↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
願いの外交官  作者: トコトコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/37

第19話 約束

 ハクはこの話を聞いて、明日香に話しかけた。

「あのさ……友香里は、夢を見てたことがあってね。例えば……船の時とかも。まぁ、ただ全部でたらめだね。夢は夢だからさ。ただ、夢幻の神ってのは本当。……それに主君は嘘をついているよ」

「……何を、ですか?」

「死んだら、異界に行くのは人間だけ。神は人間に転生するんだよ」

「それって……まさか。夢幻の神が死んだ……?」

 信じられない。

 そもそも神が死ぬということに驚きだ。

 それも三船連合に所属している神が。

 なぜ、主君は嘘なんてついたのか。

 「どうして主君は嘘をついているのですか?」

 「さあね」

 ハクが明日香の目をまっすぐ見る。

 「嘘をつかない神なんていないよ、明日香。君が信じてる『娘への想い』だけは本物だ。……主君の駒になんてならないで」

 私――明日香は……少し、考えていた。

 今まで信じてきた。

 でも、私のやってきたことが返ってきていたのかもしれない。

 主君は私のことをよく、知っているようだった。

 私の考えなんてお見通しだったのだろう。

 私のことは駒としか見ていなかったんだ。

 ハクは言いづらそうな様子で口を開く。

 「明日香……君は主君と対等な関係にはなりたくないのか?」

 昔の私は、主君とは対等な関係にはなれないと思っていた。

 私は……どうする。

 今まで、私の大切な人達は対等な関係でいたことがない。

 母だって……いつも私のことを見てくれず、母が上……私が下だった。

 いつも私のことを見下していた気がする。

 皆のことを平気で裏切って、母はどんどん孤立化していっていた。

 私は、そうなりたくなんてなかった。

 ただ……私が上になれば皆が見てくれると思ったんだ……。

 私にとって、主君はどういう存在なんだろう。

 偽りの母を与えてくれた。

 どうして主君の上になろうなんて思わなかったんだろう。

 神様だからなのだろうか。

 いや、きっと……。

 「私は……主君と対等な関係になりたいです」

 「明日香……君のことは助けるよ、約束する。主君関連以外で君にはやってほしいことがあるんだ」

 ハクは一拍置いた。

 「明日香には残りの二体の発見と保護。そして、友香里の死んだ原因を探ること。おそらく、裏社会の連中らか、もしくは神々とぶつかる可能性が高い」

 「友香里は特にやることはないのですか?」

 「友香里には小説家になってもらう」

 「小説家……? そんなことがどう関係あるのですか?」

 明日香の戸惑いに、ハクは不敵な笑みを浮かべた。

「ただの作家じゃない。神が作ったこの歪な現実を、別の結末へ書き換えるための『叙述者』だよ。彼女は夢幻の神。本物を偽物に変える力がある。友香里が書いた物語は、いつか神の法(ルール)を上書きする力を持つ。神々が一番恐れているのは、自分の筋書き通りに進まない『別の物語』が生まれることなんだ」

 ハクは明日香の肩を叩く。

「明日香は実力行使。友香里は運命の書き換え。二人が揃えば、きっとどれだけ恐ろしい存在もただの登場人物に格下げできる」

 ……友香里が、現実を綴る。

 そのために、彼女の死の真相を知り、残りの神を保護しなければならない。

 私は……娘を、ただ守られるだけの対象にするつもりはない。

「……分かりました。ハク、あなたを信じます」

「友香里にも話を通さないといけないね」

 友香里は階段を降りていっていた。

 リビングの扉を開き、ハクと母がいた。

 母は何をしていたんだろう。

 それにしても症状が酷くなったり、軽くなったりの繰り返し。

 最近はだいぶ治ってきていたと思っていたけどなぁ。

 母とハクはこちらを見ていた。

「お母さん、とりあえず寝て治ったよー。で、どうしたの、そんな顔して」

 母は、こちらに駆け寄る。

「私、貴方に話があるんです。後で話しますが……とにかく、貴方がいてくれて良かったです……」

「んん?あ、ああどうもです?」

 よく分からないけど……お母さんが喜んでるみたいで良かったよ。

 母は、パソコンの方に行き、起動させていた。

 何かのページを開いていた。

「パソコンは、明日届くそうです。執筆したらどうですか?」

「え……ほほほ本当?やったー」

 よし、明日から頑張るぞー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。