↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/5

麺処「小惑星・ドドドどーん」②

何だろう。こんな透き通った小金色のスープを見たことがない。

このラーメンを見ているだけで涎が止まらない。


カウンターの目の前に置かれた木箱から、奥海さんが箸とレンゲを取り出して渡してくれた。


「はい。まずはスープから食べるのがお勧めだよ」


ありがとうと言って端を受け取り、言われた通りにスープから頂くことにする。


なんていい匂いなのだろう。一体何ラーメンなんだ。醤油でも塩でもなさそうな香りだ。取り敢えず、レンゲでスープを掬ってみる。


白いレンゲの中の、透き通る黄金の液体をゆっくりと口に運ぶ。ゆっくりとそれを飲む。全身をゆっくりと不思議な充足感が満たしていく。ただ一言「うま…」としか言葉が出ない。身体がこの液体を摂取することを喜んでいるのが分かる。


「でしょ!ここのラーメンすっごい美味しいんだー」


今度は箸で麺を掴み口に運んだ。麺を観察している余裕なんてない。兎に角、目の前のラーメンを摂取することを全身が望んているのだ。

噛めば噛むほど、口の中に衝撃が走る。まるで小惑星が爆発したかのような、体験したことのない味が口中を隅々まで満たす。圧倒的な旨さが、絶対的な衝動として味覚を揺さぶる。


このラーメンを食べる手が止まらない。ズルズルと麺をすすり、スープを一口一口噛みしめるようにしながら飲んだ。最後の一滴も残さぬように、ラーメン鉢を傾けて飲み干した。


あまりの満足感に自分でも驚く。美味しいどころではない。全身の細胞がこのラーメンを堪能し尽くしたような感覚だ。


「あー美味しかった。ご馳走様でした」


奥海さんも食べ終わったらしい。


「すごいね。こんな美味しいラーメン食べたことないよ。これは、何ラーメンになるの?塩?醤油?」


奥海さんが首を横に振る。


「ここは宇宙ラーメンだからね。塩でも醤油でも、豚骨でもないよ。宇宙空間から出汁を取るんだ」


なるほど。面白い。どうやら凝った設定を設けているらしい。店名からも宇宙がコンセプトなのも頷ける。


「そう言えば、奥海さんが注文するとき「増し増し」って言ってたけど、何を増したの?野菜も油も入って無かったけど」


「空腹だよ。空腹の増し増し。ほら、空腹は最高の調味料って言うでしょ?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。