がった。薫は咄嗟に脚を撃つ、すると再び奇声を上げながらのたうち回る。
「クソ! どうしたら大人しくなってくれるんだよ!」
再び頭に一発放った後、眉間に皺を寄せて考える薫に憂己は「任せて?」と横たわる看護婦に近付く。
「さすがに別々になったら戻らないでしょう?」
憂己は刀を引き抜くと看護婦の首元に当て困った様に呟く。
「ごめんね? だって、お姉さん執拗いんだもん」
憂己は刀を一気に振り下ろした。血が噴き出し離れ離れになった頭が床に転がる。看護婦が再び動き出す様子はない。
四人は無残に横たわる屍を横目に、長くずっと先まで続く廊下を進んだ。
『小児科』と書かれたプレートが天井から垂れ下がっている。
「景兎、診察して貰って来なよ」
「もう子供じゃないもんね!それにかなり健康体ですから」
「頭の具合悪いだろ? 無理しなくていいんだぞ?」
「薫なんて地獄に落ちろ!死んだ後も閻魔大王にこき使われてればいーんだ」
薫は景兎の成長が遅いぺったんこの体を見てほくそ笑み言うと、景兎は顔を真っ赤にしながら怒鳴る。
憂己はそんな二人を「やれやれ」と、呆れた目で見ながら診察室の扉に手を掛けた。ゆっくりと扉を開くと、血の香りに満たされた室内。床に転がる滅多刺しにされたゾンビ。
「うわ! 誰が殺ったんだよ……」
「僕達以外に誰か居るって事かな?」
薫が転がっている死骸を見て驚くと、憂己は険しい顔をしている。
「うーむ。朽葉さんじゃないのかね?」
景兎が首を傾げる、憂己は「あの人じゃない……」と、顔が一段と険しくなる。
「何で違うって言えるんだよ?」
「んー何となく。勘……かな?」答えると、真面目な顔で話を続けた。
「でも、ちょっと嫌な予感がするのは確かかな。味方なら良いけど敵だったら? きっと面倒臭い事になる」
「凛々もにぃと同じ……嫌な予感がする」
凛々が身震いをする。
「ねぇねぇ、その誰かさんも居ないみたいだしもう行こ行こ! 敵だって決まった訳じゃないしさぁ! 敵だったらぶっ倒せばいいじゃん」
話を聞いていた景兎が頬を膨らませながら言う、三人は彼女の緊張感の無さにため息を漏らした。
「凛々達は出口まで辿り着かないと、ここから出られないし進まなきゃね?」
と、凛々は無理やり笑顔を作る。
「そうだな……こんな所で立ち止まっててもしょうがないか。気を引き締めて行こうぜ!」
薫は憂己の背中を強めに叩き気合を入れると、その場を後にした。
ぎゃあああ。
全然上手く文章に出来ない……




