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規格外な悪役令嬢は領地を救いたい!〜恋愛?そんなものよりも領地を救う旅に出ますわ!〜  作者: ぶるどっく


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第二十五話



「……けっこん……?」


 顔を真っ赤にしたマリーナの愛の告白。


「……血液の跡ではなく、一般的には異性同士で婚姻関係を結ぶ結婚……ですか?」


「はいっ……!」


 勢い任せの愛の告白をしたマリーナは、何とかカーマインを自分に振り向かせようと叫ぶ。


「あのっ!

 ボクと結婚すればシーナ海底王国に亡命したとしても最高のおもてなしを約束します!

 砂漠の王子がサンライト王国の王族を一人残らず血祭りに上げたとしても!

 必ずや、ボクが第二王子殿下のことを一生涯掛けてお守ります……!」


「ふはっ!

 くっくく……物騒極まりない口説き文句ですね……」


 あまりな口説き文句に、カーマインは噴き出して笑ってしまう。


「うぅ……酷い目に合いましたわ……!

 ……んん?

 あらまぁ、カーマイン!

 なんだか、とってもご機嫌ですわねっ!」


 腹を抱えて笑い始めたカーマインの指先から力が抜け、ヴァイオレットの頭も解放された。


「あ、あ……えっと……ヴィー!」


 マリーナの渾身の口説き文句を受けて笑い始めたカーマイン。

 自分の言葉で笑ってくれることは嬉しいが、マリーナはどうするべきか分からずに顔を真っ赤にして狼狽えてしまう。


「あら、マリーナ!

 カーマインを無事に口説き落とせましたか?」


「笑ってくれましたけど……ボクは、好きになってもらえた自信は皆無です……!」


 どうしよう……と半泣きのマリーナに、ヴァイオレットは笑い続けるカーマインへと視線を向ける。


「カーマイン!

 正々堂々と気持ちを伝えた相手に対して不義理ですわ!

 好きになれそうなら好きだと、胸を張って答えるべきです!」


 笑い続けるカーマインの目の前に立ち、ヴァイオレットが怒ってます!とばかりに腰に手を当てて頬を膨らませる。


「くっくく……ふっ、あー……おう……」


 余程、ツボに入ったのか。

 目尻から溢れかけた涙を拭い、カーマインがニヤリと笑った。


「あー……マリーナ殿下?

 この場は非公式の場として、振る舞っても構いませんか?」


「はっはい!

 是非ともよろしくです……!」


「ふはっ……!

 俺なんかを相手に、どんだけ必死なんだよ……!」


「……なんか、では有りませんっ!」


 喉の奥で低く笑うカーマインの言葉に、マリーナが唇を尖らせた。


「第二王子殿下はっ……!

 この国で一番イイ男だと一目見て気が付きました!

 ボクの大親友であるヴィーの素晴らしさを理解していますし!

 それに、このサンライト王国でヴィーが悪友と認める第二王子殿下は、アルフレッドとかいう皇太子よりも格好いい素敵な人ですっっ!!!」


 肩で大きく息をしつつ、感情を爆発させ過ぎて涙ぐんだ目に、真っ赤な頬のマリーナの言葉。


「っ……」


 その真っ直ぐな言葉に、カーマインは目を見開き、息を呑む。


「……あー……参ったな……」


 カーマインは泣き笑いのような複雑な表情を浮かべ、口元を片手で覆う。


「その通りですわ、マリーナっっ!

 私も皇太子殿下とではなく、カーマインとの婚約であれば喜んで嫁ぎましたわ!」


「っ……ダメだからね、ヴィー!

 大親友のヴィーが相手でも、ボクの番である第二王子殿下は渡せないからね……!」


「安心して下さいませ、マリーナ!

 私に恋だ、愛だにかまけている時間などありませんのっ!

 私には、やらねばならぬことが盛りだくさんの、山盛りですものっ!

 ……まぁ、ヴェノム領のためならば、婚約者が皇太子殿下だろうと、女好きの狒々ジジイだろうと、喜んで嫁ぎますわ」


 ヴァイオレットは、まるで眩しい光を見るようにマリーナを見る。


「(そう……私に恋や愛など必要は無いのです。

 全てはヴェノム侯爵領の民のために。

 婚約者が豚でも、猿でも……嗤われ、蔑まれようと、笑って嫁いでやりますわ)」


 ヴァイオレットにとっての結婚は、愛する生まれ故郷を守るためのもの。


「(……でも……何故でしょうね。

 番なのだと……世界を敵に回しても、愛する唯一人の相手なのだと、叫ぶマリーナの輝きに…………心が痛むのは……)」


 そして、ヴァイオレットが思い出すのは氷と共に消えていった……叶えるつもりも無かった己の初恋。


 ヴァイオレットが初めて恋した氷の国の将軍も、婚約者である姫君を唯一人の愛する相手だと、傷付き、全てを捨てる覚悟で手を伸ばした姿。


「……光の皇太子って呼ばれる奴と狒々ジジイを同列に並べるのは、ヴァイオレットくらいだろうな」


「恋愛感情を抱いていない相手に嫁ぐならば、大差は有りませんもの。

 それよりも!

 私のどうでもいい婚約事情は捨て置き、カーマインの恋する乙女への返答は如何にですわっ!」


「……っ?!」


 ヴァイオレットの言葉に、マリーナの肩が跳ねる。


「……そう、だな……あー……マリーナ殿下」


「っ……はいっ!」


 期待と不安が入り交じったマリーナの表情に、カーマインは言葉を選ぶようにゆっくりと口を開くのだった。



ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


ヴァイオレットの領地再建と、アルフレッドとの恋の行方を「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ブックマークや☆☆☆☆☆評価で応援していただけると嬉しいです。


皆さまからいただく応援が、続きを書く力になります。


これからもヴァイオレットたちを見守っていただけましたら幸いです!!

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