【59】 お華・江戸城春の陣・前編
(1)
朝、お華は、七重を連れ、本所の姉小路の屋敷を訪れた。
七重が、肖像画を完成させたと言うので、ご本人にお見せせねば、と言う事で向かったのだ。
挨拶をし、お華は早速、
「絵が完成したようですので、まずは姉様にご覧頂かなきゃと言う事で参りました。七重、ご覧いただきなさい」
と言うと、早速、七重は、丁寧に捲かれている絵を取り出し、頭を下げながら、姉小路の前に差し出す。
姉小路も、そういう事には素直に喜び、
「おう、おう、そうか、そうか」
と、笑顔でその絵を見る。
すると、いささか、妙な顔で、
「これは上手だが、余りに綺麗に描きすぎてないか?」
と言ってしまう。
まあ、お華が事前に、注意を与えていた事なので、彼女はその通り、なるべく若く、そして美しく描こうとした絵だった。
しかし、横から見ている綾瀬が、驚愕の声で、
「何を仰います御前。これは以前の御前様の通りにございますよ!」
と、大きな声で、七重を褒める。
しかし、姉小路は、
「そうかの~。ちょっと、若く描き過ぎでは無いかの」
と言うのだが、顔には笑顔が零れている。
すると、綾瀬は、
「これは、本丸に上がられた頃の御前そのものにございますよ。あの頃も御前は御 前でございましたから、私などは、あの頃の様子が浮かび上がって来る様に思わ れます。七重、見事じゃ」
と言われ、七重も素直に喜んでいる。
お華は、
「ふふふ」っと小さく笑っている。
やはり、せっかくなら美しく描いて貰った方が、本人は嬉しいに決まっている。 綾瀬が絶賛なので、姉小路も、次第に満面笑みとなり、
「あの頃のわらわか……」
と、思い出に浸っているようだ。
すると綾瀬が、
「葛飾殿のお弟子さんの絵じゃ、ちゃんと飾らねば」
などと言うから、周りも慌てて、どうしよう・こうしよう、と協議が始まる。
絵の件が落ち着くと、姉小路は改めてお華に、
「とうとう、上様は寛永寺に謹慎に入られたそうな」
と、話し出す。
七重は部屋の端で、他の下女達と、絵をどう飾るか、話し合っている。
それはともかく、お華は、
「姉様、残念ながら、かのお人は戦国の頃の武将にもなれないお人にございました。 戦いを起こしながら、朝廷に朝敵とされると、兵を残し、我先に江戸に帰ってし まうお方にございました。もともと将軍様には無理なお方にございました」
それには、姉小路、綾瀬も大きく頷く。
「そして、既に御台様、天璋院様にはご了解を頂きましたが、私に取っての最後の 抵抗を考えております」
姉小路は笑い、
「瀧山から、書状を貰ったぞ。そなた大変な事を考えている様じゃの」
お華は少々笑い、
「いえいえ、姉様ならと、真似をさせて頂いただけにございます」
これには、姉小路も笑い、
「わらわの真似? いやいや、わらわもそこまでは考えぬわ。で、何するつもりじ ゃ」
と言われ、小声で、お華の陰謀の話を始める。
さすがに姉小路は、
「なんと! そこまで!」
と、困惑する。
お華は、
「しかしながら、向こうが、私の要求を呑むかどうかにございます。私には、おそ らく呑むものと考えております。そこで、姉様にはお詫び申し上げなければなり ません」
「詫び?」
「姉様は既にご存じだと思いますが、私はあの真田幸村の配下だったとも言われる 者。それでも、先の上様までは何も考えてはおりませんでしたが、あのかのお方 では話が違って参ります」
それには姉小路も静かに頷く、
「長年、大奥年寄であった姉様には誠に申し訳ございませんが、私はお上の為に働 く事は出来ません。たとえ、誰が上に立つとしても、私共の里、つまり我が家が 長年守って来た江戸を、焼き討ちにすると言うことだけは、決して許す訳には参 りません。この事、どうぞお許しくださいますようお願いいたします」
これには、綾瀬は、まるで姉小路の様な気高さを感じ、感心した。
当の姉小路も納得した。
すると姉小路は、
「うん。これまでの我が国では、様々な者が上に立ってきた。しかし、どれも今に 至らなかった。それでも徳川家は、そのいずれよりも長く続いてきた。それだけ 権現様が様々な事を考え、導いて頂いたのであろう。だが、それも終わりが来た ようじゃな」
するとお華は、
「左様にございます。権現様は、これまでの平安をお作りなさったと私も思います。 でも、どれもこれも未来永劫という訳には行きません。人に寿命があるように、 この事もどうやら寿命か訪れたのでしょう。私は女ですので、戦いを起こすと言 うわけにも参りません。ですが……」
とそこまで言うと、姉小路が、手を上げ遮ると、
「そなたの言う事じゃ、わらわも充分承知しておる。最後の最後、権現様に成り代 わり、綺麗に終わらせておいで」
姉小路は笑顔で言った。
お華も笑顔で返す。
するとお華は、
「そろそろ時でございますので、行って参ります」
と、深く一度平伏して立ち上がり、
お華は、七重を綾瀬に頼むと、屋敷に戻って行った。
(2)
さてその頃、勝は既に屋敷におり、お華を待っていた。
庭から戻ってきたお華は、そのまま座っている勝を見つけ、
「これは、勝様。お待たせ致しました」
と、頭を下げ、座敷に上がり、目の前に座った。
「姉小路殿の所に行って居ったのか」
と問われると、お華は笑顔で、「はい」と答える。
すると、お華は、
「勝様。御台様と天璋院様の書状はお受け取り成りましたので?」
「ああ、もうお二人はお覚悟をお決めになっておられる様じゃ」
お華は微かに微笑み、
「それでは、あとは勝様次第にございますね」
と言うのだが、勝は笑って、
「何を申す。実はそなたの思惑次第じゃろ」
などと言われると、お華は小さな笑顔で、
「いえいえ、それは最後の手段。なるべくそのような事にならぬ様、祈っておりま すよ」
それには、隣でおさよも吹き出してしまう。
そしてお華は、そのおさよに、
「兄上は、既に?」
と聞くとおさよは笑顔で、
「ぶつぶつ言いながら、朝方出掛けていきましたよ。私に、お前がお華を止めろなどと行ってましたが」
それにはお華も笑い、
「戦に行く訳じゃないって行ってるのに、しょうが無い兄上ですね」
と言うと、奥で控えていた優斎が、
「お華。本当におさよ様と二人だけで行くのか?」
心配そうに言うと、お華は、
「そうですよ。女二人と佐助だけなら、いらぬ警戒もしないでしょうしね」
と笑い、
「では、勝様、参りましょうか」
と三人と佐助は立ち上がった。
そして、品川に向けて進み出した。
場所は、薩摩高輪藩邸と言われているが、つい先日、お華達が焼き討ちした場所でもある。その時、焼け落ちているので、近辺だと思われる。
今のJR田町駅には、会談の記念碑が建っているので、その辺なのだろう。
一行はやはり、その近辺にあった蔵屋敷に向かった。
途中、お華は佐助に、
「あんた、おみよに屋敷に逃げる様に、言ってあるわね」
「へい。もう着いている頃にございます」
お華は頷き、そして、
「もし、攻撃となったら兄上の所に走って貰わなければいけない。大丈夫ね」
と聞くので、勝が、
「どういうことじゃ?」
と眉を寄せて聞くと、
「そこから狼煙を上げるんですよ」
などと、些か恐ろしげな事を言うので、
「何の狼煙じゃ」
お華とおさよは微笑み、
「それは高尾と続き、甲州、信濃、尾張と続き、京まで。ふた時もあれば届くでし ょう」
それには歩きながら、勝は驚き、
「京だと? 何するんじゃ!」
と声を上げて聞くのだが、お華は、年を取っても相変わらず小悪魔の笑顔で、
「まあ、勝様次第と申し上げたでしょ。そうなったら貴方様もお覚悟を」
などと言われるから、勝は腕を組んで黙り込んでしまう。
(3)
さて、指定の場所に到着すると、当然ながら、大勢の薩摩長州軍が集まっていた。
つい先日も、お華はこの近辺にやって来たが、その時とは違い、一応正規軍なので、警備も厳しい。
しかし、それには勝が、
「西郷殿と談判に参った」
と言うと、それは兵達に行き渡っていたのか、素直に通す。
ただ、お華とおさよについては、さすがに不審に思ったのか、
「勝殿、このものらは?」
と聞かれる。
勝は些か笑い顔で、
「こういう時じゃ、ついてる者も女なら、そなた達も安心じゃろ」
と、取り過ぎるのだが、
(こいつらが、一番危ないんだがな)
などと思いながら、指定された建物に入っていった。
「これは、勝先生。どうぞこちらへ」
と、西郷は勝に席を指し示す。
ただ、西郷もお付きの者の様な顔をして一緒に来たお華とおさよには少々驚いた様で、
「こちら方は?」
と、勝に聞くと、これにはお華が、
「私共は、御台様、内親王様の代理、そしてこちらは天璋院様代理の者にございます」
一応頭を下げたが、目は微笑んでいない。
「さて、西郷殿」
と、交渉を始める。
警戒の為か、勝らの後ろは開け放たれ、薩摩・長州の侍共が多数、こちらを覗いている。
これでは、交渉と言っても、のっけから心理的圧迫を加え、有利な結果になるよう仕組まれていたのかも知れない。
ただ、勝はともかく、お華達には、その様な小細工は通じない。
そして交渉といっても、既に大政奉還はしているので、この話し合いは、どこまでも徳川慶喜の処分と江戸城総攻撃についての話し合いとなる。
勝は、和宮、そして天璋院からの嘆願文も渡し、ひたすら穏便に事を図ろうとするが、薩長はどうしても、慶喜の首を取ること、そして江戸の破壊がしたかった。
さすがに勝は、慶喜の命を差し出すわけにはいかないので、交渉は暫く平行線であった。
後ろの連中も、あちこちから「慶喜の首じゃ!」とか「江戸の総攻撃じゃ!」
と、叫び出す。
西郷も、
「勝殿には残念だが、朝敵となった、徳川慶喜をこのままには出来ぬ、そして、そ れに従わぬならば、江戸総攻撃を命じなければならん」
と、冷徹に言い放った。
これで、もう何も言えまいなどと思っていた西郷だが、ここで、お華に業火が吹き上げた。
お華は、肩肘ついて、
「ほう~、随分と威勢の良い事」
と嘲笑し始めた。
この突然のお華の言葉には、西郷も驚いている。
おさよは、
「始まったか」と些か微笑み、勝は「おいおい」と止めようとするが、手を出せば業火にやられる。仕方無いと項垂れる。
「朝敵? 和宮様も朝敵と言うのかい? 先の帝の妹様に対して!」
これは、西郷に取っても突かれたくない言葉であった。
とは言え、こうなってしまえば、
「しかし、これは今の帝様の御命によるものじゃ、せめてその前に逃げて頂ければありがたい」
などと言うから、お華は、
「あ~ら。和宮様は、もしお城を攻撃するならば、自害するとお決めになっている 様じゃ。さすが、先の帝様も毒殺したと大きな噂になってる薩長のやること。あ んたらの尊皇ってのはそんなもんだったんだね!」
と言われ、西郷はさすがに、
「それは誤解じゃ、恐れ多く帝様に向かいその様な事はしもうさん」
さすがに薩摩弁が出てしまった様だ。
しかし、お華は続けて、
「天璋院様も同じよ。その時は御一緒に自害なさると仰ってたわ。西郷さん、あん たは、亡き斉彬様に謀反をするってのかい?」
もう、この攻撃には、西郷だけで無く、勝に至っても首に手をやる。
すると、後ろの観客は、あまりのお華の言い方に腹を立て、中の一人が、
「おなごんクセに、せいごぉどんに無礼な暴言、許せぬ!」
と、刀を抜き踏み込んできた。
が、それはお華おさよである。先刻御承知だった。
お華は振り返りもせず、素早く、頭から腕を後ろに多きく振り上げる。
鼻っ柱に見事に突き刺さる。
浩太郎が得意な技だ。
同時におさよも、素早く振り返りながら、背中の小太刀を抜き、膝を落とし、足に向かって八の字に切り裂いた。
男は同時の攻撃に悲鳴を上げながら、庭に落ちていく。
他の者達が、あわててその者に近寄る。
しかし、この速さには、さすがに西郷そして、同じくそこに居た連中は、目を大きくし、驚愕する。
そしてその時、西郷はある事が頭に浮かんだ。
「そなたもしやすると、生麦で我が薩摩の行列、三十数名を襲った女か!」
それにはお華は笑い、
「おや、そんなことご存じで? でも、あたしが襲ったなんて、とんでもないわよ。あんたらが、いい加減な攘夷を叫んで、向こうの女をよってたかって、つまらない示現流で斬ろうとするから、助けに入っただけよ。あの時から、あんたらの武士道が如何に、卑怯なのものか分かったけどね」
それには勝さえ。目が点になって驚いている。
お華はそのまま、
「全く、薩摩の連中は、どれもこれも同じだねぇ」
と笑う。
「女を後ろから斬ろうとするなんぞ、武士の風上にも置けないよ。江戸の辻斬り強 盗なんぞ、まさに薩摩を象徴してるねぇ~。アレもあんたの指図かい?」
些、笑顔で、いや得意の小悪魔の様な笑顔で、西郷に問いかける。
これには覚えがあるのか、西郷も何も言えない。
すると、お華は話を変え、
「西郷さん、あんた江戸に勤めてた事があんだろ? この近くにある寺って知って るかな」
いきなり変化球の話になり、後ろに座っていたこれも薩摩の侍が、
「あや、泉岳寺じゃろ」
お華は微笑み、
「そう。もし江戸を攻撃して、罪も無い女子供を殺すというのなら、あんた達も敵 討ちってのを覚悟するんだね」
それには勝が、
「か、敵討ちじゃと?」
「そりゃそうですよ。まだ慶喜さんだけならまだしも、無辜の女子供達も手に掛け ようとするなら、敵討ちは武士の作法。ねえ、西郷さん」
これには、これも後ろに座っていた、後の大村益次郎が笑い、
「ここから、どうやって行くのだ。すぐわが軍隊に蹴散らされるわ」
と言うのだが、お華は嘲笑い、
「あんた村田蔵六でしょ。前に、適塾にいたって言う。うちの医者の旦那から聞いたわ。 それに、お上の役所にも勤めてたっていうじゃない。そして今度は朝廷かい? 随分とお忙しいお人だねぇ」
と笑い、自分の事を知られていた大村は、驚いている。
「あんたは西洋の戦いに詳しいらしいけど、ちょっと足りないねぇ。この国はこの国で、 すぐに知らせる術ってものがあるのよ」
もう、お華の独壇場である。
大村は、目を三角にして、
「いかにするというのだ」
と叫ぶ、お華は大きく頷いて、
「簡単よ、砲撃が始まった途端、狼煙により江戸から京まであっという間よ」
「狼煙?」
「これは、甲斐の武田信玄公の頃から使っていた技。川中島とかね。そしてそれは、 次々に間を開けず、長州、薩摩まで届く。既に手配は終わってるから、狼煙が上 がれば 一挙に、あたしの忍び仲間が、みんな城下、街、そして御所も火を付け る。そうそう西郷さんって、薩摩 の加治町ってとこに住んでるらしいね。特に その辺重点的にね、一挙に。まあ、 敵討ちともなれば、それぐらしないと、仇 討ち成就ってならないでしょ」
これには、西郷も大村も、言い返す事が出来ない。
そしてお華は、
「あたしはね。勝さんには悪いけど、慶喜さんなんぞ、どうでも良いのよ。戦もす る気は無い。ただ、江戸総攻撃は、決して許さない。これをするなら、あんたら の家族一党も同じ目にあってもらわないとね」
勝は、ようやくお華が考えている事の全貌を理解した。
「なるほど、奥の手というのはこういうことか」
お華は、
「伊賀、甲賀、信濃の忍びの里を攻撃するのなら、そこまで覚悟してるのね。と言 う事ですよ。こんな事、戦国の世なら当然の事、みんなあそこから生き残ってる んだから。そしてそれをやった人達がどうなったのかは、ご存じでしょ」
西郷は、全身に恐怖が伝わるのを感じていた。
薩摩に残している家族らの事を思い出す。
これは、他の連中も同じ事。目が泳いでいた。
すると、お華は、些か微笑み、
「それとね、あんたらも無事にはいられないよ。あたしらは、やあやあと戦う積も りは無いけ ど、夜、寝静まった頃、あの世に行って頂く」
と言うと、笑顔のまま、斜め上にめをやる。
「ああやってね。ねえ、ろくろ首の姉さん」
そう言うと、
「いつまで待たせるのよ」
などと些か文句を言いながら、忍び姿のお香が上半身を天井から出して、愚痴っぽく言う。
これには全ての人間が驚き、西郷も、
「い、いつの間に」
と、あまりの事に驚く。
お華とおさよは笑っている。そしてお華は、
「これが忍びって言うのよ。早く、号令掛けるなら掛けなさい。その瞬間、あんた の首は、あの甲賀の統領 が」
と上を指差し、
「撫で斬り手裏剣に、その太い首を切り裂く事になっています」
そして、後ろの連中にも、
「余計な事すると、あんたら大将の首から沢山、血が出るよ」
と、脅す。
さすがに西郷は掌を上げ、
「ち、ちょっとまて」
と上に目をやりながら、後ろの連中に、意見を聞いている。
勝は、腕を組みながら、お華の言葉に感心していた。
彼も、今後は世界の新しい世界に目を向けるべし。
と考えていた男だが、それさえも打ち破るのが、女のお華だ。
これには本当に驚いていた。
これは単なる戦略ではあるのだが、戦国の頃の戦いを持ち出すなんぞ、思いも寄 らぬ事だった。
少々、間を置いて西郷は決断した。
「こいは、おいんの負けじゃ。総攻撃は中止しよう」
と勝とお華に言った。
勝は、大いに喜び、頭を下げたが、
お華は、妙な顔をしている。そして、
「ずいぶんと、アッサリ辞めるのね~」
と些か、訝しげに言う。そして、お華はおさよに、
「こういうのが、一番信用出来ないと思わない? 姉上」
おさよも微笑み、
「そうねえ、天保の頃から、そんな言葉に載せられ、ひっくり返されるなんてしょちゅうだったからね」
と笑い出す。
しかし、西郷は慌てた様子で、
「こんた、まこっとじゃ!」
と薩摩弁で言うのだが、お華は更に訝しげに、
「どうせ、早馬で京に使いを出し、アッサリ、撤回するんでしょ。こんなん、いつ もの薩摩の手。昨日まで「攘夷だ攘夷だ、と騒いで、外国人を斬りまくって、お 上が危なくなると、あっさりイギリスやアメリカの鉄炮と大砲もって、反乱起こ す様な連中だからね、つまらん茶番はよしてくんな」
西郷は、おなごなのに、よく知っていると、逆に思ってしまう。
そして、後ろで同席していた、小松帯刀も苦笑している。
バレてしまっていたからだ。
そして、お華は、
「まず、一旦、軍を下げて、命令が行き渡るの確認しないと、じゃないと、すぐ、狼煙よ」
と言った時である。
遙か後方から、
「姉上! 姉上!」
と叫ぶ声が聞こえた。
※※※後編につづく※※※
遅くなりましたが、今回もご覧頂きありがとうございます。
さて、物語はとうとう江戸城無血開城の話になって参りました。
あまりに拙速では? とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、これはあくまで江戸での話。
維新の舞台は、ほとんど上方。
江戸ではこんなもので、江戸庶民も噂は聞いてはいても、いきなりの事と感じていたのではないでしょうか。
しかし、お華にとっては、そうも行かず、ここからが本番なのかも知れません。 さて、次回は、更なる展開となります。
よろしければ、また次回も、お願い申し上げます。
ありがとうございました。




