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お華の髪飾りⅡ  作者: 本隠坊
12/65

⑫女王退位

(1)


 お華はその日、一人で座敷に座っていた。

 喪服のお華は無言で中奥の方向に頭を下げ、ひたすら合掌していた。 

 呼ばれて登城したものの、部屋には下女さえおらず、本当にたった一人であった。

 

 その前日、嘉永六年六月二十二日。

 第十二代の将軍・徳川家慶が崩御した。


勿論、大奥の部屋で仏前では無いのだが、お華は御家人の娘。

 大奥の女でも無く、身分的には単なる廻り同心の娘の妹に過ぎない。

 他の御家人は勿論、旗本であっても城での葬儀に呼ばれる事など殆ど無い中、

 城内大奥に呼ばれた彼女にとっては大変、光栄、そして名誉な事であった。


 暫くすると、姉小路と綾瀬が部屋に戻ってきた。

「お華。すまんな」

 それにはお華も平伏し、そのまま、

「私などの身分で、この様な折に呼んで頂いて、誠にありがたい事にございます。我が家先祖から兄までにとっても、大変有り難い事と恐縮しております。また私。そして姉は、上様にご褒美まで頂戴しており、この事のお礼も満足に出来ないままにございましたが、これで、僅かながらもお許し頂ける様お祈りしておりました」

 姉小路は、少し頷いて、

「上様は、特にお華。そなたの事は特に気に入っておった。あの方が、大奥に入れないお気に入りの女などそうは無い。来てくれてきっと喜んでおられるだろう」

「これはこれは、有り難いお言葉。誠に持って御礼申し上げます」

 先程も言ったが、誰も居ないので、綾瀬自身がお茶を持って来て、二人、そして自分にも持って来る。

 お華は慌てて、

「これは綾瀬様自ら。誠に申し訳ありません」

 と礼を言うと、綾瀬は微笑みながら、少し首を振りその場に座る。

 そしてお華は、姉小路に、

「姉様? お上は一体どういう事で、お命まで?」

 と、最後の状況を聞いた。


 日本中が黒船騒ぎで大混乱の中、家慶は薨去してしまった。享年61。

 死因は、現代でも注意を呼び掛けられている、熱中症による心不全とされている。

 エアコンも扇風機も無い時代であるから仕方の無い事ではあるが、日本一の医療設備と人材が揃っているにもかかわらず、水分補給程度の進言もしておらず。

 いわば、あっけなく亡くなってしまった。


 すると姉小路は、

「お華。今日来て貰ったのは、その事だけではない。実は頼みがあって呼んだのじゃ」

 綾瀬もその言葉に頷く。

 お華は顔を上げ、

「頼み……にございますか」

「うん。実はな。わらわはこれで、大奥を退こうと思うておるじゃ」

 お華は驚いた。そして、

「お辞めになるのですか? それはまた、何故でございます? もしかして、若君(徳川家定)からのご命令でございますか?」

「いや、そうではない」

 と姉小路は首を振る。

 大奥女中は一生仕事と思われているが、仕えている将軍、又は御台所が亡くなった場合は、特にそのまま残る様に指示されない限り辞めるのが普通である。

 つまり、姉小路は上様付きの上臈年寄であるから、基本的に大奥を退いてもおかしくはない。

 しかしながら、大奥の女帝とも言われている姉小路である。

 その気ならば、居残るのも自由に決められる。

 だが姉小路は、それにも関わらず大奥引退を決意していた様である。


「では、なぜ?」

 姉小路は笑って、

「わらわも、もう年じゃ。そろそろ疲れてしまっての。大奥には後を任せられる者もおる。これを期に譲るのが良いと思うての」

 すると綾瀬が、

「そう。じゃから、部屋の者も殆ど他のところに移動させたのじゃ」

 お華は頷きながらも、

「でも姉様。今は非常に混乱している時期にございます。何も今、お辞めになる事は無いのでは?」

 少し不満気味に、姉小路に訴える。

 しかし姉小路は、笑って手を振りながら、

「わらわが居なくても、大奥には滝山もおるし、あの若君ではまさか、物騒な事にはならんじゃろ。ここらが引き時じゃ」

 それにはお華も頷く、

「確かに滝山様ならば、特に問題はないでしょうが、恐れながらあの若君で、来年何も無く、乗り越えられるのでしょうか?」

「大丈夫じゃ。阿部殿もおられるからの」

 しかしお華は、少し首をひねり、

「阿部様は、とても良い方ではございますが……」

 と言うと、姉小路は、

「何でもな、阿部様は、江戸湾に台場なるものを作って、大砲を用意するそうじゃ。それで、江戸を守るとのお話じゃ」

「は~。お台場でございますか……一体誰のお知恵なのでしょうか?」

 それにはさすがに姉小路も首を振り、

「それは知らん。まあ、でもそこまでお考えならば、わらわが居ても意味はあるまい。丁度良い」

 お華は微笑み、

「そこまでお考えならば、私などが申し上げる事はございません。そうしますと、大奥を辞めになるとなれば、京都にお戻りに?」

 姉小路は、その名前の通り、京都出身だ。

 大奥を辞めるのならば、京都の実家、橋本家に戻るのだろうとお華は思っていたのだが、姉小路は、

「いや。江戸に残る」

 と言って笑う。

 それにはお華も驚いて、

「まあ、私なんぞはそうそう京には上れませんから、江戸にいらして頂いた方がありがたいですが、京より江戸の方が良いのですか?」

 姉小路は頷いて、

「うん。辞めたと言っても、わらわは上様に仕えた者。お亡くなりになっても御側に仕えたいのじゃ」

 これには、お華も目を大きく開ける。

 なにやら、姉小路の心の中が微かに見える様である。

 すると綾瀬が、

「それでなお華。引っ越しを手伝って貰いたいのじゃ」

 と言ったのだが、それにはお華は笑い、

「私に荷物を持てと?」

 綾瀬も笑って首を振る。

「いや、そうではない。引っ越しそのものは伊賀衆に頼んでおる。もう既にいくつか運んでいる。それよりお前に頼みたいのは、姉小路様増上寺への付き添いじゃ」

 お華は多少不思議な顔をしていたが、手を打ち、

「ああ。上様の菩提寺は、増上寺にございましたか。それで……」

 と言ったのだが、姉小路は、

「それもそうじゃが、それとは別に法主様に、髪を下ろして頂けなければならんのじゃ」

 お華を見詰め、改まった様子で答えた。

 しかし、お華はそれには驚いた。

「髪を下ろす? 姉様が?」

 この頃、将軍が亡くなった場合、御台所以下、側室は髪を下ろし仏門に入ることが義務とされていた。

 そして、それらの者は江戸城西の丸、もしくは桜田の御用屋敷に移り、その後を過ごすのがしきたりである。

 しかし、最高実力者であったとは言え、姉小路にそのような決まりやしきたりは無い。お華が驚くのも無理は無い。

 姉小路は低い声で、

「わらわは、上様、若君の折から仕えてきた者。これはわらわのけじめだと思っている」

 お華には、幾らか寂しげな思いを感じられたものの、一方で明確な決意も伝わってきた。お華は、深く頭を下げ、

「承知致しました。これも私があれこれ言う事ではございません」

 と、一応納得したものの、

「姉様。続けて若様にお仕えするのが、ご面倒になってませんか?」

 などと言うから、姉小路達は少々苦笑したが姉小路は、

「これお華。なんと言う事を言うのじゃ。思っても口に出してはならん!」

 笑いながら叱る。

 お華も笑みを浮かべながら頭を下げ、

「これは、大変失礼致しました……。ただ、本当に心配なのです。上様お元気であれば、今回の事もそれほどの混乱を招く事も無かったでしょうが、若様では少々……」

 それには姉小路も、

「言いたい事は分かっておる。しかし、これも定めというものじゃ。わらわもそなたも、その中で生きていかねばならん」

 お華もそれには、

「確かに。確かにそうなんですけど……」

 と、言葉に詰まる。


 将軍家慶は、その父親、前将軍の家斉の政治を否定し、水野の改革に載ってしまった事から、暗君のイメージがつきまとうが、これは西の丸の若君であった頃から、その当時西の丸老中の水野忠邦の頭脳明晰を買い進めた事である。

 しかしながら、水野はやり過ぎた。

 一度動いてしまえば、それを止めるのは将軍と言えども至難の業であった。

 だが、状況を察知し、限界を見極めると直ちに止めた。

 これだけを見ても、決して暗君とは言い切れない。

 松平春嶽は後年、家慶を凡庸の人で、単なる、そうせい様であったと評しているが、些か見方が甘い様に思われる。

 ただ、子孫繁栄においては、父、家斉同様、一橋家の方針を守り、生涯で二十三人の子孫に恵まれた。

 しかし、生き残った子供はたった一人。若君、政之助(家定)だけである。

 家斉の子供達以上に、我が国最高の環境下で驚くべき乳児・幼児生存率だ。

 更に、残った家定は、当初から長寿を期待できる男では無かった。

 結局、この事が後の、安政の大獄の引き金となる。


 お華は、姉小路の命を受け、詳しい日程を聞き、

「承知致しました。それでは当日、平川まで参上致します」

 とお華は下がり、そのまま、八丁堀に向かった。



(2)


 話を聞いた、おさよも新之助を抱きながら驚いていた。

「姉小路様がご出家?」

 お華は、小春を抱きながら、

「そうなのよ。私も驚いちゃった」

 小春に笑いかけながら話す。

「まあ、仰ることはご理解出来るけど、これから大丈夫なのかしら」

 それにはお華も、

「そうなのよ。まあ滝山様もしっかりした方だけど、若様がね……」

 おさよも頷き、

「そうね。悪い事が起こらなきゃいいけど」

 すると、昼過ぎに関わらず、浩太郎が屋敷に戻ってきた。

 おきみが、おさよの代わりに迎えに出る。

 浩太郎は着替えもせず、居間に入ってきてお華に、

「お華。我が家を代表して、お悔やみを言ってきてくれたらしいな。隣の父、母も喜んでいた。俺も助かった。ご苦労だった」

 珍しく素直に頭を下げる。

 お華は笑って、

「これはわざわざ、ありがとうございます。ところでさ、奉行所の方はどう?」

 浩太郎は、おさよから新之助を受け取り膝に載せながら、

「どうだったって? 何か仰っていたのか」

 お華は、掌を前に振り、

「それがさ、今、姉上にも言ってたんだけど、姉様、大奥をお辞めになるそうよ」 さすがに浩太郎もそれには驚いた。

「なんと。お辞めになられるのか?」

「そうなのよ。何か、ご自分の仕事は終わったみたいな事仰ってね。それにご出家もなさるそうよ」

 浩太郎も目を大きく開け、

「出家か……う~ん。まあ、分からぬ事もないがな~。それで京に帰られるのか?」

 お華は笑って、

「ところがね。江戸にお残りになるそうよ。新しいお住まいは、麻布の長州様の御屋敷だって」

 何の皮肉か、姉小路の新居は、長門清末藩の麻布龍土邸だった。

「ほう。麻布か。確かに増上寺に近いからな。しかしそれじゃ、姉様は上様のお手が付いているって世間で言われてる通りになってしまうな」

 浩太郎が少々笑って言うと、お華は大きく頷き、

「直接は言わなかったけど。私もなるほどと思っちゃったわよ」

 するとおさよが、

「いいじゃないですか。それが本当であったとしても。それで江戸にお過ごしになるのなら、それも一つのご忠義です」

 さすがにおさよに言われると、浩太郎も苦笑してしまう。

 するとお華が、

「ということでさ、当日、奉行所の方からそれとなく、どなたか護衛。お願いできないかしら。まあ私も付き添うけど、姉様も最後のお勤めだからね」

 それには、浩太郎も大きく頷き、

「おう。それは麻布・品川担当の同心に伝えておくよ。ところで、お前も一緒に出家するのか?」

 と大笑いだ。

 お華は怒った顔で、

「なんで私が! あたしはまだ、嫁にも行ってないのに」

 さすがにそれには、おさよと、おきみも大笑いとなり、小春もキャッキャ喜んでいる。


さて、家慶が増上寺に納棺された後。

 翌日、姉小路一行は再び増上寺に向かった。

 そして、定法通り髪を下ろし、出家の身となった。

 お華も、大奥の行事ではないので、一緒にその場に行き、出家の様子を見ていた。

 髪を下ろした、姉小路は法名が書かれた紙を受け取り、綾瀬とお華に見せた。

 そこには、「勝光院」と書かれていた。

「お華。本日から、わらわは勝光院じゃ。よろしくな」

 と言われたが、お華は少し首を傾げ、

「いや~私はつい「姉様」と言ってしまうかもしれません。どうかお許しを」

 それには、勝光院、綾瀬も笑って頷いた。



(3)


 先の将軍 御薨去を世間に、公式に発表した後、喪があけると、

正式に、徳川家定の将軍就任が、公式に発表された。

朝廷から使者が到着し、江戸城大広間にて諸侯列座の中、将軍就任の行事が執り行われた。

 緊張した顔の家定に、源氏長者・内大臣・征夷大将軍の勅許状が手渡されると、正面、庭まで出ていた勅使の一人が高らかに大音声で言い放つ。

「御昇進! 御昇進!」

 これにて、第十三代・征夷大将軍・徳川家定が誕生した。

 そして同時に年号も、「安政」と改号される事となった。

 ついに安政という、天地と共に最大の混迷時代が幕を開けるのである。


 それから数日後、お華は伊達家の上屋敷に居た。

「お姫様? 本日は両国辺りをご見学頂いて、柳橋の茶屋でしばし、お昼を取りながらお過ごし頂くという事になります。よろしいでしょうか?」

 嬉しそうに頷く姫。

 姫の名は、甲斐姫である。

 お華が続けて、

「そして今回は、先日の様な駕籠ではなく、のんびり歩いての見物です」

 と笑い、

「姿形も、町家の娘の格好で、つまり私と同じ様な格好でのお忍びにございます。よろしいですか?」

 と聞くと、姫は妙に喜んで、

「なに、町人に化けるのかえ?」

 笑顔を振りまく。お華は頷き、

「ええ。奥方様、留守居様にもご了解を頂いております。殿様もその方が返って安全と申し上げた所、快くご承諾頂けました」

「そうかえ。そうかえ」

 と何度も頷く姫だった。

 姫は、初めての駕籠も使わぬ(そと)()に、ワクワクしている。

 身分は高いが、屋敷外には殆ど出る事が許されない姫にとっては、夢みたいな話である。

 その嬉しさは、お華にも充分理解出来る。

 それはお華の後ろに並ぶ、優斎兄弟、そしておみよ達も微笑む。

 そしてお華は、

「姫様。誠にご無礼かとは思いますが、このお忍びの間は、姫をおかいさんとお呼び致します。かっこだけ変えても、姫様ではさすがにおかしいので……」

 それには姫も微笑んで、

「そりゃそうじゃ。おお、おかいか。呼ばれた事無いから、それも何だか嬉しい」

 と喜んでいるが、裕三郞が困った顔でお華に、

「え? 私もそうお呼びするのですか?」

 お華は厳しい顔で、

「当たり前じゃ。姫のお命にも関わる。連れて行かれたらどうするの。サブちゃんじゃ、何も出来ないでしょ!」

 横の優斎とおみよがクスクス笑っている。

 そしてお華が、

「じゃ、おみよちゃん。姫の御髪と装束をお願い。サブちゃんは両国までの船の確認を。急いでね」

 と、お華に使われ、裕三郞は、少々不満そうな顔で立ち上がり部屋を出た。

 

さて、姫を含めた四人は、猪牙舟二艘で両国へと向かった。

 片方に載っているのは姫と裕三郞。

 裕三郞は、緊張の面持ちで固まっている。

 何か有ったら、飛び込んで助けなくてはならない。

 しかし、彼は運動は苦手。水泳など出来る訳がない。

 これは命がけだ。だから緊張するのも当然なのだが、一方の姫は、どこにでもいるような娘の格好に満足して更に、初めての船旅にキョロキョロしながら笑顔で載っている。

 一方の船には、お華と優斎。

 こちらは、裕三郞など全く信じていないから、何かあったら直ぐに飛び込む覚悟はとっくに出来ている。

 船頭にもなるべくもう一隻に近づきながら行くよう指示している。

 それはともかく、お華はこの日の大川に少々の異変を感じていた。

 その事は、一緒の優斎も同じ様に思っていたようで、優斎は船頭に、

「船頭さん。さっきから荷物の船が結構の数、往復しているようだが、何かあったのかい?」

 と聞いた。

 すると、年配のその船頭が船を漕ぎながら、

「ええ。何でもお上の御用で船が集められてるようでして。あっしらの様な猪牙にはお呼びが掛かりませんが、相当な数、品川沖に集められている様ですぜ」

「ほう~」

 と答えた、優斎にお華が、

「何が始まるの先生」

 それには、優斎も首を傾げ、

「何でしょうね? あ、もしかしたら、アメリカの……」

 その言葉には、お華も驚き、

「アメリカ船? 何するんだろ」

「もしかしたら、深い所を埋め立てて、大きな船を通さなくするのかも知れませんね」

 お華は、目を大きくして、

「そんなんで、なんとかなるの?」

 さすがに優斎も笑って、

「まあ私も、それじゃ役に立たないとは思いますけどね。ただ何もしないっていう訳にもいかないんでしょ」

 それには、お華も頷いて、

「なるほどね~。かっこだけは付けようってことか。そう言えば、姉様が言ってたよ。お上がお台場作るって」

 優斎は少し驚き、

「ほう。姉小路様が。お台場と……」

 そうして、二隻は両国橋袂の船着き場に着いた。

 両国はご存じの通り、現在では両国国技館など、川の向こう側の方が流行っているが、この当時では、反対側の橋詰めの周辺が、大変賑やかであった。

 この地域は、両国広小路とも言われ、いわゆる火除地のひとつ。

 多数の店や見世物などの小屋が建ち並び、大変、賑やかであった。

 一行は、あれこれ、さんざんに見物した後、

「では、おかいさん。柳橋の方に行きましょうか」

 お華おみよが、いつも行く仕事場の茶屋に事前予約を入れているので、そちらに向かってゾロゾロと歩いて行った。

 すると、先にある川沿いの飲み屋から数人の男達がゾロゾロ出てきた。

 浪人だか御家人だか見分けのつかない連中、四人ぐらいが酷く酔っ払って、道一杯に開いて、こちらに向かってくる。

 芸者の時と同様、お華はそれを避ける様に道の端に避けようとしたが、

 その四人の中の一人が、ニタニタして大声を掛けた。

「おい、お姉ちゃんたち、ちょっと俺らに付き会わねえか?」

 やはりそう来たか……と苦笑いのお華。

 とっさに優斎は、姫こと、おかい。そして裕三郞とおみよに、

「下がっておれ!」

 と声を掛けた。

 その男達は、酔っ払いながらもお華と優斎を道一杯に囲んだ。

 少し離れた姫は、思わぬ事に恐怖の顔で、少し震えている。

 こういう場合、お姫様であろうと町の娘であろうと危険には変わりない。

 しかし、前で姫を庇うように立っている裕三郞が、姫に、

「ご安心下さい。兄とお華さんがいます。姫様には指一本触れる事は出来ません。私で無いのが残念ですか……」

 それには、こんな状況にも関わらず、おみよが吹き出してしまう。


 その如何にもといった異様な光景に、道両側にいた町民達は、

「喧嘩だ、喧嘩だ!」

 と一斉に、慌てふためいて押し合いながら、お華達から離れる。

 ところが、ある程度離れると、今か今かと怖いながらも様子を覗いている。

 そんな時だった。

 おみよの後ろの野次馬の中から、聞き慣れた声がかかった。

「おみよじゃねえか?」

 おみよが驚いて振り向くと、なんと浩太郎だった。

 いつもの格好ではなく、羽織を肩に引っかけ、後ろには人数を連れている。

「だ、旦那様!」

 浩太郎は笑みを少々浮かべ、

「おい、どうしたんだ」

 おみよは前を指差して、

「姉さんと先生が……」

 と言うと、浩太郎が呆れた顔で向こうを伺い、

「なにやってんだ?」

 おみよが詳細を素早く話すと、浩太郎はますます呆れて、

「無駄な事を……」

 と、更に笑う。

 さて、そのお華は浪人達に、

「酌をしろだと? 何が悲しくてただでそんな事しなきゃなんないのよ!」

 それで金を取っている芸者のお華はそう怒っているが、そんな時、裕三郞の横で様子を見ていた姫が向こうを指差して声を上げた。

「あ! お師匠様!」

 ノブが、何とも言えない顔で、その酔っ払い達の間を、

「ちょっと、ごめんなさいよ~」

 などと言いながら、お華の方に杖付いて歩いて来る。

 さすがにお華と優斎は、思わず笑ってしまった。

 後ろの浩太郎は大爆笑だ。

 すると、裕三郞もそれに気づき、ささっと浩太郎に寄って来た。

「お止めにならないんですか?」

 それには浩太郎が、

「お華は、もうトサカだよ。無理無理。それにノブさんも来ちゃったら、最強だろ」

 そして浩太郎は、

「おう三郎さん、そこの娘は誰だい?」

 と聞くと、裕三郞は浩太郎の耳元に囁く。

 それにはさすがに浩太郎は驚いて、目を大きく開け小声で、

「伊達の姫様? なんでお姫様なんぞ、こんな所に……」

 浩太郎に取っては、そちらの方が驚愕の事態だ。

 そして、すぐ振り向き、後ろの平次親分に、

「お縄用意しとけ!」

 と慌てて叫ぶ。

 平次にとってはいつもの事だから、少々笑いながらヘイと頷き、後ろに指図する。


「さっさとおどき!」

 とお華は、言っているのだが、侍達はお華を見くびり、

「おいおい、みんな。×くらと医者、そしておばさんがどけってよ」

 皆、大笑いしている。

「な! おばさんだと!」

 とうとうお華のリミットは超えた。

「おい、少し痛い目に遭わせないとわからんようだ。みんなやってやれ!」

 四人は笑いながら、頷き刀を抜く。

 回りの町人連中は、

「抜いた抜いた!」

 と、怖いのか嬉しいのか、声が飛ぶ。

 両国の道端だから人も多いのだが、そこだけ競技場の様になっている。

 しかし。

 刀を抜いたのを確認した、お華は、

「あ、回った!」

 姫の叫び通り、いつもの様に一回転し、簪を四本が光を充分に浴びて駆け抜けた。

 そしていつもの通り、四人の頭を襲い髷を爆発させた。

 一瞬の事に驚愕する侍。

 むしろ姫の方が驚いた。

 そして両側から同時に、ノブと優斎が突っ込む。

 優斎は、用意していた木刀を振るい、ノブは仕込み杖から、こちらも怪しげな光が走る。

 見ている姫は、更に驚きの表情だ。思わず、

「信じられない!」

 と言ってしまう。

 しかしお華は、そうとう頭に来た様で、

「余計な事、言いやがって!」

 と、再びもう一度回り、今度は侍達の頬に、おまけの簪を打ち放つ。

 ザックリと頬に突き刺さり、頭と頬から血煙が踊る。

 やはり一瞬で終わってしまった。

 見ていた観客は、一斉に歓喜の声を上げる。

 頭を掻く、浩太郎は、

「平次! 頼むぞ」

 それと同時に、配下達が早速、侍が持っている刀を蹴り飛ばし、次々お縄にしていく。

 ふ~っと一息ついたお華は、後ろを振り向いて目を見開き、

「なんだ兄上もいたの?」

 苦笑いの浩太郎は、

「バカ者。こんな所でなにやってんだ」

 お華はバツ悪そうに、

「仕方無いでしょ」

 それには姫も振り向いた。

 浩太郎は慌てて羽織を着て、

「これはこれは姫様。お華のおかげで、さぞ恐ろしかったでございましょう。誠に申し訳ありません」

 姫は和やかに首を振り、

「いえいえ、とっても面白いものを拝見出来ました」

 と、お姫様らしく品良く笑う。

 すると優斎が、

「姫も皆さんもお疲れでしょう。用意の座敷で一休みしましょう。浩太郎さんも一緒に」

 浩太郎は笑いながら頷き、平次に一声掛け、一緒に一行に付いていった。



(4)

 

 座敷に着くと、姫は大喜びだった。

 二階のその座敷は、障子が開け放たれており、階下には川が綺麗に見える。

 川には船が行き来し、誠に粋な風景であった。

 正に、「江戸のお座敷」という風情だったろう。

 到着すると、浩太郎は早速、

「伊達の姫様。ご挨拶が遅れました。私、お華の兄。北町奉行所の廻り同心。桜田浩太郎にございます」

 と、平伏し挨拶をした。

 笑顔で頷き、姫も上座に座る。

 そして浩太郎は、

「なんでも、両国橋でお忍びでお楽しみだったとの事」

 お華に目をやり、

「このお華のお陰で、折角の一時をを台無しにしてしまいまして、誠に申し訳ありません」

「な!」

 と、お華は怒って、

「兄上! なんで私のせいなのよ!」

 と、抗議の声を上げるが、浩太郎は冷たく、

「お華居るところ、事件を招く」

 などと言うものだから、姫初め、みんな大笑いとなった。

 しかし笑いながら、姫は、

「いえいえ」

 と、手を振り、

「お華さんは強い方と以前からお聞きはしてましたが、まさかあれ程とは思いませんでした。口うるさい新左衛門が今回は何も反対しませんでしたから、不思議ではありましたが……」

 浩太郎は小声で、横の裕三郞に、

「新左衛門様って言うのは?」

「お留守居です」

 と笑う。浩太郎もうんうんと頷く。

 姫は、

「それに、先生やお師匠が、あんなにお強い方だったとは、全く知りませんでした」

 それには浩太郎が、

「二人は、江戸で一二ってぐらいです。見た目ではわかりませんけど」

 と笑う。ノブは恥ずかしげに手を振る。


 すると、皆の前に少し遅い昼食とお酒が配られた。

 これには、浩太郎が裕三郞に、

「こりゃ、ありがたい。さすが伊達様勘定方様じゃ。ありがたい。実は腹減ってての~」

 姫に頭を下げ、早速箸を付ける。

 裕三郞は渋い顔をしている。

 するとお華が、

「だいたいなんで、兄上が両国にいるのよ。今日は休みだって、姉上から聞いてたけど」

 少し強めに問い詰める。

 すると優斎も、

「そうそう、平次さんまで連れて。何かあったんですか?」

 浩太郎は頷き、まず姫に、

「これからお話しするのは、ご公儀に関わるお話です。とりあえず、聞かなかった事にして下さい」

 と笑って断りを入れ、優斎に、

「実はな。ご公儀が台場を作るってんで、急なご命令で工事の者達の出入りや、取締を命じられてさ」

 それには優斎が大きく頷き、

「台場ですか。朝方、両国に行く船で、船頭さんに聞きましたよ。ねえお華さん」

 お華も頷き、

「ねえ兄上。そのお台場って何の為に作るの?」

 と聞くと、浩太郎は一口酒を流し込み、姫に向かって、

「姫。先日の外国船の騒ぎはご存じですか?」

 姫も微笑み、

「ああ、お聞きしていますよ」

 と大きく頷く。

「実は、その折、余りに江戸の海の警備が手薄だって事になりましてね。ご公儀は品川沖などいくつかの島を埋めた立てて作り、そこに大砲を設置するという話になったんです」

 それにはお華が、

「また、大砲か……」

 と言いながら裕三郞の顔を見る。

「しかし、急にそんな物作って役に立つのでしょうか?」

 裕三郞が言うと、浩太郎と優斎は首を振る。

 そして優斎は、

「我々はこれまで、二百有余年。一度も戦などしていない。聞けば、アメリカは連戦連戦だとの事。こういう相手にいきなり大砲用意しても相手にはならないでしょう」

 浩太郎も頷き、

「そうそう。さっきお華に喧嘩を売った侍連中と一緒だ。あんまり言いたくは無いがな……」

 と笑い。

「刀持ってたって、お華の手裏剣に戦いを挑むなんて、お化けと戦おうってなもんだ。それと一緒だよ」

 さすがにお華は嫌な顔で、

「あたしはお化けかい?」

と、プンプン怒っている。

 すると優斎が、

「まあ、お化けはどうかと思いますが、姫もご覧になってお分かりかも知れませんが、私とノブさんは、お華さんが打った簪を予想して、二人とも低く、向かって行きました。私はともかく、目の見えないノブさんまで、正確に予想出来ています。これが、戦いにおける練度の差というものです」

 ノブも微笑みながら、酒を煽る。

 姫が真剣な顔で、

「練度にございますか」

 優斎が頷き、

「そう。つまり戦いの慣れって言う事です。お華さんはしょっちゅう誰かと一緒に戦ってますからね。みんな手の内はわかるんですが、相手がそれを察知するのは殆ど無理でしょう。そもそも真っ直ぐだけじゃ無くて、右から左から、あげくの果てには空からも手裏剣打ちますから。まあ、そう意味ではお化けかも知れませんけどね」

 それにはお華もさすがに、

「先生! お化けじゃ無いって!」

 訴えるのだが、他の皆は大笑いだ。

 するとおみよが、

「先生。お台場ってどうやって作るの? どこから土、持って来るんです?」

 するとそれには浩太郎が、

「ほう。おみよはさすがに頭が良いな」

 と笑い、

 だが、優斎もその辺は気になっていたようで、

「私も気になりますね。何と言っても埋め立てですから。かなりの大仕事ではないですか」

 姫や裕三郞も頷いている。

 すると浩太郎は、

「あのな。品川大崎の御殿山を切り崩してつくるらしいぞ」

「御殿山?」

 お華が声を上げる。そして、

「あそこは、お上が桜の名所にするって言う事で、作ったされた山じゃなかったっけ? 昔、父上に教えて貰ったけど……」

 優斎も腕を組み、唸る。

 浩太郎は頷き、

「その通りだ。歴代の将軍様が狩りなどでお使いになっていた場所だが、そこから山の北側半分を削り取るらしい」

 お華もそれには声を上げる。

「それは先代の将軍様に対し、あまりのご無礼……。あ、今はあの将軍様か……」

 姫と優斎は、それには下を向く。

 そしてお華は、

「先日、姉様が大奥お辞めになったけど。そういうこと聞くと、ご判断が正しかったんだと思ってしまうわよ」

 浩太郎も渋い顔で、下を向いてしまう。

 しかし、再び顔を上げ、

「甲斐姫様。この場を借りまして、身分違いではございますが一言、申し上げたい事がございます。宜しいでしょうか?」

 姫は、突然の事に少し驚いたが、気を取り直し、

「うん。桜田殿なんじゃ?」

 まず、

「ご無礼をお許し下さいませ」

 と軽く頭を下げ、そして、

「お聞きの様に、お上では幾分混乱状態ではございますが、伊達様におかれましては、その様な事は関係の無き事。それより危機の際、どうしたら良いのかと言うことにございます」

 それには、姫より優斎が顔を向け、

「どうなされた浩太郎さん」

 浩太郎は少し頷きながら、

「私は同心として、最悪の事態ともなれば、江戸町民どもを何とか被害から守らねばなりません。しかし、残念ながらそれは武家屋敷には届きません。伊達様だけでなく、我々同心は、身分上、武家に指図は出来ません。つまりお屋敷においては、お屋敷の方が率先して、行動を決めねばならんのです」

 姫は僅かに頷くが、お華はよく分からず、兄の顔を凝視している。

「例えば戦いとなった時、外国の連中は千代田のお城に向かって大砲を撃つと存じます。しかし物事には手違いと言うものがございます。要するに、その直線上にある品川の上屋敷もしくは他の屋敷に、直接当たってしまう事も充分考えられます」

 それには優斎も大きく頷く、姫は心配そうな顔で頷く。

 浩太郎は続けて、

「仮に撃たれなくとも、近辺で大規模な火事が起こる事も充分考えられます。問題は、姫様以下、お屋敷の女中の方々です。何にせよ大混乱となるでしょう」

 それには、今度は裕三郞が頷き、

「確かに、考えられる事にございます」

 浩太郎は、僅かばかり身体を進め、

「ここで重要なのは姫様にございます」

 それには姫を初め、お華もおみよも驚いた。

「兄上。何を言ってるの?」

 のお華の言葉に、

「様は、緊急の際の誘導じゃ。殿様あるいは留守居様とて、奥の事まで手が回らない事態となるかも知れん。ならば皆を纏め安全な場所に導くのは、若様がおらぬ以上、姫様の役割になると存じます」

 優斎も大きく頷き、

「そうですな。そのような時は、奥様そして、姫様にしっかりして貰わねばなりません」

 しかし甲斐姫は、そんなこと言われても……と言った表情だ。

 浩太郎は少し笑って、

「ただ、それ程の御心配はございません。その事自体は大した事ではないのです。ただ、そこのお化けには難しい事ですが……」

 と笑いながらお華を見ると、お華は眉を頂点に上げ、

「お化けお化けって煩いわね!」

 などと怒る彼女だが、浩太郎は姫に顔を向け、

「姫様でございますからやりやすいのです。砲撃であれば仕方が無いですが、火事。それも恐らく普通の火事では済まない様な気が致します。その時、姫様先頭に立ち、逃げなければなりません。事前に御台所様とご相談なさって、人数、手順を予めお決めになった方が良いと存じます」

 しかし甲斐姫は難しい顔で、

「だが、逃げると言っても、どこに逃げろと申すのじゃ」

「はい姫様。ただの火事ならば、お隣の浜離宮でも充分なのですが、さすがに城を狙うと言う連中。浜離宮は上様が起こしになる場所。さらには川に近い事もありますので、この場合は危険にございます。それならば、品川の増上寺にお逃げになる方が良いかと思います。そこなら、お屋敷の者も迷う事無いでしょうし、お姫様、お母様もわかりやすいのでは? と存じます」

 するとお華が、

「ああ増上寺ならわかりやすい。けど、あそこには将軍様のお墓もあるよ? 大丈夫なの?」

 優斎が笑って、

「お墓なんぞ狙いませんよ。何の得にもなりませんから。むしろ、そういう所を破壊するというのは、恨みを買い逆効果になりかねませんからね」

 浩太郎も頷き、

「その通りじゃ。姫様。この事ご理解頂けましたでしょうか」

 甲斐姫も得心がいった様で、微笑んで頷く。

 すると裕三郞も、

「なるほど、それならお殿様も後ろを気にせず、ご安心と言う訳でございますね」

 それには、お華が頷いて、

「そうか。武家屋敷じゃ私が居ても役には立たないか……でもね! お化けじゃ無いから!」

 と浩太郎を睨む。

 それに笑いながら姫は、

「そうですね。返ったらお母上とご相談します」

 優斎も微笑み、

「はい。姫はもうお身体には大事ございません。ですが、詰まらない事で怪我でもされたら、これまでが水の泡。大変な事ではございますが、どうか上手く行きますことをお祈りしております」

深く平伏した。


 結果的には、黒船で伊達屋敷には何も起こらなかった。

 しかし近い将来、思いも寄らぬ事が待っていた。それは何も甲斐姫だけに関わる事では無く、この時、座敷に居る者達全てに襲いかかる悪夢だった。

 その時は、刻々と近づいてくる。


 ~つづく~

 

 今回もお読み頂きありがとうございます。


 さて、とうとう12代将軍・徳川家慶が無くなりました。

 人類学の東大教授、故、鈴木尚先生によると、

 家慶の身長は推定154.4。

 江戸庶民の推定平均157.1より少し低い。

 そして頭が大きく、いわゆる馬面で、6頭身というサイズだという。

 ただ、中期以降の将軍家の頭骨は、貴族的骨格(現代日本人も稀なほど顔幅が狭く、かつ長い顔。そして鼻筋が通った隆起している鼻)だそうで、戦国時代にも生きた二代目秀忠と比べても全く違う様である。

 なぜこの事が分かるかと言うと、増上寺は太平洋戦争時で焼け、破壊された為、

将軍墓、御台所墓などを改葬した事があります。

 その折に学者がお骨を調べているからです。

 ですので、墓はそれぞれ新しく設置され、今は一般に公開されています。

 家慶は今残る、肖像画そのものの顔だそうで、かなり写実的だと言う。

 もし、ご興味のある方は、「骨は語る徳川将軍・大名家の人々」という鈴木先生の本をご覧になってみて下さい。

 但し、完全にグロテスクです。

 二代目御台所のお江(崇源院)以外は全て土葬。

 何しろ骨、遺体そのものですので、苦手な方はご注意を。


 ところで、将軍の背の高さについては、愛知県岡崎の大樹寺が有名だ。

 徳川家菩提寺でもあるこの寺には、将軍それぞれの背丈に合わせた位牌があります。

 そちらでの家慶位牌は大きさ、153.5 cm。

 やはり言い伝えはほぼ、間違いなかった様です。

 しかし、そうなると問題が一つあります。

 そう、五代将軍徳川綱吉です。

(生類憐れみの令)で有名な将軍ですが、彼の身長はなんと124 cm!

 小人症と専門家の間では言われていますが、どうなのでしょうか。

 それに加え、彼には死因の謎があります。

 果たして、麻疹なのか、御台所による暗殺なのか。

 遺骨に刀傷が残されているかも知れません。

 そうなると大奥の開かずの部屋の謎が解けるんですけどね。

 寛永寺の方の改葬があれば分かるかも知れませんが、何時の事やら(笑)

 ちなみに、これ以降、家定などに付いては、物語につれその時に。


 とうとう姉小路は引退してしまいました。

 家慶の逝去で決心がついたのでしょう。

 この辺の潔さは、欲だけの女では無かったんだな。と私は思っています。

 しかし彼女はまだ、大事な時に登場致します。

 そう簡単に、フェイドアウトさせてくれない様です。

 まあ、彼女は明治まで江戸で生きていましたからね。

 

 ということで、次回とうとうパンドラの箱が開いてしまいます。

 それでは、次回もよろしくお願いします。ありがとうございました。

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