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婚約者が浮気をしたら子供になる呪いをかけたのですが、懐かれるなんて思ってもいませんでした  作者: もも


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 犯人が捕まった。黒幕、その正体は宰相だった。賭け事に嵌まり巨額の借金を抱えてしまった彼は違法薬物に手を出したそうだ。密かに売り捌き違法な利益を得ていた。直接動くとバレるのでブラウン伯爵を手先に使っていた。


捕まるのも時間の問題だと焦った宰相は王族の夕食に毒薬を仕込んだ。誰か一人でも食べれば大騒ぎになる。その隙に国外へ逃亡する手はずだったそうだ。

だが国境を越える前に騎士団に捕まった。

王族に手を出した時点で極刑は免れない。


公衆の面前で一族郎党ギロチンにかけられた。本人は自業自得だが一族郎党って前世庶民のわたくしには理解しがたい。宰相に会ったこともない人もいただろうに。

そう殿下に言ったら「宰相の親戚だからと随分良い思いもしていたんだろうし見せしめの意味もあるからね」と昏い目をしていた。


今日はお茶会の日だ。月に一回のはずが一週間に一回になった。

公爵邸のガゼボで向かい合って座っていたのに、いつの間にか隣にいるんですけど。こんな早業誰の魔法?使用人出来過ぎてない?



「事件の後は祭事が必要だからね兄上の結婚式が早められることになったよ。その上で僕たちの結婚式の予定も発表されることになった」


殿下が今日もわたくしの腰を引き寄せ髪を弄びながら甘く蕩けるような瞳で囁く。


「兄上の結婚式に着るドレスと宝飾品はどうしようか。リリスなら何を着ても似合うけど、清楚系にしようか。色は青に決まっているし宝石はサファイアだけど。ダイヤモンドを散らばせても良いよね」


この甘いセリフがあのクールだった王子様から出てくるのだ。慣れない。

おたおたし真っ赤になったわたくしに追い打ちをかけるように殿下が囁く。


「かわいい」


セリフが利いていて染みるんですけど。わたくしの頬は茹だるように赤らんでいる。


頬に手を添え殿下がくつくつと笑っている。

「こんなに可愛いのに以前の僕は勿体ないことをしたよね。でもこれからだよね。取り返せば良いんだ」


ーーー取り返すのかーー勝てる気がしないんですけど。


「リリスなら僕が間違った方向に行こうとしたら教えてくれるよね。魔術を使ってでも」

「いいえ、言葉で言います。お話を聞いてくれるんでしょう?」

「うん、聞くよ。沢山話をしようね」


にっこり笑って頷いているだけなのに色気が半端ないんですけど。しまってくれませんかソレ。


「僕はリリスと尊重し合って慈しみ合いたい。愛情を育み合いたい」

それはわたくしの理想でもあるので思わずこくりと頷いた。

「お姉さんかと思ったらかわいい少女だったりする。リリス君はいろんな顔を持っているんだね。全部を知るのが僕だけなんて嬉しいにも程がある。これから色々な顔が見れるなんて幸せだよ。あぁ、陛下が僕を救ってくれた褒美は何がいいかと言っておられた。何か望みがある?」


「エリクサーの素材が良いです」

「素材?金が取れる領地とかでもいいんだよ」

「殿下が欲しいならそれでも良いですけど、わたくしには領地経営は無理だと思います」

「ベルモント公爵領は君がお金をつぎ込んで立派にやっているじゃないか。卑下する必要はないと思うよ」

「アイデアとお金は出しましたけど、実行しているのは兄です。殿下がやってくださるのなら良いですけど」

「うーん、リリスと一緒にいられる時間は削りたくないんだよね。考えてみるよ。 で 、エリクサーの材料って何がいるの?」

「満月の夜に咲く月見草の露の雫とドラゴンの鱗、オーロラが見える夜に咲く奇跡の花サンシュの花びら、不死鳥の羽、永久凍土にある氷の欠片ですわ」

「えっ!?そんなに貴重な材料を使って作られるものだったのか…。 それを僕に飲ませてくれたんだね。 ありがとう !何と言って感謝をしたらいいのか分からないよ。で、それはどうやって集めたの?」


「ローズ化粧品の利益を惜しみなく使って冒険者ギルドに頼んだのですわ」

「お金と期間がかなりかかったんだね」

「Sランクの優秀な冒険者パーティだったので二年で集めてくれました」

「頼んだらまた採って来てくれるだろうか?」

「一生困らないだけのお金を渡しましたのでどうでしょう」

「王家から頼むと命令になるから、個人的に頼んでみようか?それが欲しいんだね?」

「出来ましたら。手元にあればもしもの時に助かりますし」

「それは一度に何本出来るの?以前は誰に使ったの?もう残ってないの?」

「三本ですわ。一本は隣国の皇帝陛下に、一本は父に、そして一本は殿下に差し上げました」

「そうか…ありがとう。今度作ったら兄上に差し上げても良いかな?いつも毒殺の危険に晒されているんだ。父上も欲しがるかもしれないが諦めていただこう」

「では一本は王太子殿下に差し上げます。後は持っていても構いませんか?」

「あぁ、君のものだから好きにするといい。なんて、僕がどうこう言えることでもないのに…ごめん」


そう言う手は髪を弄んだままだ。頬にチュッとキスも忘れてはいない。

殿下にとっては女性の籠絡なんてお手の物なんだと納得してしまいなぜか胸が苦しくなったアマリリスだ。





読んでいただきありがとうございます。エリクサーの話を書いていたら予定より長くなってしまいました。次回で完結です。

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