表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吹雪とフブキ  作者: 爆進王


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/21

第5話 新馬戦②・出遅れ!!

 俺とフブキは一番早く馬場入りをし、返し馬に入る。なるべくセクシーボイスと距離を取るように走っていく。





(真白、我の昂る気持ち。どうしてくれるのだ!!)




(どうもこうもしねぇよ!!いきなり牝馬に襲いかかろうとするんじゃない!!)




(動物とは本来、そういう生き物であろう。許せ!!)




(許せんわ!!こればかりはどうにもならない)




(ぐぬぬぬっ)





 フブキがへそを曲げ、走る気を無くしているのが分かる。




 いくら能力が有っても走る気が無くては勝てない。




 俺は困り果てる。打開策を見つけようと、ふてくされて向こう正面を『てれんこ』歩いているフブキに聞く。





(フブキ、お前、種牡馬という言葉を知っているか?)




(種牡馬だぁ~、知らん!!)




(じゃあ、種付けという言葉は?)




(知らん、知らん。我は何にも知らんぞ。だが種付け…何気に『グッ』と心に響く言葉であるとは感じるが…)




(…そうか)





 俺はフブキがやる気をなくした原因を思いほくそ笑む。




 そしてフブキの走る気を取り戻すために説得を開始する。





(種牡馬とは繁殖用の牡馬の事だよ。競走成績が特に優れていた馬とか、血統が優れている馬が競走馬を引退した後になれる事がある)




(何っ…繁殖用…牡馬だと!?)




(そう!!それが種牡馬。でっ、当然繁殖用なので、その仕事が種付け。後は…分かるな?)




(ま、まさか!?)




(そう!!そのまさかだ!!)




(本当だな!!嘘ではないな!!)




(ふふふっ、本当だとも!!同世代の牝馬はもちろんの事、そのお母さんや、場合によってはお婆ちゃんとも種付けをする。ロリロリ牝馬や外国牝馬とも種付けできて、やりたい放題だ!!)




(う、うおおおぉぉぉ~!!最高じゃないか!!しかし………お婆ちゃん牝馬はご遠慮したいぞ)




(まあ…相手は指名できないが、とにかく年間、200頭前後の牝馬と種付けができる可能性がある。どうだ?種牡馬になる事を目標に頑張ってみないか?)




(真白、我、頑張る!!)




(良し!!とにかく、初めてのレースだ。落ち着いて行こう)




(分かったぞ!!)





 俺は小さく拳を握りしめる。





(うまくいった。未勝利でも種牡馬入りは確定しているが、これでフブキが走る気を出してくれるのなら良しとしよう)





 俺は密かにそう思いながら、ゲートの前までフブキを誘導していくのだった。





(しかし…いい尻をしているな)





 フブキはゲート前で輪乗りをしている時に、またセクシーボイスに気を取られる。





(フブキ、そんな事では種牡馬にはなれないぞ!!)




(分かっておる。ただ…本当に良い尻なのだ)





 フブキは愚痴りながらも、渋々と輪乗りを続ける。




 ゲートに誘導される。




 心配をしていたが、すんなりとゲートに収まってくれた。





(ところで真白。パドックでファンが言っていた『去勢』というのは何なんだ?)




(あぁ…それは…お前の大事な『アレ』をちょん切る事だな)




(……………)





 フブキが固まって動かなくなってしまった。




 ゲートが開く。




 当然の出遅れ。




 何とかゲートから出たものの、フブキは全く加速をしない。





(…ちょん切るのか。我の『アレ』を。本当にちょん切るつもりなのか?人間ごときが、神に選ばれたサラブレッドである我の『アレ』をちょん切るというのか!?)





 フブキは走りながら怯えている。





(だ、大丈夫だ!!俺がそんな事はさせない)




(絶対だな!!)




(あぁ…それに誰にも文句を言わせない競走成績を残せば、絶対に去勢なんて話は出てこない。元から馬主の美雪さんが去勢なんてさせはしないから!!安心しろ!!)




(頼むぞ、真白。万が一にも去勢はダメだ。これに関してはお前だけが頼りだ)




(任せておけ。それよりも今は走りに集中してくれ。惨敗でもしたら、本当に『アレ』が危なくなるぞ!!)




(我の『アレ』は我が守る!!)





 フブキは突然加速をしていく。




 だが、先頭はすでに3コーナーに差し掛かっていたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ